エシカルインフルエンサーが集う「ELEMINIST MEET Vol.5」アフターレポート【前編】

エシカルインフルエンサーが集うイベント「ELEMINIST MEET」会場

2025年6月26日(木)、エシカル・インフルエンサーイベント「ELEMINIST MEET Vol.5」をライトボックススタジオ青山にて開催した。前編では、出展ブランドのブースや商品など、イベントの様子を紹介する。

ELEMINIST Editor

エレミニスト編集部

日本をはじめ、世界中から厳選された最新のサステナブルな情報をエレミニスト独自の目線からお届けします。エシカル&ミニマルな暮らしと消費、サステナブルな生き方をガイドします。

2025.07.25
FOODS
編集部オリジナル

米ぬか由来のイノシトール 「初耳!だけど使ってみたい」の声が集まる

Promotion

エシカルな想いが響き合う、ポジティブなエネルギーがあふれる場所

エシカルインフルエンサーが集うイベント「ELEMINIST MEET」会場

2025年6月26日(木)に、「ELEMINIST(エレミニスト)」主催のイベント「ELEMINIST MEET Vol.5」を開催した。サステナブル・エシカルな商品づくりに取り組むブランドと、エシカル・インフルエンサーをつなぐ出会いの場として、毎回盛り上がりを見せている。

今回もさまざまな分野のブランドが集結。来場者は、1階の各ブースを巡り、担当者から商品の説明や開発背景、そこに込められた想いを直接聞きながら、試食や体験を通して、ブランドや商品について理解を深めた。2階ではトークライブが行われたほか、ELEMINISTローンチ5周年を記念したウェルカムフードとメッセージスペースを設置。来場者同士の交流のきっかけとなっていた。

来場者にとっては新しい選択肢と出会う場に、出展ブランドにとっては生活者のリアルな声に触れる機会となる本イベント。各ブースでは、出展者が想いを語り、それを受けて来場者が質問を投げかける場面も多く、“よりよい未来を想う者同士のやりとり”が広がり、会場は前向きなエネルギーであふれていた。

エシカルインフルエンサーが集うイベント「ELEMINIST MEET」会場

よりよい未来を目指して。エシカルな挑戦を続けるブランド7選

第5弾となる今回は、食品や洗剤、シャンプー、おむつなどの日用品、不要品回収など幅広い商品やサービスがラインアップ。来場者は、「新しい商品を知ると、選択肢が広がって嬉しい」「過去のELEMINIST MEETで出会って使い始めた商品がたくさんあるので、今日はどんなものに出会えるか楽しみ!」と期待する声が多かった。

今回の出展ブランド
築野食品/RefF(ユニ・チャーム)/Happy Elephant(サラヤ)/O’right(b-ex)、OATSIDE/Bocchi/PASSTO(ECOMMIT)

米ぬかを余すことなく使い切る、こめ油でおなじみ「築野食品」の取り組み

築野(つの)食品では、創業当初から大切にしてきた“もったいない精神”を軸に、イノシトール以外にもこめ油の製造工程で発生する副産物を余すことなく活用。食品や化学、医療、化粧品などの幅広い分野で高度有効利用を推進しているほか、使ったあとの食用油のリサイクルにも取り組んでいる。トークライブでは、築野靖子氏、木下碧氏、嶋田歩果氏が、創業エピソードやイノシトールの魅力・可能性について詳しく語った。

ブースでは、米ぬかから得られる副産物を瓶に詰めて展示することで、抽出される成分の多さと米ぬかの持つポテンシャルを視覚的に伝えていた。さらに、お米から何ができるのかをわかりやすく図にした「お米の構造フローチャート」や、こめ油や米ぬか由来成分がどのようにできるのかを説明したイラスト入りパネルを掲示。

来場者は、米ぬかを100%活用する企業努力に深く関心を寄せ、長時間ブースに滞在する様子が見受けられた。

来場者にはイノシトールのミニサンプルをプレゼント。「どんな味がするのか楽しみ。ヨーグルトに入れるのもおすすめらしいので、ぜひ試してみたい」と、ワクワクした表情を浮かべていた。

築野食品:「来場者の熱量の高さにびっくりしました。みなさんとても真剣に話を聞いて質問してくださり、嬉しかったです。これをきっかけに、イノシトールを日常に取り入れていただければと思います」

ELEMINIST followers:「お米からあんなにたくさんの成分が取れるなんて、驚きでした」「イノシトールという成分を初めて知りましたが、ぜひ生活に取り入れてみたいです」

“紙おむつを捨てない未来へ” 世界初*の技術から生まれた循環プロジェクト「RefF(リーフ)」

紙おむつや生理用品、ペットシートなどの衛生用品を展開する「ユニ・チャーム」は、使用済みの紙おむつを再び紙おむつとして生まれ変わらせる、*世界初の水平リサイクルを実現。本イベントでは、この画期的な技術をベースに、捨てることが当たり前だった紙おむつを循環させるプロジェクト「RefF(リーフ)」について紹介した。
*オゾン処理技術を使用した紙おむつから紙おむつへの水平リサイクル技術について(2022年12月ユニ・チャーム調べ)

ブースでは、リサイクルパルプを一部に使用した紙おむつと、バージンパルプを使用した紙おむつを展示。来場者は手に取って素材感を比べたり、匂いを確かめたりしながら、「どちらがリサイクル品かわからない!」と驚きの声をあげていた。

リサイクル素材である再生パルプは、ユニ・チャーム独自のオゾン処理技術により、使用済み紙おむつを殺菌・脱臭・漂白して生まれたもの。真っ白な再生パルプの実物も展示され、RefFについて、見て・触れて・理解する機会となっていた。

そのほか、再生パルプを原材料の一部に使用した教材用紙粘土「リサイクレイ」も紹介。日本教材製作所との共同開発によって生まれたこの製品はサンプルとして配布し、イベントに遊びに来ていた子どもたちが嬉しそうに早速遊びだす姿が印象的だった。

トークライブでは、RefFの担当者である山田真柊氏が、プロジェクトスタートの経緯や特長を詳しく紹介。そのほか、リサイクルの流れを紹介する動画の上映や、ユニ・チャームが協働で展開する、保育園向けの紙おむつ定額サービス「手ぶら登園」でも、RefF製品が導入されている保育施設があることを説明した。

現在、使用済み紙おむつの回収を行っているのは、鹿児島県志布志市と大崎町のみ。しかし、そのほかの地域に住んでいる人も、ユニ・チャームのオンラインショップでRefF商品を購入することで、プロジェクトを応援できる。オンラインショップでは、RefFブランドの「子ども用紙おむつ」「大人用紙おむつ」「猫用シート」「猫砂」を販売中。

ユニ・チャーム:「RefFは、まだまだ認知度が低いのが現状。多くの方に知っていただき、RefFの輪に参加していただけたら嬉しいです」

ELEMINIST followers:「使用済みの紙おむつをリサイクルできるなんて、びっくりしました。リサイクルできそうにないものをリサイクルできるようにしてくださる企業があると、未来が明るくなるようで嬉しいです」

優れた洗浄力と高い生分解性を両立。未来の洗剤「ハッピーエレファント」

今回2回目の出展となる「SARAYA(サラヤ)」からは、植物と酵母から生まれた未来の洗剤「Happy Elephant(ハッピーエレファント)」シリーズを紹介。ブースにはシリーズの全ラインアップが並んだほか、7月から一部販売店にて先行発売されている泡マルチクリーナーを来場者にプレゼント。過去のELEMINIST MEETをきっかけに同シリーズを愛用しているファンも多く、新商品にも高い関心が寄せられていた。

Happy Elephantの最大の特長は、植物油(パーム油)と糖を栄養源にして、酵母が発酵して生み出す天然洗浄成分「SOFORO(ソホロ)」を配合していること。食品にも使えるほどの安全性を持ちながら、優れた洗浄力と高い生分解性を兼ね備え、使ったあとはすばやく地球に還る設計だ。

使用している植物油は、RSPO認証マークを取得した持続可能な原料を使用。さらに、製品の売上*の1%は、ボルネオ保全トラストを通じて、野生生物レスキューセンターの運営や、失われた熱帯雨林を回復させる活動などに使われている。*メーカー出荷額

ブースには、多様性に富んだ自然の森とプランテーション化された森の比較写真や、ボルネオ島のゾウやオランウータンなど動物たちの写真を展示。“水といきものを大切にする”というブランドの姿勢が伝わる内容となっていた。

サラヤ:「商品を知ってくださっている方や、すでに使ってくださっている方が多くて嬉しかったです。新商品の泡マルチクリーナーもとても便利なので、ぜひ使ってみてください」

ELEMINIST followers:「ふだんからHappy Elephantシリーズを使っています。使用感も香りもよくて、それでいて環境にやさしく、気持ちよく使えるところが大好きです」「購入することでボルネオ島の自然や動物に少しでも貢献できるなんて、嬉しいですよね」

サステナビリティを追求する「O’right」の夏にぴったりな爽快アイテム

台湾生まれの「O’right(オーライト)」は、暑い季節にぴったりな「アイスクーリングシャンプー」と、2種類の「スキャルプスプレー」を紹介。ブースには、製品特長だけでなく、環境に対するブランドのこだわりも掲示され、足を止めてじっくり読む来場者の姿が見られた。

O’rightといえば、創業者のスティーブン・コー氏が自ら北極を訪れて地球温暖化の現状について調べ、COP27(気候変動枠組条約締約国会議)でその内容を発表するなど、徹底したサステナビリティへの姿勢で知られている。

台湾の桃園にある本社「O’rightグリーンビル」では、太陽光パネルや風力発電機を活用した自家発電を行い、製品製造に使う電力の100%を再生可能エネルギーでカバー。さらに、製品パッケージには使用済みプラスチックを再利用したPCR(Post-Consumer Recycled)プラスチックを採用するなど、環境への配慮に徹底している姿勢が来場者の関心を集めていた。

来場者には、ジメジメとした暑さが続く日本の夏にぴったりな「アイス クーリング シャンプー」のサンプルが配布されたほか、2種類の「スキャルプスプレー」の体験を実施。

「クーリング&リフレッシング スキャルプ スプレー」「ティーツリー ピューリファイング スキャルプ スプレー」は、さっぱりとした使用感と爽快な香りで、リフレッシュしながら手軽に頭皮ケアができる。来場者は頭皮や手元で香りや清涼感を試しながら、束の間のクールダウンを楽しんでいた。

O’right:「サステナビリティへの姿勢について共感していただけて嬉しいです。スキャルプスプレーはコンパクトで持ち歩きやすいので、これからの季節、出先でのリフレッシュにぜひ使ってほしいです」

ELEMINIST followers:「スキャルプスプレーを試しましたが、さっぱり清涼感があってとても心地よかったです。会場に来るまでにだいぶ汗をかきましたが、少しスッキリしました」

シンガポール発「OATSIDE」から、人気3種のミニサイズが登場

オーツミルクの「OATSIDE(オーツサイド)」では、大人気商品プレーン、カカオ、コーヒーのミニサイズを紹介。試飲を行いながら、製品の特長やおいしさの秘密をブース担当者が丁寧に解説した。

すでに愛飲している来場者も多く、「どうしてこんなにおいしいの?」と嬉しい質問が相次いでいた。OATSIDEでは、オーツ麦の抽出作業と独自の酵素加工・処理製法を一貫して自社工場で実施し、加工分離粉末素材は一切使用していない。

また、オーツ麦本来のモルト感やナッツのような香ばしさを出すために、スチーム処理ではなく、焙煎加工を採用。こうした製造工程のこだわりが、クセがなくコクと甘みのある味わいにつながっているという。

オーツミルクは、オーツ麦の育成や製造の過程で、使用する水や土地が少なく、二酸化炭素の排出量も少ないため、環境にやさしい植物性ミルクとして注目されている。その点から、「これからの時代に合った選択肢のひとつだと思います」と担当者は話していた。

ミニサイズ展開は3種類。プレーンとカカオの容量は200mⅼで、コーヒーはあえて250mⅼ。これは「コーヒー飲料として勝負するため」の戦略的サイズ設計だという。OATSIDEはコーヒー業界関係者が集まる展示会「SCAJ(2024年)」にも出展しており、そのおいしさや本格的なコーヒーとの相性の良さから、カフェ業界でも注目を集めている。

OATSIDE:「おいしさの理由だけでなく、環境への影響や製造過程にも興味を持っていただけて、さすがエシカル感度が高いなと思いました。ミニサイズも、たくさん愛飲いただけると嬉しいです」

ELEMINIST followers:「パッケージがおしゃれで、味もおいしい。そして環境にもいいなんていい事づくしですよね」「日常に取り入れやすいサイズが出て嬉しい!もっと飲む機会が増えそうです」

千葉の落花生と地域の未来のために。「Bocchi」がつなぐ“暮らしを豊かにする循環”

「千葉の落花生産業を次の世代へつなげていきたい」という思いから立ち上がったブランドBocchi(ボッチ)。栽培から加工・販売まで一貫して“手しごと”を大切にしており、殻むきなどは福祉作業所の方や近所のおじいちゃん・おばあちゃんが、一つひとつ丁寧に行っている。

ブースでは、農薬や化学肥料を使わずに育てた落花生の栽培過程やこだわり、おいしさの理由などを、写真やパネルを用いて紹介。さらに、殻つき落花生やゆで落花生、ピーナッツペーストなど多彩な商品の試食を提供し、「本当においしいから全部食べてもらいたい」という出展者の熱い想いがあふれていた。

なかでもとくに人気を集めていたのが、「おおまさり とろり蜜 甘なつと」。創業以来79年ものあいだ継ぎ足してきた専用の蜜が、大粒の落花生にたっぷり染み込み、かじると中からとろっと蜜があふれ出す。濃厚な甘さと落花生の風味が絶妙に合わさった新感覚のおいしさで、その場で購入していく来場者も多かった。

実は、この「おおまさり とろり蜜 甘なつと」は、もともと雇用創出を目的に開発された商品。大きな落花生「おおまさり」は、機械で殻を割ると中の実が割れてしまったり傷ついたりすることがあり、手作業での殻むきが欠かせない。

こうした作業を福祉作業所の方や近所のおじいちゃん・おばあちゃんに支えてもらうことで、おいしい落花生を守ることができるうえ、一年を通して安定した作業が生まれ、収入にもつながるのだそう。こうした地域の活性化落花生産業の発展生産者の喜びなど、おいしい落花生を起点とした“暮らしを豊かにする循環”を知り、多くの来場者が心を動かされていた。

Bocchi:「こんなに熱心に落花生の話を聞いていただけたのは初めてかもしれません。落花生のおいしさや、こだわりが伝わっていたら嬉しいですし、ぜひたくさん広めてほしいです」

ELEMINIST followers:「ブランドの方がどれだけ落花生を愛しているのか、すごく伝わってきました」「ゆで落花生もピーナッツペーストも甘なつとも、どれも想像以上のおいしさでびっくり。おいしい落花生を中心にポジティブな循環が生まれているなんて感動です」

“捨てない社会”を目指す。不要品の新しい循環のかたち「PASSTO」

PASSTO(パスト)」は、「売るのはちょっと面倒、でも捨てるのはもったいない」という思いに寄り添う、衣類を中心とした不要品の循環ステーション。郵便局やショッピングセンター、レジデンスなど、全国4,000箇所以上の生活導線上に回収拠点があり、気軽に利用できる仕組みが注目を集めている。

イベントでは実際にPASSTOが会場内に設置され、不要品を持参する来場者の姿が多く見られた。担当者による丁寧な説明を通じて、PASSTOの仕組みや、全国7拠点のサーキュラーセンターで、一つひとつ手作業で仕分けされていることを紹介。

回収した不要品は年間12,000tにもおよぶといい、来場者からは「それだけの量を、一つひとつ丁寧に仕分けしているなんて本当にすごい」との声が多数あがっていた。使い終えたモノを捨てずに循環させるという行為が、どれだけの工夫と手間の上に成り立っているのか、思いを巡らせ心動かされている来場者も少なくなかった。

PASSTOの回収品は、必要とする人や場所に届けられ、再流通率98%以上リユース率85%以上という高い水準を実現している。最近では、PASSTOが近くにない人や大量に回収してほしい人のために、宅配での回収サービスもスタート。より多くの人が“捨てない循環”に参加できる仕組みが広がっている。今回のイベントでは102点の衣類を回収した。

PASSTO:「暑い中、たくさんの方が不要品を持ってきてくださり嬉しかったです。PASSTOを見かけたことがないという方もいらっしゃったので、ぜひ宅配での回収サービスを利用していただきたいですね」

ELEMINIST followers:「衣類だけでなく、ファッション雑貨やぬいぐるみなども回収してもらえるなんてありがたいです」「リサイクルショップに持って行っても返されてしまって捨てるしかない衣類があったので、ぜひ利用したいです」

ELEMINIST5周年のスペシャルコンテンツ

会場の2階には、ELEMINIST5周年を記念したスペシャルコンテンツが。ウェルカムフードとして、「東果堂」によるフルーツが振る舞われ、会場には甘く豊かな香りが広がっていた。「おいしく楽しく余すことなく」をスローガンに掲げる東果堂は、傷があったり形が不揃いだったりして流通に乗らないフルーツも積極的に仕入れ、使い切る工夫を重ねている。

来場者は、目にも鮮やかなウェルカムフードを、出展ブースを回ったりTALK LIVEを聴いたりする合間にゆっくりと楽しんでいた。

さらに休憩スペースには、「ELEMINISTとわたしの出会い」をテーマにメッセージカードを用意。ELEMINISTとの出会いのきっかけや、ELEMINISTとの出会いによって生まれた価値観の変化、小さな暮らしのアクションなどについて、来場者自身の体験や想いが自由にカードに綴られ、会場内に掲示された。あたたかな言葉の数々に足を止める人も多く、共感の輪が広がっていた。

来場したエシカル・インフルエンサー、ELEMINIST followersの感想は後編につづく。

取材・執筆/永原彩代 編集/ELEMINIST編集部

エシカル・インフルエンサーが集う「ELEMINIST MEET Vol.5」アフターレポート【後編】

関連記事

5周年記念 読者に聞いた「ELEMINISTとわたしの出会い」

関連記事
※掲載している情報は、2025年7月25日時点のものです。

    Read More

    Latest Articles

    ELEMINIST Recommends