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サステナブルファッションの概念は広まりつつあるが、背景には数多くの大きな諸問題が幅広く存在していることをいま一度確認しよう。イメージだけではなく、具体的な情報をアップデート。サステナブルファッションについて正しく認識し、生活に取り入れることで、アクションの第一歩を踏み出そう。
ELEMINIST Editor
エレミニスト編集部
日本をはじめ、世界中から厳選された最新のサステナブルな情報をエレミニスト独自の目線からお届けします。エシカル&ミニマルな暮らしと消費、サステナブルな生き方をガイドします。
サステナブルファッションとは、「衣服の生産から着用、廃棄に至るプロセスにおいて将来にわたり持続可能であることを目指し、生態系を含む地球環境やかかわる人・社会に配慮した取り組みのこと」を指す。(※1)
環境省では「サステナブルファッション」と題した専用サイトを公開しており、その冒頭でこのように定義している。
サステナブル(sustainable)の元来の意味をいま一度確認しておこう。元の単語は‘sustain’「~を維持する/~を持続させる」という意味の他動詞であり、語尾に「~が可能な」という意味の‘able’がついて、‘sustainable’「持続可能な」という形容詞として使われている。
サステナブルファッションは、直訳すると「持続可能なファッション」ということになるが、具体的にはどのようなものなのだろうか。ファッションが持つ、社会的意義も含めて考察する。
ファッションの根幹をなす衣服は、人間の生活において不可欠である。ファッションは、機能のみならず文化的な意義をも含めて、太古の昔から人間生活と密着してきたという根底的な要素を持つ。
昨今、問題となっている既存のファッション分野をとりまく現況や、抱えている多くの問題について、サステナブルファッションは、広く地球規模で解決を図ろうとする考え方であるといえる。
サステナブルファッションは、衣類の生産数や廃棄量などの物理的な問題に加えて、労働環境や地球の有限な資源・資材についての認識など「エシカルな」、倫理的・人道的な側面をも重視するという意義を広く含んでいる。
こうした中、現代社会においてサステナブルファッションについて考察し、語感が持つイメージのみにとどまらないよう、現在のファッション業界全体が抱えている現状や背景、問題点、またそれらの解決に向けた取り組みなどについて包括的に解説する。
一方、昨今「エシカル消費」をはじめ、「エシカル」という言葉が広く使われはじめているが、「サステナブル」とはどのように区別されているのだろうか。「エシカル」の英単語の意味とともに、「エシカルファッション」についての認識が広まるきっかけとなった「ラナプラザの悲劇」を例に挙げて説明する。
「エシカル」=‘ethical’は、「倫理的な、道徳上の」という意味で、‘ethic’(倫理、道徳律)という名詞の形容詞形である。この意味からも「サステナブル」とは意味を異にしており、倫理的・道義的な意義を指している。サステナブルファッションの概念はエシカルファッションよりも広義であり、エシカルファッションは、人権的な尊厳にまつわる概念や世界共通の倫理観についてとくに重要視したものと捉えられるだろう。
このように近年、その概念が広まりつつあるエシカルファッションだが、世界から注目されるきっかけとなったのが、2013年4月、バングラデシュ人民共和国(以下、バングラデシュ)で起こった大惨事「ラナプラザの悲劇」である。その犠牲者の数と事故の要因において、「生命を重んじ、労働環境に配慮するという倫理的・人道的な観点の欠落がなかったか」を世界に衝撃をもって認識されることとなった。
「ラナプラザ」とは、南アジアの経済的最貧国の一つであったバングラデシュの首都郊外の街「サバール」に建てられた商業ビルの名称である。当時、そのビルには衣類の縫製のための数千台ともいわれるミシンがあり、経済的に苦しむ人々が縫製の労働に従事していた。
また、これらのミシンに電力を供給するための大型発電機まで備えられていたという。そして、2013年4月24日の朝、このビルは一気に崩壊し、1,000人以上という多数の犠牲者を出した。
この崩壊事故の後、国により行われた事故原因などについての調査によると、この建物はそもそも正規の許可を得ずに階層を増築した、いわば「違法建築」の類であったこと、また、そのような脆弱な建築構造に加えて、数千台のミシンと大型発電機の振動が日々、建築構造に衝撃を与え続けたことが崩壊の要因ではないかと報告された。
特筆すべきは、実はこの事故の前日までに、建物崩壊の危険のため、行政から建物への立ち入りが禁止されていたにもかかわらず、オーナー(経営者)がこれを無視して、いつものように縫製従事者たちを入室させ、ミシンと発電機を稼働させたことである。
結果論ではあるが、少なくとも立ち入り禁止の指示にしたがっていれば、多数の犠牲者を出すことはなかったかもしれない。また、逆の観点から見れば、この「ラナプラザの悲劇」という大惨事が起こったことにより、皮肉にも、世界中のどこかで行われている「労働搾取」の問題が世界に衝撃的に認識されることになったとも捉えられる。
この事故は、単なる「商業ビルの崩壊」などではなく、経済的弱者たちが生きるために、ミシンによる縫製という労働をせざるを得なかったその背景と事実について、ファッション業界の末端の現状とその闇が大惨事というショッキングな事故を通してあらわになったものである。
そしてこれは「氷山の一角」に過ぎないのではないか、と社会に衝撃をもって認識された。事前にわかっていただけに、未然に防げたかもしれない痛ましい事故であり、貧困という根底的な負の要因のもとで、本来であれば最優先されるべき人命や健康よりも、経済利益活動が優先されて起きた事故であったといえる。
サステナブルファッションの概念が広まってきた背景には、どのような経緯や要素があるのだろう。背景について正しく捉えるために、ファッションが人間といかに深くかかわってきたかについても確認してみよう。
ファッションは、農業から製造業・商業に至るまで、過去に類を見ないほどの絶大なスケールで発展を遂げ、産業として私たちの生活に深くかかわっている。規模が大きく、生活と密着しているからこそ、既存の産業的なサイクルやシステムが、いまや、その生産過程や廃棄などにおいて、地球環境に高い負荷を与え続けてしまっているともいえる。
留意したいのは、サステナブルファッションの概念は、アパレルなどファッション業界側の問題だけでは決してなく、それに追随してきた消費者側にも同様に認識されるべきという点である。業者と消費者いずれのサイドにおいても、かかわるすべての人々に対し、現状と問題点について、「立ち止まって一考すべき」であることを示している。
国連をはじめ各国のSDGs推進が加速化し、「これまで行われ続けてきた商業主義的なファッション業界のあり方と消費者の意識をともに変えていかなければ、環境など地球の未来を守っていくことはできない」という世界的な危機感や認識の高まりが、このような「サステナブルファッション」という概念となり、社会で意識されはじめたともいえる。
国連をはじめ各国のSDGs推進が加速化し、「これまで行われ続けてきた商業主義的なファッション業界のあり方と消費者の意識をともに変えていかなければ、環境など地球の未来を守っていくことはできない」という世界的な危機感や認識の高まりが、このような「サステナブルファッション」という概念となり、社会で意識されはじめたともいえる。
2020年12月から2021年3月にかけて、環境省により実施された「日本で消費される衣服と環境負荷に関する調査」のデータによると、まず、衣服の「原材料調達段階の環境負荷」として、「コットンなどの天然繊維」と「ポリエステルなどの合成繊維」の両者にそれぞれ負荷が存在する。
前者には「栽培に必要な水の消費量や化学肥料による土壌汚染」などが、後者には「石油資源の使用や工場でのCO2排出」などの問題があると指摘されている。(※1)
また、「原材料調達から製造段階(※)までに排出される」環境負荷の総量は、CO2排出量が約90,000kt(kt=kiloton(キロトン)・1kt=1,000t)、水消費量が約83億平方m、裁断などで発生する端材等排出量が約45,000t(いずれも年間)と、ふだんの生活からは想像しがたい、いずれもばく大な数値が並んでいる。
またこれらに、「化学物質による水質汚染」の可能性が加わっていることも報告されているため、問題はさらに大きい。(※:製造段階=「紡績・染色・裁断・縫製・輸送」を指す)
数値上においても、環境に高い負荷をかけ続けているといえるファッション業界。なぜこのように大きな負荷となっているのか、現在のファッション業界が抱える問題について、その生産システムや産業的構造の観点から見てみよう。
ファッション業界が抱える問題について考察する際、まず挙げなければならないのが「大量生産」と「大量廃棄」の問題である。
これらがそれぞれ影響しあいながら増幅を続けてきた背景には、戦後の高度成長期より発展してきたアパレル業界において、「薄利多売」の商業システムを究極まで推し進めてきた、近年のいわゆる「ファストファッション(‘fast fashion’)」の台頭による影響が大きいといわざるを得ない。
戦中戦後の時代に、ファッションなどの文化に飢えていた人々の暮らしが安定するとともに、「もっと多くのものを」「もっといろいろなものを」という消費者のニーズにそのまま応えるように、多くの各種ブランドが生まれ、衣料の供給も一層盛んになった。
そして、供給が需要を上回るようになると、必然的に価格競争となるため、消費者にもっとも訴求しやすい「さらなる低価格」の実現のために、過度な人件費の抑制や削減化などを求めて、業界全体が奔走するに至った、という市場的な経緯について説明せねばならないだろう。
商業的に、「安いもの」は「数多く」販売せねば利益を得られないため、売り切れを恐れるあまり、短いスパンで大量生産する必要が生じる。また差別化のため、デザインなど「より変わったもの」「目新しいもの」の羅列によって、消費マインドを常に引き付ける必要性もあり、その生産数は結果的に膨大なものになってしまったといえる。消費者側も必要のない服まで購入したり、購入した服をほとんど着ずにごみに出したりと大量廃棄の流れに拍車をかけた。
大量生産と大量廃棄は、必然的にセットである。店頭には常に大量の在庫が送り込まれるため、すべてが売れることはなく、必ず「売れ残り」が発生する。こうした売れ残りの衣類が、機械的に廃棄される量もまた、必然的に大量である。‘fast’(ファスト)という単語は、こうした過剰かつ飽和的な市況を端的に表している。
衣類が大量に生産されているということは、それだけ多くの資源や資材が使用されているということに他ならない。水や石油など有限の資源が、ファッションという膨大なマーケットに投入されていることについても考えなければならないだろう。
資源や素材自体について、前述のように「大量に使用」し、結果的に「大量に廃棄」でよいのか。また、売れ残りの在庫の廃棄方法についても同様に、土に埋めることや焼却するままでよいのかが、いま問われている。化学繊維が多用された素材を焼却すれば、有害なガスが発生する恐れもあり、ケミカル素材は高分子で分解に膨大な時間がかかる。
さらに、多くが経済的な弱者である途上国を中心に行われているような実態などについても、経済的先進国が積極的に認識し、より解決を図るような変革のムーブメントを起こしていく責任があるのではないだろうか。
業界のみならず、社会全体が地球規模で「水質汚染や土壌汚染を防ぐ」というクリアな目的意識も必要とされている。
サステナブルファッションの概念の中で、とくにエシカルファッションは、前述の「ラナプラザの悲劇」についての説明のとおり、ファッションのあらゆる生産過程において、労働環境への配慮の重要性を象徴している。
ファッション業界においてとくに労働環境が問われている背景には、前述の「ラナプラザの悲劇」の事故の背景にあったような、経済的弱者の人々、あるいは国々に、過酷な単一労働を強いてその労働力を搾取していないか、社会から問われているという事実が存在している。ファッション産業の生産過程は複雑で規模も絶大であることから、必要な労働力も大きい。
さらに思索を深めると、古代より、布地(ファブリック)や織物(テキスタイル)をつくる作業には気の遠くなるような長時間の地道な労働が必要であった(かつそれは、多くの場合、女性の仕事であった)。
現代は、自動織機などが導入されて久しいが、ファッションの生産過程における労働のなかでもっとも手間がかかる作業の一つに、縫製という工程が挙げられる。人間の身体は、ラウンド(丸み)があるため、どうしても直線だけで縫製を試みるのには、フィット感を追求するならばさらに困難を伴う。
残念ながら「ラナプラザの悲劇」で犠牲となった縫製労働従事者の多くは女性であり、数千人もの彼女たちがミシンを使っていた。
現代は縫製以外にも、ジェンダーにかかわらず、ファッションの生産過程で、「あらゆる労働力が搾取などされていないか」社会で監視していく必要性もあるだろう。こうしたことをも含めてクリアにしていなければ、「サステナブルファッション」とはいえないのである。
アパレル市場の規模自体は、縮小化の傾向にあるにもかかわらず、供給される衣類の絶対量は増加していることから、結果的に廃棄にまわるものも依然として多いといえる。
一つには、一着あたりの単価が低くなったことが、こうした現象の一因とされており、前述のように、大量生産により大量に供給する「薄利多売」的な商業システムの見直しを図ることも、サステナブルファッションの重要な観点の一つといえる。
衣類廃棄の絶対量を抑制するため、低価格で移り変わりの速いトレンドを追いかけ続ける生産システムの根本的な見直しが、衣類廃棄問題の解決への糸口の一つとも捉えられている。
また、膨れ上がった絶大な産業システムの変革を図るだけではなく、「せっかくつくられたいまあるものを大切に扱う」という、ユーザー側のモノに対する根本的な意識改革も必要であろう。
いま存在しているものを、安易に廃棄にまわさない。そのための具体的なアクションにはどういった方法があるのか、日頃から情報収集に努めるなどして、ユーザー側としてもこれまで以上に留意したい。たとえば、不用な服はすぐに廃棄に回すのではなく、リサイクルや修理、リメイクして再利用するなどさまざまな選択肢がある。
参考までに環境省のデータを見ると、「服がごみとして出された場合、再資源化されるのは、わずか5%程度であり、95%がそのまま焼却・埋め立て処分されている」と報告されている。総量としては、年間約48万トンものばく大な量であり、一日あたりで換算すると、「大型トラック130台分を、毎日焼却や埋め立てしている」ことを意味している。(※3)
上記のように、ファッション業界が全世界的に抱える問題は多岐にわたり、それぞれマス的な大きさと重さを含んでいる。アパレル業界のなかには、こうした問題を解決すべく、サステナブルファッション推進に取り組む動きもはじまっている。これらの取り組みにはどのようなものがあるのか、具体的に見てみよう。
アパレル業界において「受注生産」とは、シーズン前・コレクション後に「展示会」を催して、「生産/製作の前に」顧客などから受注した数量のみを生産工程に発注する、というシステムのことである。
この言葉どおり、アイテムごとの発注数量は事前に決まる。あらかじめ卸先など販売先が決まっている分のみが「展示会」にて発注されるため、「過剰な在庫」が物理的に発生せず、合理的であるといえる(ただし、一つの「事前販売予約」のような部分が必要となってくるため、この確実性にもとづいた販売予測が立てられない場合に、このシステムのみを取り入れることは、商業的にはリスキーであるともいえる)。
ウォーターレスとは、水を使わない生産技術の一つである。生産過程で水を必要とするものは他にも多く存在するが、衣類はとくに大量の水を使用しているとされ、例えばTシャツ一枚に2,720Lもの水が必要とのデータも報告されている。
ウォーターレスによる衣類の生産は、水資源を守ることにつながり、同時に「安全な飲料水の確保」という命題のための重要な試みであるといえる。また、飲料水のインフラ整備が遅れているような国での衣類生産において、例えば、染料による飲料水の汚染といった重大な問題を防ぐ根本的な防止策としても、一つの技術的なアプローチとして、ウォーターレスが注目されているといえる。
デッドストックとは、売れ残りの衣料在庫のことである。衣類の多くは大量生産システムにより、大量の売れ残りを排出してしまうが、それらは廃棄されず再販売もされないまま、倉庫の中で山積みになっていくイメージから、このように呼ばれている。
短いスパンでカラーやデザイン上のトレンドを追いかけてつくられたがゆえの売れ残りであるものも多く、その量は膨大である。
これらは、ブランドイメージの毀損を恐れ、いずれ廃棄に至るものも多く、こうした業界的な慣行が問題視されるようになってきた背景により、アウトレットや百貨店で、値下げされた上での再販売などが行われるようになった。
これも、業界的な慣行が徐々に打破され、より積極的にデッドストックを減らしたり、活用したりする動きが加速していることの表れであるといえる。
デジタルファッションとは、2019年5月、オランダの「The Fabricant(ザ・ファブリカント)」というファッション専門集団が開発した、デジタル・テクノロジーを用いた「バーチャルなファッション」のことを指す。
世界的なコロナ禍の中、メタバースなどのバーチャル(仮想)空間の発達が見込まれ、その中で人々が使う「アバター」に衣服を着せ、「メタバースのワードローブをつくる」という概念から生まれたとされている。
あくまでも実際の衣類ではないので、廃棄物にもならず、環境負荷を必然的に抑えられる新しいかたちのファッションとして注目されている。
現在は仮想空間のみならず、例えばECコマースなどで、事前に体重や身長などのデータを事前に入力することで、より体形にフィットした衣服を購入できるといった、消費者サイドに立った、サイズ感におけるニーズに応じるかたちのシステムにも応用されている。
生産者だけではなく、消費者側にも有効な取り組みとして、オーガニック素材のものを積極的に取り入れる、という比較的シンプルな方法もある。
化学繊維よりも分解しやすい特徴を持つコットンや麻などのオーガニック素材を、衣類をはじめとした生活のベースに取り入れることは、廃棄や焼却の際にも環境への負荷を抑えることにつながる。
もともと農薬などケミカルな物質が軽減され、適切な労働報酬が価格に反映されているといった、労働環境など人権にも配慮されて生産されていることから、オーガニック素材の使用は、サステナブルファッションの基本として捉えることもできる。
無駄な消費を控えてひとつのアイテムを長く使おうとしても、時間経過とともに傷みが生まれてしまうもの。そんなときに活用したいのが、企業やブランドが提供するリペアサービスだ。
たとえば、シューズブランドの「コンバース」は、スニーカーの修理・補修を受け付ける「コンバースオフィシャルリペアサービス」を提供。「THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)」を運営する「Goldwin(ゴールドウイン)」では、製品のロングユースを推奨し、個人を対象とした修理代を無料にする取り組みを開始した。
7Rでもリペアの重要性が説かれているいま、サービス提供に踏み切る企業はますます増えていくことだろう。
サステナブルファッションの推進と具現化を図っていくことは、既存のシステムの打破や脱却が必要であり、決して容易なことではない。ここでは、さまざまなかたちでサステナブルファッションに積極的に取り組む5ブランドを紹介する。
2020年創業。ブランド名は、‘Clothing For Contemporary Life’(現代生活のための衣服)の頭文字から。
「現代生活の衣服」を構成する3つの柱「ソフィスティケーション」「コンシャスネス」「コンフォート&イージーケア」の概念を取り入れ、「責任ある生産背景のもとに生まれた衣服」づくりに専念。ブランドのコアである「コンピュータープログラミングニット」を、創業時からほぼすべてのアイテムに使用している。
裁断が不要で、ごみがほとんど出ないことに着目しながら、他にも再生素材や認証素材を選ぶことで、より環境負荷の低い衣服づくりを目指す。「代表的な汚染産業の一つとなってしまっているファッション産業にあらためて向き合う」という挑戦を続けている。デジタル・テクノロジーを取り入れた、現代生活のための衣服をつくる、気鋭のブランド。
「竹を使った素材で人々を健康に」という思いから生まれた、スーパー・エコロジーなブランド。すべてのアイテムに竹100%の TAKEFU(竹布)が使用されている。その素材感からは想像できないほどの独特の暖かみや柔らかさも持ち合わせているという「竹」という天然素材を使用することで、「土に還る(かえる)」服づくりを目指す。
竹以外に使う素材についてもオーガニックを選び、縫い糸に至るまで綿を使用している。可能な限り「プラスチック素材は使わない」という環境への配慮は、輸送や販売など、すべての段階で徹底されている。
「SDGs」のうち、14番「海の豊かさを守ろう」と15番「陸の豊かさも守ろう」という目標を達成しながら、あくまでも環境に配慮した服づくりを行っている。
takes.
長袖カットソー - ウィメンズ
10,450円
※2022.09.29現在の価格です。
肌触り、形、洗濯しても崩れない、環境にやさしいどこを取っても良い!形が綺麗なのでかっこよく着れるし、生地がしっかりしているので透けません。1枚でサラッと着れます。半袖やワンピースも欲しい!
2009年、エンジニアであったオードリーが、当時は主に男性用であった「ボタンアップ・シャツ」の女性用を開発するために創業した。現在もなお、創業当初から10年以上にわたり、エシカルでサステナブルなイタリア老舗生地メーカーとパートナーシップを組む。
2020年11月には、「B Corp」認定を取得。サステナブルを貫く営利企業を対象に与えられる認証を受け、「環境や社会へのパフォーマンス」「透明性」「説明責任」「持続可能性」の観点から、厳しい評価基準を満たしている。
従業員や消費者、株主、地域社会、環境といったすべてに対し、包括的な利益を生むビジネス活動を理念としている。
スウェーデン発のサステナブルブランド。2006年の創業以来、「エシカル」「エコロジー」「サステナブル」といった価値観のもと、洋服づくりを続けている。
すべての製品に、オーガニックコットンをはじめとする環境負荷の低い素材を使用。英語で「~に身を捧げた、専門の」という意の「DEDICATED」をブランド名に、「地球や地域産業の持続可能性に身を捧げて注力する」という思いを込める。
「原料を育てる人」から「それらの工場や農場がある地域の周辺環境に配慮すること」「すべての人たちに公平であること」「責任を持つこと」を目指す。
トレーサビリティーが明確なオーガニックコットン、リサイクルポリエステル、リヨセルなどを使用し、素材にもこだわっている。2021年より日本国内での展開もスタートした。
DEDICATED.
プレーンスウェットパーカ
12,100円
※2022.09.29現在の価格です。
他のオーガニックコットンに比べて、気持ちいい〜っていう感じでは無く、普通のコットンの手触りに近いです。フワフワ感があまりないです。洗濯しても色落ちしないのは嬉しいです。サイズはデカいのでゆったり着たい人にオススメ。何回も洗濯していますが型崩れしてません。パーカーとして重すぎて着ずらい事はないですが、しっかりタイプのパーカーなので、フワッとカジュアルに着たいと言うよりは、防寒だったりしっかりパーカーとして着たい時におススメです。
「自然を楽しみ、自然を守る。自然、文化、歴史、人々—そのすべてが交わる場所へ」という理念のもと、2020年10月には環境省と「国立公園オフィシャルパートナーシップ」を、THE NORTH FACEの親会社であるゴールドウイン社として締結。
「これまでに培ってきたフィールドでの知見を活かし、世界に誇る日本の国立公園の美しい景観と滞在する喜びを発信すると同時に、国立公園が所在する地域を盛り上げ、豊かな自然環境を未来へと繋げていく」としている。
他にも、植樹プロジェクトをはじめ、写真家とのコラボレーションにより「海洋マイクロプラスチック」についての啓蒙を図っている。「GREEN IS GOOD」というコンセプトのもと、自然環境への負荷を軽減するためのさまざまな取り組みを積極的に推進している。
衣服は生活に不可欠であり、ファッションを楽しむことも大切であるが、単に低価格であることに流されず、素材や縫製など、品質をより重視して選ぶことが、これからの消費者側としての姿勢に求められる。一人ひとりの小さなアクションこそが、社会の変容へとつながる。こうした観点から、私たちにできる具体的な取り組みについて以下にまとめてみた。
同じようなアイテムが重複した結果、簡単に廃棄とならないように、まずは、自分がどのようなアイテムをそれぞれどのくらい所有しているのか把握しよう。すべてを一度に行うのは大変なので、季節ごとに少しずつ手がけていくとよいだろう。すでに所有しているものをできるだけ長く大切に使うことも、サステナブルの重要な理念の一つである。
この機会に、自分に似合うもの、色やサイズ感、丈などを再確認してみよう。アイテムを整理し、買ったものの着たことがないものや、所有していること自体を忘れていたなどのアイテムがないか再確認を。コーディネートを考えるため、おしゃれのセンスを磨くことにもつながるだろう。
自分の体型やサイズをきちんと把握してから購入するようにしよう。サイズの合わないものは物理的に着なくなり、そのまま廃棄にまわりやすい。体型の変化や経年劣化などにより着られなくなったものも、漫然と廃棄せず、「お直し」でのサイズ変更などができないか考えてみよう。
または「リメイク」に挑戦し、新たなものとして生まれ変わらせることも楽しいかもしれない。手間と時間、多少のコストはかかるが、こうした丁寧な生活こそが、ミニマルなスローライフへの近道かもしれない。
衣類を購入する際は、衣服の左側(または背中側のセンター部分)などに必ずついている「タグ」を確認するようにしよう。タグには、生産地や素材の構成・サイズ・洗い方・メンテナンス方法など、消費者にとって重要な情報が多く記載されている。
労働力を搾取されてつくられたものではないか、どのような素材で構成されているのか、傷みやすい素材や縫製ではないかなどを、自身でしっかり確認してから納得のいくものを購入するようにしよう。
タグに記載されている素材に関する知識を深めよう。例えば、綿や麻などの自然素材と化学繊維の違いや、化学繊維の種類とそれぞれの特徴を把握しておくと、購入の際の判断基準となり、衝動買いのストッパーともなるかもしれない。アイテムの数よりも、品質が良く飽きのこないものを、丁寧にメンテナンスしながら「できるだけ長く着る」ことを楽しむようにしてみよう。
どうしても廃棄が必要な際は、自治体や企業が行っている衣類回収システムを積極的に利用するようにしよう。日頃から、住んでいる自治体のホームページの記載を確認するなどして、リサイクルについての情報を収集しておきたい。消費者が購入したものをそのまま廃棄すると「一般家庭ごみ」となるので、ごみを減らすアクションにもつながる。
リサイクルショップの買取やフリマへの出品、アパレルショップが行っている中古品引き取りなどを活用するのもおすすめだ。
サステナブルファッションの概念がようやく広まりつつあり、ミニマルな生き方やライフスタイルとともに注目されてきた。この機会に、サステナブルファッションを生活に取り入れてみよう。
さまざまな問題を抱えている現代のファッション業界と、それに追随してきた消費マーケット。これらをあわせて、一気に変革させることにはさまざまな困難を伴うが、それでも、私たち一人ひとりにできるアクションはあるはずだ。
状況や問題点について詳しく理解できれば、それが変革への推進力につながっていく。生産者側も消費者/利用者側も、もう「低価格であることだけに振り回されない」という明確な意志が必要だ。また、多数の衣類に囲まれている中、どのようなアイテムがあるのかなどをチェックしながら、おしゃれのセンスアップにつなげていくのも楽しい。
素材や生産過程、産地などの知識も深めて、身のまわりから「サステナブルファッション」に取り組んでみよう。
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