「世界こどもの日」とは 児童労働や子どもの貧困問題の解決に向けて

女の子を抱っこする男性

Photo by Steven Van Loy on Unsplash

11月20日は「世界こどもの日」だ。すべての子どもたちが安心して健やかに育ち、幸福な未来を生きられるよう、児童福祉の増進を意識する日として制定された。差別の撤廃、教育の充実などを行い、子どもが生まれながらに持つ権利を守ることは大人の義務である。世界の子どもたちが抱える問題の解決が

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2022.01.31
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11月20日の「世界こどもの日」とは

1954年、国連が11月20日を「世界こどもの日」と制定した。主な目的は、世界の子どもたちの相互理解と福祉の向上である。

世界こどもの日の制定に端を発し、世界中に子どもの権利を強く意識する流れが生まれた。国連総会で1959年11月20日には「児童の権利に関する宣言(通称:子どもの権利宣言)」が、その30年後の1989年11月20日には「児童の権利に関する条約(通称:子どもの権利条約)」が採択されている。

現在では子どもの権利を守る活動に国連をはじめ、ユニセフ、各国のNGO団体が関わっている。国連に加盟しているすべての国家も参加しており、子どもの権利向上と福祉の増進を目指している。

世界の子どもたちが抱える深刻な問題と現状

大人が意識しない限り、子どもの問題や現状に気付くことは難しい。世界の一部の地域には、いまだに深刻な問題を抱える子どもがいる。その現状は多くの大人が想像する以上かもしれない。

飢餓による発育阻害

2018年版「世界の食料安全保障と栄養の現状」の報告書から、5歳未満の子ども約1億5,100万人が栄養不良を起こしていることが明らかになった。

同報告書によると、栄養不良による低身長という発育阻害が確認されている。その39%がアジア、55%がアフリカに集中していた。また、アジアでは10人に1人が低体重児であった。(※1)

飢餓の原因には気候変動や異常気象、紛争や景気後退など複数の要因が絡まっている。今後は、彼らが高栄養価の食料へアクセスしやすい環境の構築が求められるだろう。

医療が受けられずに命を落とす590万人の子ども

世界人口の約半分は、いまだ質の高い医療にアクセスできないという現状がある。無論、そのなかには子どもも含まれているのである。適切な医療を受けられないがために、590万人もの子どもが5歳未満で命を落としている。(※2)

その理由や背景はさまざまだ。医療が先進的なレベルに達していない地域に住んでいることや、医療費を負担できないために病院へ行けないなどという、環境格差と貧困が子どもの健康をおびやかしている。

これはSDGsのゴール3に掲げられた「すべての人に健康と福祉を」からは遠くかけ離れた事象であり、世界的な対応が望まれる問題だと言えるだろう。

健全な成長に有害な児童労働

児童労働とは、15歳未満(就業最低年齢および義務教育年齢)の労働と18歳未満の危険で有害な労働を指す。「教育や成長を妨げる労働」「心身に有害な労働」「強制的に自由を奪うような搾取的な労働」などを含む。

2020年の調査では、世界で1億6,000万人もの子どもに対する児童労働が報告されている。うち7,900万人は危険有害労働に従事していると言われ、この問題解決が急務であることは疑いようがない。

とくに児童労働の多い地域はサハラ以南のアフリカだ。全体の23.9%、にものぼる。ほかにも東・東南アジア、中央・南アジア、北アフリカ・西アジア、中南米・カリブ、欧州・北米の順で多数の児童労働が確認されている。(※3)

児童労働の原因としては、貧困をはじめ、大人の児童労働に対する意識や教育の不足が挙げられる。問題解決のためには経済の向上や大人への啓発が鍵になるだろう。

世界こどもの日の取り組み

世界こどもの日が制定されてから、国連や各国ではさまざまな取り組みがなされてきた。その一部を紹介する。

子どもの権利宣言と子どもの権利条約の採択

国連総会では1959年11月20日に「子どもの権利宣言」が、1989年11月20日には「子どもの権利条約(「児童権利条約」とも呼ばれる)」が採択された。日本では1994年4月22日に批准され、同年5月22日より効力が発生している。(※4)

子どもの権利条約では、子どもの権利の尊重・確保において必要とされる具体的な条項が詳細に記されている。

「生命・生存・発達に対する権利」「最善の利益」「意見の尊重」「差別の禁止」。この4つを柱として全54条から成る子どもの権利条約は、その採択後、5歳未満の児童の死亡率低下と児童労働の減少を促進した。(※5)

チャイルド・スポンサーシップ(ワールドビジョン)

国際NGO団体ワールドビジョンが行っているチャイルド・スポンサーシップでは、もっとも弱い立場である子ども自身に「子どもの権利」を学ぶチャンスを提供した。(※6)

自身の権利を知った子どもは問題解決のためにみずから言葉を発し、自分の意見を伝える知識と力を身に付けてきている。

金銭的、啓発的支援(ブルガリ&セーブ・ザ・チルドレン)

世界的ジュエリーブランドのブルガリと国際NGO団体セーブ・ザ・チルドレンは、2009年にパートナーシップを締結した。

セーブ・ザ・チルドレンをモチーフとしたジュエリーをリリースし、その収益を子どもの問題解決活動の活動費として提供している。(※7)

2021年11月20日には日本の銀座タワーへ訪れた顧客へ、セーブ・ザ・チルドレンのロゴを配したスペシャルチョコレートを配布。世界こどもの日を広く知らせることに貢献した。

※掲載している情報は、2022年1月31日時点のものです。

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