国連が定めた記念日「国際デー」一覧

世界の国旗が描かれた旗

Photo by Jeremy Bezanger on Unsplash

特定の日に制定されている国際デー。加盟国でグローバルな課題を共有し、成功を意識する日だ。国際デーに合わせての啓発アクションは多く、社会環境の向上・改善を呼びかけている。国際デーの目的や、現在制定されている国際デーの数々について紹介する。

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2022.10.06
SOCIETY
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国際デーとは

国際デーは、世界で起こっている問題・課題、懸案事項について広く情報をリリースし、グローバル間で解決に取り組むことを意識する機会にあたる。解決や前進の暁には人類の成果としてそれを祝う日でもある。

国際デーを制定するのは国連と加盟国だ。まず、加盟国が国際デーの制定を国連総会に提案。提案を受けた国連総会は該当の国際デーを制定するか否かをコンセンサスによって決定する。

提案・制定されるすべての国際デーは「国際の平和と安全維持」「持続可能な開発の促進」「人権の擁護」「国際法と人道支援の保障」に関連づけたものだ。

国連の発足以前から国際デーは存在していたが、国連はそれを受け入れ、強いアドボカシー*の手段として継続している。(※1)

* 「権利擁護」や「代弁」などという意味を持つ言葉で、政治や経済、社会などの制度へと影響を与えるために、個人やグループによる活動・運動を意味する

国連の加盟国は193ヶ国におよび、世界中の国をほぼ網羅していると言えるだろう。国際デーの制定で各国が問題を意識することは、とりもなおさず世界中の人々、ほぼすべての人類が問題を意識するのと同様の意味を持つのだ。

だからこそ国際デーを知り、諸問題への理解を深め、解決へと歩んでいける。解決が容易ではない問題も多いが、人類が一丸となって解決に取り組めば、理想の結果に近付くことができるだろう。

ELEMINISTでは過去の記事で多くの国際デーを解説した。ここからはELEMINISTで取り上げた国際デーについて紹介しよう。今後の紹介記事の増加によって随時更新する。

3月

3月22日「世界水の日」

水の重要性を世界で考える国際デーである。日本は水資源に恵まれているが、そうではない国も多い。世界各地で起こる水不足や水にまつわる衛生関連の問題を受け、すべての人に安全で清潔な水を届けるために活動・啓発をおこなう日だ。

3月22日は、水の大切さを考える「世界水の日」 水資源の重要性と普及に向けた取り組みとは 

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5月

5月22日「国際生物多様性の日」

生物の多様性が自然環境の悪化によって失われようとしている。多様性の喪失は生態系や人間社会に大きな影響をおよぼす。5月22日は「生物の多様性に関する条約」が締結された日であり、生物の多様性の復活・保護活動を意識する日だ。

5月22日は「国際生物多様性の日」 急速に失われる多様性の保全を啓発する国際デー

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6月

6月3日「世界自転車デー」

自転車のさらなる普及・活用を目指す日。その根底には「人々の健康や運動能力を促進したい」という意志がある。ほかの一面では電車や車のような交通機関の利用の減少が二酸化炭素排出量の問題解決につながる効果が期待されている。

毎年6月3日は「世界自転車デー」 制定の背景や目的、取り組み事例を解説

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6月5日「世界環境デー」

環境への意識を高める日である。環境保全を根底にした取り組みは、毎年異なったテーマが設定される。過去には大気汚染、プラスチック汚染、生物多様性への啓発がおこなわれ、現在も続けられている。なお、日本では「環境の日」と呼ばれる。

6月5日は「世界環境デー(環境の日)」 過去のテーマと由来・歴史を解説

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6月18日「持続可能な食文化の日」

日々の食事は健康のために不可欠なものであり、世界各地の食生活にはそれぞれの特徴がある。これらを「食文化」と定義し、持続可能な食糧生産、地域固有の食生活の継承について意識・再考する日である。

6月18日は「持続可能な食文化の日」 制定の背景や具体的な取り組み

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6月20日「世界難民の日」

世界人口の97人に1人が難民である。人種・宗教・国籍・政治的意見などその原因はさまざまだが、避難先の国で基本的人権を守りにくい状況になることもある。難民の立場でも、基本的人権が侵される理由はないはずだ。難民の保護と援助に関する啓発の日である。

6月20日は「世界難民の日」 難民の保護と援助の関心を高める国際デー

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7月

7月11日「世界人口デー」

世界の人口が50億人を突破したことを記念し、また、未来への願いを形にするために制定された日である。同時に人口増加によって生まれる諸問題を考える機会にもなるだろう。

7月11日は世界人口デー 制定の背景から世界が抱える人口問題まで

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8月

8月19日「世界人道デー」

紛争・災害が原因で困難な環境で生活せざるを得ない人々と、彼らを支援する人道支援関係者に心を馳せる日である。世界では人道支援を必要とする人々が増え続けているという。支援の輪と啓発を広げるため、世界各地で毎年さまざまなイベントが開催されている。

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9月

9月21日「国際平和デー」

ピースデーとも呼ばれる。国や人種を超え、国際平和の大切さについての意識を共有する日だ。全世界の紛争地へ停戦や非暴力を呼びかけ、世界各地ではイベントやセレモニーがおこなわれる。ニューヨークの国連本部では毎年この日に日本国連協会が寄贈した「平和の鐘」を鳴らしている。

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10月

10月4日「世界動物の日」

動物愛護や保護の啓発を目的に制定された日である。野生動物の激減や動物実験、犬・猫の殺処分など、動物を取り巻く問題を考え、彼らに対して思いやりや愛情を持つことを意識するイベントが世界各地で開催される。

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10月13日「国際防災の日」

災害への危機意識と備え、レジリエンスの強化を啓発する日だ。災害リスクを軽減するため、備えや予防について意識を高める。災害大国である日本をはじめ、世界で多くの防災イベントが開催される。

10月13日の「国際防災の日」とは 災害被害軽減のためレジリエンスの強化を

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10月11日「国際ガールズデー」

立場が弱く、人権を侵害される女の子たちがいる。とくに発展途上国ではその傾向が強い。彼女たちのエンパワーメントを目的に制定された日だ。女の子の権利保護、社会的立場の向上、差別や不平等の撤廃を目指す。SDGsとのかかわりも深い。

国際ガールズデー(10月11日)の成り立ち・主なイベント一覧

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10月17日「貧困撲滅のための国際デー」

貧困や飢餓、そして暴力に苦しむ人々の人権を尊重するよう啓発する日である。近年は極度の貧困にある地域をはじめ、パンデミックや戦争の影響で先進国でも貧困が拡大し、重要性が増している。貧困撲滅のため、過去から数々のアクションがおこなわれている日でもある。

10月17日の「貧困撲滅のための国際デー」とは すべての人々の権利を尊重する世界へ向けて

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11月

11月14日「世界糖尿病デー」

世界人口の9.3%もの人々が罹患している糖尿病。世界糖尿病デーは糖尿病の予防や治療の重要性を呼びかける日だ。日本でも1,000万人の患者がいると言われ、彼らは日々闘病に励んでいる。この日にはブルーライトアップをはじめ、イベントやメッセージの発信がおこなわれる。

11月14日は世界糖尿病デー ブルーライトアップに込められた思いとは

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11月5日「津波防災の日」

国際デーではなく、日本が制定した日である。はるか昔から津波災害と闘う日本ならではの日かもしれないが、しかし同日に国際デーとして「世界津波の日」が制定されており、日本と世界を津波防災の意識で結ぶ日とも言える。津波の脅威や対策について深く考え、起こり得る津波災害に備える日だ。

11月5日の「津波防災の日」とは  世界津波の日との関係と制定の背景

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11月19日「世界トイレの日」

トイレ環境がいまだ不自由な人々にとっては、先進国では当然のように使える安全なトイレが縁遠い。生命維持や人権、環境問題にもかかわるトイレの諸問題について啓発し、世界のトイレ環境の改善を呼びかける日である。SDGsでも重要視されている。

「世界トイレの日」とは トイレ普及率と世界の現状

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11月20日「世界こどもの日」

児童福祉の充実や推進についての啓発を目的に制定された。すべての子どもたちが安心して健やかに成長できるよう、差別の撤廃や教育の充実を目指す。飢餓対策や医療へのアクセス、児童労働の撤廃など、深刻な問題の解決を意識する日だ。

「世界こどもの日」とは 児童労働や子どもの貧困問題の解決に向けて

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12月

12月1日「世界エイズデー」

WHO(世界保健機関)が主導し、エイズのまん延防止や患者への差別・偏見の撤廃をグローバルレベルで実現するために制定された日である。赤いリボンがシンボルマーク。毎年この日には世界各地でいくつもの啓発イベントがおこなわれ、エイズへの理解を深め続けている。

12月1日は「世界エイズデー」 シンボルマークのレッドリボンの意味とは

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国際デーであらためて意識する諸問題と解決への前進

国際デーが制定されるということは、いわば看過できない国際的な問題があるということだ。ふだんはなかなか意識しにくい問題でも、国際デーに気付けば自然と理解を深めようと感じるかもしれない。

世界には個人の想像を超える事情で起き得る問題がある。人々の権利、自然環境、動物の生態系などその数は多い。国際デーを機に理解を深め、問題の解決へと進んでいこう。

※掲載している情報は、2022年10月6日時点のものです。

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