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世界糖尿病デーとは、糖尿病の予防や治療の大切さを呼びかける日。糖尿病患者数が多い世界の国ランキングと、日本の患者数をチェックしよう。また、世界糖尿病デーに各地でブルーライトアップが行われる理由と、これまでに行われたイベントを紹介する。
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「世界糖尿病デー」とは、世界各国に広がる糖尿病の予防や治療の重要性について啓発する日。糖尿病患者の数は、世界の人口の約9.3%にあたる4億6,300万人と言われ、2045年には約7億人に達すると予想されている。(※1)
このような脅威に対応するため、1991年、国際糖尿病連合(IDF)と世界保健機関(WHO)が世界糖尿病デーを制定した。
世界糖尿病デーには毎年、世界160か国10億人以上がさまざまな行事に参加しており、疾患関連の啓発デーとしては、世界でも有数の日として知られている。
世界糖尿病デーは、毎年11月14日に制定されている。11月14日は、糖尿病治療に欠かせないインスリンを発見したバンティング博士の誕生日だ。インスリンの発見は糖尿病治療の飛躍的な進歩につながったことから、バンティング博士にちなんだ日が世界糖尿病デーとなった。
日本では、11月14日の世界糖尿病デーを含む1週間を「全国糖尿病週間」と定め、各都道府県糖尿病協会などが、糖尿病に関する啓発運動を行っている。
糖尿病は、膵臓から分泌されるホルモン「インスリン」が十分働かず、血液中の糖が増えてしまう病気。インスリンは、血糖を一定の範囲におさめる働きがあるが、糖尿病患者はインスリンの作用が弱く、血糖値が高くなってしまう。そのような状態が続くと、心臓病や失明などの重い病気につながる可能性がある。
IDF発表の「糖尿病アトラス第9版(2019年)」によると、世界の糖尿病患者は4億6,300万人。20歳から79歳の糖尿病患者が多い国は以下のとおりだ。(※2)
日本は、2015年の調査では患者数720万人で9位にランクインしていたが、2017年と2019年の調査ではトップ10から外れた。(※3)
順位 | 国 | 糖尿病患者数 |
---|---|---|
1位 | 中国 | 1億1,640万人 |
2位 | インド | 7,700万人 |
3位 | アメリカ | 3,100万人 |
4位 | パキスタン | 1,940万人 |
5位 | ブラジル | 1,680万人 |
6位 | メキシコ | 1,280万人 |
7位 | インドネシア | 1,070万人 |
8位 | ドイツ | 950万人 |
9位 | エジプト | 890万人 |
10位 | バングラデシュ | 840万人 |
日本では、厚生労働省が「平成28年(2016年) 国民健康・栄養調査」のなかで、糖尿病が強く疑われる人は約1,000万人、糖尿病の可能性を否定できない人は約1,000万人いると推計している。(※4)
つまり糖尿病患者とその予備軍をあわせると約2,000万人になり、国民の人口の15%を占めるほどとなる。
Photo by 奈良市役所
世界糖尿病デーのシンボルマークには、国連や空を表す青色と、団結を示す輪を組み合わせた「ブルーサークル」が使われている。これにちなんで、世界糖尿病デーには世界各地の名所で、青色のライトアップが行われている。
これまでにブルーライトアップが行われた場所には、パリのエッフェル塔、ニューヨークのエンパイアステートビル、シドニーのオペラハウス、日本では札幌テレビ塔、大阪城、JR奈良駅旧駅舎、東京タワー、東京都庁舎、渋谷ヒカリエ、東京ビッグサイト、味の素スタジアムなどがある。
WHOは2020年の世界糖尿病デーに、テドロス事務局長や各国政府、非政府組織の代表などとディスカッションするオンラインイベントを開催した。
このなかで、2021年4月に発足する「世界糖尿病コンパクト」について言及。過去40年間で世界の糖尿病患者数が4倍に増加していることから、糖尿病を予防し治療する取り組みを加速することを発表した。(※5)
日本糖尿病協会は、糖尿病について広く知ってもらうため、市民向けのWeb講座を開講している。2020年は、糖尿病患者が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にどのように対応するべきか、セミナーが開催された。
江崎グリコは、世界糖尿病デーの活動を毎年応援。2017年からは大阪の道頓堀にあるグリコサインに「糖尿病の予防を推進しています。」というメッセージを表示し、世界糖尿病デーの認知を広げる活動などを行っている。
Photo by 江崎グリコ
糖尿病によって引き起こされる合併症などが原因で亡くなる人は、世界で年間500万人以上。これは6秒に1人が亡くなっている計算だ。(※1)とくに日本は糖尿病患者数が世界的に多い国に分類され、国民病のひとつと言われている。
だが、日本生活習慣病予防協会では「糖尿病の50%以上は予防可能」と明言している。世界糖尿病デーをきっかけに、糖尿病にならないよう生活を見直していくことが大切だ。
※1 「世界糖尿病デー」について|世界糖尿病デー実行委員会https://www.wddj.jp/01_howto.htm
※2 糖尿病アトラス第9版(2019年)|IDF
https://diabetesatlas.org/en/sections/demographic-and-geographic-outline.html
※3 糖尿病アトラス第8版(2017年)・7版(2015年)|IDF
https://diabetesatlas.org/upload/resources/previous/files/8/IDF_DA_8e-EN-final.pdfhttps://www.diabetesatlas.org/upload/resources/previous/files/7/IDF%20Diabetes%20Atlas%207th.pdf
※4 平成28年 国民健康・栄養調査結果の概要|厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/kekkagaiyou_7.pdf
※5 糖尿病対策を加速するWHOグローバル ・ コンパクト|日本WHO協会https://japan-who.or.jp/news-releases/2104-23/
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