台湾発の「O’right(オーライト)」は、2011年に世界初のゼロカーボンシャンプーを発表すると瞬く間に世界で注目を集める存在となった。そんな評判のシャンプーはどんな使い心地だろう。“製品をすべてリサイクルすること”をコンセプトにするオーライトのラインアップとともに紹介する。
ELEMINIST Editor
エレミニスト編集部
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オーライトは、「グリーン革命」を起こすべく、製品が使われた後のことまで考えてものづくりを行っている。そんなオーライトを代表するのが、ゼロカーボンシャンプーとして世界を驚かせた「カフェインシャンプー」だ。
このシャンプーは、“廃棄物を出さずに製品をすべてリサイクルする”ことをコンセプトに製品開発がスタートした。
着目したのは、台湾でよく飲まれているコーヒーだ。もともとカフェインエキスは頭皮にいいことがわかっていたが、ケミカルな成分を使った抽出技術しかなかったという。そこで、台湾で大量に出ているコーヒーかすから、天然のカフェインエキスを抽出する研究を現地の大学とともにスタート。独自でカフェインエキスを抽出することに成功した。
現在は安定的に供給するため、コーヒーの殻からカフェインエキスを抽出し、それを成分※としてシャンプーに配合している。
※アラビアコーヒーノキ殻エキス:コーヒー豆の殻から抽出したカフェインエキスで、毛髪にハリ、コシを与え、ダメージヘアをやさしく整える。
また、カフェインシャンプーシリーズの一部では、「ツリーインザボトル」を採用。これは、コーヒーかすにポリ乳酸(PLA)、廃棄された野菜、果物、植物から抽出したデンプンなどを混ぜ合わせ、100%生分解性を実現したボトルだ。使用後は土に埋めると約1年で分解され、土壌の栄養となる。ちなみに染料を加えていないため、ボトルの色は100%ナチュラルなコーヒーのカラーだ。
そのほか、環境保護のため台湾で伐採された竹をリサイクルしてつくられたキャップを使用するなど、工夫を重ねていき、廃棄物を出さずにすべてリサイクルするゼロカーボンシャンプーが誕生した。
カフェインシャンプーの一部で使われる「ツリーインザボトル」は100%生分解性。底にはコーヒーの豆が入れられていて、ボトルが土に還るとコーヒーの木が育つという遊び心のある仕掛けが隠されている。
オーライトが進める「グリーンプロジェクト」のプロジェクトリーダーを務める酒井麻里子氏によると、現在では、台湾のコーヒー工場で出るコーヒーかすやコーヒーの殻を原料にして、シャンプーがつくられているそうだ。これまで捨てられていたものを新しい製品に再び利用する。そんなサイクルをオーライトが見事に実現している。
さらに「ツリーインザボトル」では、ボトルの底にコーヒーの種が入っているので、ボトルが土に還った後、適した環境であれば、やがてコーヒーの木が成長するという夢のあるアイデアも詰まっている。
アメリカピッツバーグ国際発明金賞の特別賞、独特なグリーンアイディア賞、ドイツ・レッドドット・デザイン賞ベスト・オブ・ザ・ベストなど、数々の賞を受賞したというのも納得できるだろう。
サステナブルな取り組みを追求するオーライトだが、気になるのはシャンプーの使い心地だろう。オーガニックシャンプーには「髪がきしむ」「泡立ちにくい」といったイメージを持つ方も少なくない。だが、オーライトでは環境に配慮することを優先して、使用感を損なうべきではないと考えている。
「オーライト創業者のスティーブン・コーは、『使いにくい』と感じさせるようなものでは、本当の意味でサステナブルにはならないと話しています。だから『気持ちいいと心から感じて、長く使い続けられるもの』を求め、使用感にもとことんこだわり抜いて、製品開発が行われています」(酒井氏、以下同じ)
では、実際の使い心地はどうだろう。筆者がカフェインシャンプーを使用してみた。
筆者は職業柄、ナチュラル、オーガニック、ヴィーガン処方からケミカルなものまでありとあらゆるタイプのシャンプーを使っている。髪質はやや細く、定期的にカラーリングしているのでダメージと乾燥が気になる。年齢によるうねり、コシの無さなどもどうにかしたいところ。
まず驚いたのは泡立ちの良さ。ふだん使っているものよりもきめが細かく、弾力がある。頭皮をマッサージするように指をいれても泡がつぶれない。それどころか、ちょうどいいクッションのような役割になり、摩擦を軽減しているようだ。生え際、えり足、汚れが溜まりやすい耳まわりをしっかり洗っても泡がヘタれることなく残っているのが頼もしい。
これほど泡がしっかりしているので流すのに手間がかかると心配したが、泡切れもスムーズでストレスがない。髪が短いということもあるが、すぐに洗い流すことができた。
頭皮を触ってみるといくらか引き締まっているように思える。髪もひっかかりがなく、きしみも感じない。すっきり洗い上げた印象で、じつに気持ちがいい。タオルドライ後、ドライヤーをかけて髪を乾かすと指通りの良さも実感。
毎日使い続けていくにつれ、髪の根元から立ち上がるように。トップがペタンとするのが悩みだったが、あまり気にならなくなった。
はじめて使ったオーライトのカフェインシャンプー。「しっとり・重い」というより「さっぱり・軽い」仕上がりで、洗うだけでなく髪と頭皮に潤いを与えて、ほしかったハリやコシが得られるシャンプーと言えそうだ。
有楽町マルイの店舗には、シャンプーなどの製品がずらりと揃う。
オーライトには、シャンプーをはじめ、トリートメント、スキャルプケアの製品が揃っている。あらためて、おすすめの製品を紹介しよう。
O'right(オーライト)カフェインシャンプー 400mL ¥5,082 (税込)
上記で紹介したカフェインシャンプーをはじめ、全12種類と豊富なラインアップ。例えば、ドライヘアには「バンブー」、頭皮ケアなら「ティーツリー」という具合に、トラブルや悩みによってアプローチできるよう細分化されている。男性でも使いやすい香りを探しやすいはずだ。
酒井氏によると、グローバルでも高い人気なのがバンブー。天然竹から抽出された竹エキス(マダケ根茎エキス)が配合されており、うるおいを補給するため、ドライ・ダメージヘアにおすすめ。
オーライトのシャンプー12種類
カフェイン/グリーンティ/ティーツリー スキャルプ/パープルローズ カラーケア/ゴールデンローズ カラーケア/ピーチブロッサム ボリューマイジング/ゴジベリー ボリューマイジング/バンブー モイスチャライジング/カメリア オイルコントロール/アイスクーリング/ダンデライオン センシティブ/ディープクレンジング
O'right(オーライト)カフェインコンディショナー 250mL ¥4,598(税込)
トリートメントは4種類が揃う。カラー・パーマによるダメージ、乾燥によるダメージなど、傷みの原因によってタイプを選べる。
オーライトのトリートメント4種類
カフェイン/パープルローズ カラーケア/ゴールデンローズ カラーケア/バンブー モイスチャライジング
O'right(オーライト)カフェイン ボタニカル スキャルプ リバイタライザー 100mL ¥24,079(税込)
頭皮のコンディションを整えるアイテムは、スプレー3種類。頭皮を健やかでうるおいあふれる状態に保つことで、健康的な髪につながっていく。とくに、カフェインボタニカルスキャルプリバイタライザーは、髪と頭皮に潤いを与えフケを抑え、健やかな状態に導いてくれる。
オーライトのスキャルプケア3種類
カフェイン ボタニカル スキャルプ リバイタライザー/クーリング&リフレッシング スキャルプ スプレー/ティーツリー ピュ―リファイリング スキャルプ スプレー
「歯磨きのように口に入れるケア製品は、安全性の高いものでなければならない」という考えのもと、食品グレードの原料を厳選。原料は、有機桃拓松木エキス(トタロール)、山毛櫸木エキス(セルロース)など。木粉も使われており、歯の汚れをやさしくオフする。
4種をブレンドしたエッセンシャルオイルが配合され、森林を思わせるようなナチュラルな香りが清々しい。グッドデザイン金賞を受賞している。
有楽町マルイにある店舗
オーライトの製品は、全国の美容室での販売が中心だ。そのほか、下記の販売店舗のほか、オンラインストアで購入が可能だ。実際に手にとりテクスチャーやデザインをチェックしたいなら店舗に、すでに購入したいアイテムが決まっているならオンラインが便利だろう。
オーライト販売店舗
・全国の美容室
・有楽町マルイ
・伊勢丹新宿店
・誠品生活日本橋
・オーライト オンラインストア
「人にも、環境にも、いいものをつくりたい」と強い信念を持って、ものづくりを続けているオーライト。毎日気持ちよく使い続けられるように、使い心地や仕上がりにも妥協せず、開発が行われている。そんな言葉の通り、実際にその使い心地を気に入り、美容師の間で口コミで良さが広がっているそうだ。
オーライトのヘアケア製品を使えば、私たちもゼロカーボンに貢献できる。そんな環境活動のことも考えて、オーライトの選択肢を考えてみてはどうだろう。
取材・執筆/夏目円 企画・編集/佐藤まきこ(ELEMINIST編集部)
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