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「世界動物の日」とは、動物の愛護や保護を目的に、1931年の国際動物保護会議で制定された日。動物実験、犬猫の殺処分など、動物にかんする問題を改めて確認し、世界動物の日に行われている国内外のさまざまなイベントや活動について紹介する。また、その他の動物にちなんだ記念日を紹介する。
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「世界動物の日(ワールド・アニマル・デー)」とは、動物愛護や動物保護を目的に定められた世界的な記念日。1931年、イタリアのフィレンツェで開催された国際動物保護会議で制定され、毎年10月4日に世界各地で関連行事などが行われている。
もともと10月4日は、動物の守護聖人とされるアッシジの聖フランシスコの祝日。そこで世界動物の日は、この日にちなんで定められ、動物の保護などの意識を高める意味が込められている。
世界自然保護基金(WWF)が2020年に公表した報告書によると、野生生物の個体数が過去50年未満で、3分の2以上減少した。(※1)
この一因となっているのが、人間による自然界の破壊だ。森林が燃やされ、海で乱獲が横行するなど、自然破壊で野生生物の個体数が激減しているという。また人間の装飾品や食品として、野生生物が違法で取引されることがある。
国際自然保護連合(IUCN)がまとめたデータによると、3万2,000種以上の動物が、絶滅の危機に瀕している。(※1)
これまで、化粧品や医薬品などの研究開発や安全性確認のために、生きた動物を使った実験が行われてきた。しかし動物実験に反対する世論が世界的に高まっており、現在は動物実験を行わない「クルエルティフリー」をうたうメーカーやブランドが増えてきている。
日本では、「動物の愛護及び管理に関する法律」(動物愛護管理法)の2005年の法改正で、動物実験へ配慮する旨が明文化された。(※2)
日本ではペットの殺処分の問題がある。たびたび訪れるペットブームの影で、ペットショップで売れ残ったり、飼い主に捨てられたりした動物のなかには、里親や保護先が見つからず、保健所で殺処分される動物がいる。
殺処分の問題がメディアで多く取り上げられ、「殺処分ゼロ」を掲げる自治体が増えるなどしたため、殺処分数は減少傾向にある。だが、2019年4月1日から2020年3月31日までの一年間に殺処分された犬・猫は、3万2,743頭にのぼる。(※3)
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メキシコ西部の都市サポパンにあるアッシジの聖フランシスコ教会は、世界動物の日の由来となったアッシジの聖フランシスコの名前がついた教会だ。ここでは世界動物の日に、犬や鳥などのペットを連れた人々が集まり、動物たちが聖職者から祝福を受けている。
フィリピンの首都マニラでも、メキシコと同じように、動物が司祭より祝福を受けている。だが2020年10月4日の世界動物の日は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防のため、異例のドライブスルー方式で実施された。
ペットを車に乗せた飼い主が司祭のもとに近づくと、司祭がペットに聖水を吹きかけ、簡易方式で世界動物の日の祝福儀式が行われた。
2018年の世界動物の日に、WWFジャパン(世界自然保護基金ジャパン)が行ったのが「#ANIMAL_SELFIE(アニマルセルフィー)」キャンペーン。
特設Instagramアカウントに、アフリカゾウ、ホッキョクグマ、キリンなどの自撮り風写真を投稿。それらの動物が現在おかれている状況と問題点を投稿で紹介し、さらに投稿から簡単に寄付できるようにした。
朝日新聞社では、新型コロナウイルス感染症の影響で来場者が激減した動物園や水族館を支援するため、2020年の世界動物の日に「Lover Zooプロジェクト」を立ち上げた。
オンライン上で動物にエサやりができる特設サイトをオープン。クリック数に応じて協賛する企業から寄付金を集め、日本動物園水族館協会に寄付された。
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「にゃんにゃん」という猫の鳴き声に合わせてつくられたのが、2月22日の「猫の日」。猫の日実行委員会と一般社団法人ペットフード協会が1987年に制定した。8月8日の「世界猫の日」とは異なり、2月22日の「猫の日」は日本独自のもの。
「世界トラの日」とは、2010年に開かれた世界トラ保護会議「トラサミット」で制定された記念日。絶滅危惧種であるトラの現状を知ってもらうことが、目的。
猫にちなんだ日に、「世界猫の日(International Cat Day)」がある。これは、IFAW (国際動物福祉基金)が2002年に制定した日。猫への理解を深めるために制定された。
WWFが、世界のサイの現状について理解を促すことを目的に、「世界サイの日」を2010年に制定。世界中の動物園などが、絶滅に瀕しているサイの現状について、啓蒙活動を行っている。
犬の鳴き声「ワンワン」にちなんで、11月1日は「犬の日」に制定されている。これは一般社団法人ペットフード協会が1987年に制定した。
言葉は通じなくても動物とともに過ごすことで、私たちは生活に喜びを感じたり癒されたりする。しかし、人間による自然破壊や気候変動によって、絶滅の危機に瀕したり苦しい状況に陥っている動物がいる。動物たちが幸せに生きていくためには、人間と動物が共存することを理解し、動物へ思いやりを忘れないことが大切ではないだろうか。
※1 野生生物が「壊滅的減少」 過去50年で3分の2が減る=WWF|BBCニュースhttps://www.bbc.com/japanese/54097456※2 動物愛護管理法|環境省https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/index.html
※3 犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況|環境省https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html
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