ヘアサロンからゼロカーボンを目指す O’right(オーライト)が仕掛ける「グリーンプロジェクト」とは

O’right(オーライト)が仕かける「グリーンプロジェクト」

台湾生まれの「O’right(オーライト)」は、世界初のゼロカーボンシャンプーを開発するだけでなく、美容業界全体での気候変動に対する取り組みを呼びかけている。ヘアサロン発のグリーン革命を目指す「グリーンプロジェクト」を紹介しよう。

ELEMINIST Editor

エレミニスト編集部

日本をはじめ、世界中から厳選された最新のサステナブルな情報をエレミニスト独自の目線からお届けします。エシカル&ミニマルな暮らしと消費、サステナブルな生き方をガイドします。

2023.02.14
Promotion: O’right

全国5000店舗のヘアサロンに呼びかける「グリーンプロジェクト」

ゼロカーボンを目指す台湾発のヘアケアブランド 「O’right(オーライト)」

「O’right(オーライト)」は、台湾で生まれたヘアケアブランド。原料の調達から製造、輸送、販売、廃棄までの工程でCO2を排出しない、世界初のゼロカーボンシャンプーを2011年に発表し、世界から注目されてきた存在だ。

オーライトのモットーは、製品を考案したり製造したりする現場でも、環境教育活動を行うこと。「グリーンビル」と呼ばれる台湾の本社は、日照角度や風向きを調べて、直射日光が差し込まないように設計。暑い台湾にあるが、冷房を使うのは年間20日ほどに済んでいるそう。

さらに、屋上には風力発電の風車と太陽光パネルを設置し自家発電を行い、水資源リサイクルシステムを構築して廃水をゼロにするなど、地球に配慮した仕組みや工夫を細部まで取り入れている。

ヘアケアブランドの枠を超えて O’right(オーライト)が目指す「グリーン革命」とは

Promotion

そんなオーライトは、ゼロカーボンの取り組みを美容業界全体に広げようと試みている。それが、ロレッタ、スロウなどのヘアケアブランドを展開する「b-ex」が主催する「グリーンプロジェクト」だ。b-exは、オーライトの信念に共感し、ともに美容業界にグリーンイノベーションをもたらそうと、2022年3月にこのプロジェクトを立ち上げた。

台湾発の「O’right(オーライト)」と、ロレッタ、スロウなどのヘアケアブランドを展開する「b-ex」のロゴ

全国にあるヘアサロンに呼びかけ、オーライトの考えに賛同し、ゼロカーボンの達成を目指していくものだ。2025年には、賛同するヘアサロンを5000店舗まで拡大することを目標としている。

ヘアサロンが抱える環境問題での課題

美容室で使われるヘアケアブランド「オーライト」のシャンプー

オーライトは日本全国のヘアサロンで利用されている。

気候変動や海洋汚染などが深刻化するなか、美容業界でも環境問題に意識を向ける人が増えている。b-exが2022年1月に、全国の美容師に行った聞き取り調査で、「ふだん、環境問題について意識している」と答えた人は81.5%にものぼった。

しかし、実際のサロンにおける仕事で「具体的な行動を起こしていない」人は約4割にもなった。その理由として多かったのが、「何をしたらいいのかわからない」「業界的にケミカルな製品が多く難しい」といったこと。

ヘアカラー剤など、日常的にケミカルな製品を使っていることから矛盾を感じたり、どんな行動を起こすべきかわからずにいたりする人が多いようだ。

「グリーンスコア」でサステナブルな取り組みを見える化

美容室の「グリーンプロジェクト」で使われるステッカー

そこでグリーンプロジェクトでは、ヘアサロンがゼロカーボンの目標を達成するために、具体的に取り組むべき項目を「グリーンスコア」として定めている。グリーンスコアは、「E(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)」の3つの基準で、全24の項目が用意されている。

「環境に負担をかけない取り組みを始めたいのに、何をしたらいいいかわからない」「できることが限られる」というヘアサロンに、ひとつの指標として使ってもらう目的だ。

さらに毎年グリーンスコアをアップデートさせていき、取り組むべき行動を「見える化」。ゼロカーボンを目指し、ゆくゆくはCO2吸収量が排出量を上回るカーボンネガティブを視野に入れていってほしいと考えている。

ヘアケアブランドの「オーライト」のリサイクルボックス

ヘアサロンに設置された、オーライトの使用済ボトルをリサイクルするボックス。

「グリーンスコア」で定める24の項目

【Environment(環境)】

E1:グリーン購買
サロンで使用する製品に、「グリーン制度禁止化学物質リスト」の有害物質を含んでいないか

E2:省エネ・水の削減
エネルギー使用に関する配慮をしているか
水使用に関する配慮をしているか

E3:環境配慮
燃えるごみ・プラスチックごみ・ビン・缶を分別してごみの廃棄を行っているか
・環境にやさしい製品をサロンで使用しているか
・CO2削減への具体的な取り組みを進めているか
・レジ袋などのお持ち帰り用バッグを提供していないか
・ペーパレスに対する取り組みを進めているか

E4:循環型経済

・カラー剤のアルミチューブのリサイクルを行っているか

E5:公共衛生

・感染症予防に関する取り組みを行っているか

【Social(社会)】

S1:教育
・新入スタッフへ適切な研修機会が用意されているか
・次世代を担う人材に職業訓練などの機会を提供しているか
・サステナビリティに関する教育機会を提供しているか
・消費者に対し、製品やサービスの情報を適切に公開しているか

S2:ジェンダー平等
・男女の労働価値が平等となるような公平な報酬体制を整備しているか

S3:健康・福祉

・すべての従業員とその家族に対して、保健医療サービスを提供しているか
・ヘアドネーションに協力をしているか

S4:技術革新

・DXに関わる各種サービスを活用しているか

S5:労働環境

・ワークライフバランスを実現できる労働時間に配慮している
・多様な働き方を推進しているか
・有給制度が整備されており、活用されているか
・ハラスメントに対する研修機会・対策を整備しているか
・メンタルヘルスケアに関する措置を受けられる環境が整っているか

【Governance(ガバナンス)】

G1:ガバナンス
・お客様の個人情報は適切に管理されているか

O’right×ELEMINISTのイベントも開催

O’right×ELEMINISTのグリーンサミット

グリーンプロジェクトでは、全国のサロンがともに環境問題への意識をもち、ともに取り組んでいけるよう、セミナーやイベントなどの活動も行っている。そのひとつが、2023年2月21日(火)に開かれる『O’right×ELEMINIST 2nd Green Summit』だ。

当日は、グリーンプロジェクトに賛同する「グリーンパートナーサロン」の美容師のほか、サステナブルな活動を積極的におこなっているELEMINIST Followersを招待。台湾からO’right創業者のスティーブン・コー氏が駆け付け、グリーン革命の歩みと最新の取り組みについて特別プレゼンテーションを行うほか、ELEMINISTのトークショーも予定している。

ヘアケアブランド「オーライト」のシャンプーなど

オーライトのカフェインシャンプーシリーズの一部では、100%生分解性のボトルを採用。使用後、土に埋めると約1年で分解されることを、ヘアサロンでもディスプレイして紹介している。

いくら環境への負荷が低い商品を開発しても、その商品を販売するだけでは、グリーンプロジェクトのような取り組みの意義や大切さを広げていくのは難しい。O’rightは地元・台湾で、長年の活動とコミュニティとのコミュニケーションを通して、ゼロカーボンの取り組みや意義について人々の理解が深まった実体験があるという。

だからこそ、日本のヘアサロンから少しずつ環境への意識を変えていきたい。そんな思いがある。O’rightの日本でのグリーン革命の道のりは、まだ始まったばかりだ。

世界初ゼロカーボンシャンプーの使い心地は? 環境にも髪にもやさしい「O’right(オーライト)」

Promotion

企画・編集・執筆/佐藤まきこ(ELEMINIST編集部)

※掲載している情報は、2023年2月14日時点のものです。

    Read More

    Latest Articles

    ELEMINIST Recommends