6月20日は「世界難民の日」 難民の保護と援助の関心を高める国際デー

笑顔で肩を組み合う子どもたち

毎年6月20日は世界難民の日。日本人にとって難民は遠い存在のように思えるかもしれない。しかし、ある日突然彼らは難民になる。難民支援を行うUNHCRの活動と、難民支援難民となる原因、彼らの置かれている状況の解説を通じて、世界難民の日を知ってみよう。

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2021.04.08
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世界難民の日とは

テーブルに置かれた地球儀

Photo by Kyle Glenn on Unsplash

世界難民の日とは、毎年6月20日を難民の保護と援助に対する世界的な関心を高めるために2000年12月4日、国連総会が決議した国際デーだ。

もともと6月20日はOAU(アフリカ統一機構)難民条約の発効を記念する「アフリカ難民の日(Africa Refugee Day」だった。

2020年の世界難民の日、日本では連帯の証しとして、さっぽろテレビ塔や東京都庁、東京スカイツリーなど全国25カ所のランドマークが国連カラーの青色に点灯した。

97人に1人が難民 85%が開発途上国に避難

難民とは、「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受けるおそれがあるために他国に逃れた」人々のこと。

国連難民口頭弁務官事務所(UNHCR)によると、2019年時点の世界の難民は7950万人。2019年の間に新たに1,100万人が難民となった。世界人口の1%、97人に1人が難民であることになる。難民の出身国の3分の2以上である68%が次の5カ国に集中している。

・シリア 660万人
・ベネズエラ 370万人
・アフガニスタン 270万人
・南スーダン 220万人
・ミャンマー 110万人

難民は国内の安全な場所に避難または周辺国に庇護を求める。最大の難民の受け入れ国はトルコだ。5年連続で受け入れ国1位となっている。

しかし、安全な地域に逃れたからといって快適な生活が送れるわけではない。財産を失い、苦しい生活を強いられている。学校に行けずに働かされている子ども、生活の保証を得るために結婚をしなければならない未成年の少女も少なくない。

衛生環境が不十分な難民キャンプでは、コレラや赤痢などの感染症が蔓延することも。不衛生な環境で汚染された水を飲み、命を落とす子どももいる。

UNHCRの取り組みとUNHCRに貢献した日本人女性

難民キャンプの路上を歩く子どもたち

Photo by Julie Ricard on Unsplash

このような難民問題に取り組んでいるのが、前述したUNHCRだ。UNHCR(United Nations High Commissioner for Refugees)は1950年に設立された国連機関のひとつ。

緊急支援や保護、シェルターとしての役割を果たすだけでなく難民の教育支援や生計・自立支援、保険衛生に関わる支援などを行っている。

UNHCRといえば、緒方貞子さんが有名だ。同氏は1991年〜2000年までの10年間にクルド難民やバルカン紛争、ルワンダ難民などの保護と救済に活躍。UNHCRは国連の中心的な組織として生まれ変わり、組織や予算規模は2倍となった。

2020年の世界難民の日キャンペーン内容

UNHCR WILL2LIVE Music 2020
コロナ禍の難民支援に賛同するアーティストとゲストによる音楽とトークの配信番組。2020年は世界で注目を集める日本人アーティストの一人MIYAVI(UNHCR親善大使)とキャスターの長野智子(国連UNHCR協会報道ディレクター)がメインパーソナリティとなった。

募金つきオンラインシアターUNHCR WILL2LIVE Cinema 2020
2020年6月20日〜8月31日までの期間中、難民問題をさまざまな角度から取り上げ、難民の生き抜くチカラを共有する6作品がオンライン上で見放題。料金コースは視聴料のみのもの、視聴料に匿名募金を加えたものの3種類があった。

2021年の世界難民の日は

2021年4月8日現在、今年の世界難民の日のリリースはまだない。引き続きコロナは予断を許さない状況が続いているため、2020年と同様の取り組みが予想される。最新情報はUNHCR日本の公式サイトをチェックしてみよう。

日本人にとって難民は遠い国の存在に思えるかもしれない。実際、日本の難民認定率は約0.25%と先進国の中では低い数字となっており、難民に対して寛容な国とは言えないだろう。

しかし、一人ひとりにもできることがある。イベントに参加したり、寄付をしたりすることも支援につながっている。難民支援をはじめるきっかけとして「世界難民の日」を活用したい。

※ 参考サイト
難民とは?|UNHCR
https://www.unhcr.org/jp/what_is_refugee
数字で見る難民情勢(2019年)|UNHCR
https://www.unhcr.org/jp/global_trends_2019
国連UNHCR協会
https://www.japanforunhcr.org/
「世界難民の日」東京都庁舎ライトアップの実施について|東京都
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2020/06/16/04.html
UNHCR WILL2LIVE Music 2020
https://unhcr.will2live.jp/wrd-m01/

※掲載している情報は、2021年4月8日時点のものです。

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