使用済み紙おむつから、新しい紙おむつをつくる ユニ・チャームのリサイクル技術が生んだ「RefF(リーフ)」

使用済み紙おむつをリサイクルしてできた「RefF(リーフ)」

ユニ・チャームでは世界で初めて(※1)、使用済み紙おむつを回収して、新しい紙おむつにリサイクルするシステムを実現した。無謀と考えられていた紙おむつのリサイクルで遂に生まれた商品が「RefF(リーフ)」だ。紙おむつのリサイクルの検討が始まったのは2010年頃。2015年にはプロジェクトとして発足し、現在進行形で未来を切り拓くためのチャレンジが続いている。今回は、使用済み紙おむつから、新しい紙おむつが生まれるプロセスや、商品の特徴について紹介する。【読者プレゼント付き】

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2025.02.04
Promotion: ユニ・チャーム

捨てた紙おむつはどうなる? 日本の紙おむつ&ごみ事情

便利で手軽に使用できる紙おむつだが、使用後はごみとなる。日本で1年間に排出された使用済み紙おむつは、2021年に大人用・子ども用を合わせて234.6万トンだったが、年々増加。2030年には244.9万トンが見込まれている(※2)。

使用済み紙おむつは尿と便を含んでおり、重さは4倍ほどになる。一般廃棄物のうち使用済み紙おむつが占める割合は、2021年度は5.3~5.7%だが、2030年度には6.6〜7.1%まで膨れ上がると推計されている(※2)。高齢化に伴い、使用済み紙おむつの排出量は今後大きく増えていく見込みだ。

家庭や事業所から出る使用済み紙おむつは、自治体の廃棄物処理施設で焼却または埋立処理される。焼却の場合、水分を含むため焼却効率が悪く、コストとエネルギーがかさむ。当然、焼却炉への負担も大きい。

また、ごみの量が増えると埋立処分場のひっ迫に拍車をかける。環境省によると、日本の最終処分場が満杯になるまで、残された平均期間は23.4年しかない(※3)。環境省が2030年度までに使用済み紙おむつの再利用に取り組む自治体の数を、現在の約3倍の100とする目標を掲げている(※2)ことからも、使用済み紙おむつのリサイクルをはじめ、ごみの量を減らし、再資源化することが求められているとわかるだろう。

ユニ・チャームとタッグを組んだ鹿児島県志布志市 埋め立てごみを削減

ごみ処理場でごみを埋め立てている様子

ユニ・チャームと一緒に使用済み紙おむつの再資源化に取り組むのは、鹿児島県志布志(しぶし)市とそれに隣接する大崎町だ。この2自治体は、多くのごみが焼却処分されている日本で、焼却炉を持たない数少ない自治体だ。

志布志市では、1990年に大崎町と合同で埋立処分場を建設。当初、2004年度にはいっぱいとなる設計だったが、新たなごみ処理施設の建設による財政の圧迫や候補地選定の難航を懸念し、いまある埋立処分場をできるだけ長く使用する政策に舵を切った。

「美しい地球を子どもたちに」「混ぜればごみ、分ければ資源」「限りある資源を大切にするために」などの考えを基本に、「ごみは埋め立てるのではなく分別するもの」として、志布志市では1999年に13品目から始めたごみの分別を、現在では26品目に拡充し、再資源化を推進している。

リサイクル率の全国平均が約20%なのに対し、2022年度、志布志市は全国第3位となる76.0%を達成している(大崎町は84.0%で全国1位、※3)。

そして志布志市では、埋立ごみの1〜2割を占めていた使用済み紙おむつの再資源化にもいち早く取り組んできた。2007年度から構想を始め模索するなかで、ユニ・チャームのCSRに共感し志布志市から問い合わせたことで、2016年から実証実験がスタート。2024年度からは、市全域のごみ回収所で使用済み紙おむつを分別回収し、ユニ・チャームのリサイクル技術で再資源化を行っている。

初年度の年間回収量は160トンの見込み。2023年度の埋立ごみ処分量(2,414トン)を考えると、埋立処分するごみの7%程度が減った計算だ。リサイクルの取り組みが、ごみの減量化や埋立処分場の延命化、市の経費削減につながっているのだ。

ごみの分別には手間がかかるが、市民からもポジティブな反応があり、ユニ・チャームとの取り組みに手応えを感じているという。

「使用済み紙おむつ」から「新しい紙おむつ」が生まれる驚きのプロセス

おむつのリサイクル、ユニ・チャームの「RefF(リーフ)」のシステム

使用済み紙おむつの再生利用としてさまざまな方法が検討されるなかで、ユニ・チャームは、使い終わった紙おむつから新しい紙おむつを生み出す水平リサイクル(使用済み紙おむつを原料に、同じ商品をつくりだすこと)」にこだわった

RefFのリサイクルでできあがった紙おむつについて、実際に手にした人から「通常の紙おむつと全然変わらない!」と驚かれるという。そんなRefFのリサイクルの工程を見てみよう。

(1)使用済み紙おむつを細かく砕く

ユニ・チャーム「RefF(リーフ)」ができるまでのおむつのリサイクルの工程

まずは、使用済み紙おむつを回収し、工場に集めるところからスタート。ユニ・チャームの水平リサイクルでは、回収時に、自治体を通して地域住民の方に分別をお願いしている。もし想定外の異物やごみが入っていた場合は、システムの安定稼働のために、最初の段階で取り除く。その後、紙おむつを細かく砕く。この段階では、便や尿による汚れやニオイが残っている。

(2)独自のオゾン処理で殺菌・脱臭・漂白

ユニ・チャーム「RefF(リーフ)」ができるまでのおむつのリサイクルの工程

洗浄・分離して取り出したパルプに、独自のオゾン処理を施す。オゾンには強い酸化作用があり、細菌の細胞膜や色素のもとになるタンパク質、悪臭成分などと結びつくことで、殺菌・脱臭・漂白の効果を発揮する。

洗浄後のパルプには細菌が含まれてしまうが、処理後は細菌がほぼゼロの状態に。さらに、黄ばんでいた色から真っ白に変わる。当然、ニオイも消え、清潔な状態となる

(3)ふわふわのパルプが誕生

ユニ・チャーム「RefF(リーフ)」ができるまでのおむつのリサイクルの工程

こうして、使用済み紙おむつのパルプは、未使用パルプと同じ品質の“衛材グレードパルプ”として生まれ変わる*。オゾンは時間が経つと酸素に戻るため、パルプに残留することはない。

ユニ・チャームにとって、「衛生用品が清潔で安全であることは最大のプライオリティ」だ。さまざまなエビデンスをクリアし、上質と判断されたパルプがリサイクルパルプとして、新しい紙おむつの一部に使われる。

*衛材とは衛生材料のこと。

メーカーを問わず、使った紙おむつをごみにしない

おむつの水平リサイクルでできた、ユニ・チャームの「RefF(リーフ)」

© Fujiko-Pro, Shogakukan, TV-Asahi, Shin-ei, and ADK

紙おむつの水平リサイクルから生まれた、RefFの紙おむつ。RefFは「Recycle for the Future」からネーミングされた。RefFは、「使い捨てる」のが当たり前だったこれまでに終止符を打ち、「使う」「集める」「生まれ変わる」のサイクルで、紙おむつを使い捨てない未来を目指している

使用済み紙おむつの再生方法はさまざまあるなかで、ユニ・チャームが紙おむつの供給会社として強い使命で取り組んだのが、今回のRefFプロジェクトだ。紙おむつは、木材や石油資源由来の複数の素材で複雑に構成されており、リサイクルは困難とされてきた。それでもユニ・チャームは、紙おむつとして循環させることにこだわった。

紙おむつの大きなメリットは、利便性と衛生性。育児や介護で、紙おむつは欠かせない存在だろう。だからこそ、世の中に紙おむつを持続的に提供するためにはどう変わるべきなのか? ユニ・チャームが行き着いた答えは、限りある資源を繰り返し活用し、ごみを減らす循環型の取り組みを実現させることだった。

使用済み紙おむつは、ブランドの垣根を越えて回収を行う。業界全体で課題に取り組まなければという覚悟が垣間見える。

そして、RefFの紙おむつは、従来品とまったく変わらない使い心地。“いつもと同じもので、環境にいいことを”というコンセプトが根幹にある。商品は、大人用、ベビー用、猫用トイレシートの3つのカテゴリーで展開中だ。

紙おむつを使い捨てにしない「RefF」を応援しよう

おむつの水平リサイクルでできた、ユニ・チャームの「RefF(リーフ)」ロゴ

脱炭素社会の実現を目指す取り組みとして、国内・海外への展開も期待できるRefFプロジェクト。使用済み紙おむつの回収が行われているのは、鹿児島県の2自治体(志布志市と大崎町)だが、今後は回収拠点が増える予定だ。

紙おむつのリサイクルが普及するためには、「ごみ焼却からの脱却を本気で考える意識醸成が必要」と志布志市の担当者が話しているように、私たちが紙おむつのリサイクルが始まったことを知ることが、まずは第一歩となるはずだ。そして、この取り組みに共感した方は、「RefFを選ぶ」応援購入から始めてみてはどうだろう。ぜひ「RefF」のマークが入った商品を探してほしい。

ちなみに、RefFの価格は従来品より10%程度高く設定されている。リサイクルコストの分もあるが、サステナブルな価値に対してのプラスの意味もある。「RefFプロジェクトに能動的に参加していただくことで、メーカーの独りよがりではなく、みなさんと一緒に持続可能な社会を実現していけたら」という意思が込められている。

また、使用済み紙おむつを正しく捨てることも重要。付着した便をトイレに流し、汚れた部分を内側にして丸めて処理するのが基本だ(※4)。「使用済み紙おむつは回収されるのが当たり前」の社会に備えて、ぜひいまから意識しておきたい。

RefF販売店舗:ユニ・チャーム ダイレクトショップ/イオン九州の68店舗
※ペットケア商品は全国のコーナンでも販売中

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この記事を読んでアンケートに回答した方のなかから合計40名様に、「マミーポコパンツ RefF(リーフ)」または「デオトイレ 消臭・抗菌シート RefF(リーフ)」をプレゼント。使用済み紙おむつをリサイクルして生まれたRefFの使い心地を体験してはどうだろう?

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※商品はELEMINIST編集部よりお送り致します。
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●ご応募期間:2025年3月6日(木)まで
●ご応募方法:「RefF(リーフ)」素朴な疑問Q&Aの記事末にあるアンケートにご回答、必須項目にご入力ください。
●当選連絡:当選者には、2025年3月下旬にELEMINIST編集部(edit@eleminist.com) よりメールにてご連絡させていただきます。

※掲載している情報は、2025年2月4日時点のものです。

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