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世界の国々が取り組むSDGsの達成具合を示したのが、「SDGs達成度ランキング」だ。最新の2025年版から、トップ50とワースト10の国、日本の順位を紹介しよう。さらに、2030年までに17ある目標のうち1つも達成が難しいという世界の現状について解説する。
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日本は、167位中19位で、スコアは80.66だった。近年の順位とスコアの推移は次のとおりだ。過去最低だった2023年の21位から回復していることはうかがえる。
年 | 順位 | スコア |
2025年 | 19位 | 80.66 |
2024年 | 18位 | 79.9 |
2023年 | 21位 | 79.4 |
2022年 | 19位 | 79.58 |
2021年 | 18位 | 79.8 |
さらに報告書では、17の目標それぞれについて「達成済み」「課題が残る」「かなりの課題が残る」「深刻な課題がある」の4段階で達成度を評価している。2025年報告書で指摘されたのは、下記のとおりだ。
・目標3「すべての人に健康と福祉を」
・目標1「貧困をなくそう」
・目標4「質の高い教育をみんなに」
・目標6「安全な水とトイレを世界中に」
・目標8「働きがいも経済成長も」
・目標16「平和と公正をすべての人に」
・目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」
・目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」
・目標10「人や国の不平等をなくそう」
・目標11「住み続けられるまちづくりを」
・目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」
・目標2「飢餓をゼロに」
・目標5「ジェンダー平等を実現しよう」
・目標12「つくる責任つかう責任」
・目標13「気候変動に具体的な対策を」
・目標14「海の豊かさを守ろう」
・目標15「陸の豊かさも守ろう」
日本で達成済みと評価されたのは、目標3の「すべての人に健康と福祉を」のみ。目標4「質の高い教育をみんなに」、目標11「住み続けられるまちづくりを」など、前年よりも評価が落ちたものもある。
一方で、「課題が残っている」と指摘されたのは、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」や目標13「気候変動に具体的な対策を」など。また、日本で目標2「飢餓をゼロに」が「深刻な課題がある」と最低評価を受けたことは、意外と感じる人がいるかもしれないが、日本でも格差や食糧難に苦しむ人がいることが存在する証拠だ。
世界全体で、2030年のSDGsの達成には程遠いと指摘した今回の報告書。とくに近年は、新型コロナウイルス感染症の猛威とその影響による格差の広がり、そして各地での戦争勃発、物価高など、SDGsの達成を阻む要因が増えている。
世界では日々の十分な食糧を得られない人がいて、海や陸などの環境への影響も深刻化している。そして、日本でもそのような格差が起きている。
SDGsランキングはひとつの指標にすぎず、順位やスコアだけで一喜一憂するのではなく、世界や日本の現状を理解して、それを受け入れ、私たちに何ができるのか考えていくきっかけにするべきだろう。
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