変化のうねりが押し寄せた2020年。はたして今年は、どんな変化や気づきが待っているのだろうか。世相を読み解くサステナブルなキーワードを25個ピックアップする企画。この記事では、「食/フード」にまつわる2021年注目のキーワードを5つ紹介する。
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知識をもって体験することで地球を変える|ELEMINIST Followersのビーチクリーンレポート
Photo by Markus Spiske on Unsplash
そもそもリジェネラティブとは「再生」を意味する言葉で、その対象は土壌だ。リジェネラティブ農業では土を耕さず雑草や植物などの有機物で表面を覆い、健康を目指しながら修復したり改善したりしている。
成果が出るまでには時間がかかるが、健康的な土壌は大気中の二酸化炭素をより多く吸収・隔離するため、気候変動対策としても注目されている。また、生態系も豊かになる点もメリットとしてあげられる。
2021年はより環境意識が浸透していくことから、リジェネラティブ農業を採用したプロダクトが支持されるようになるだろう。パタゴニアは「リジェネラティブ・オーガニック認証」の設定を支援し、パートナー企業と試行錯誤しながら環境対策に取り組み、ドライマンゴーなどを販売している。
Photo by Elaine Casap on Unsplash
購入するのではなくシェアをする──。シェアリングエコノミーの到来で、私たちは所有しないことに慣れ始め、分け合うことにも抵抗がなくなったが、2021年はこの傾向が一歩先へと進むことになるだろう。
自分でつくったモノを分け合う機会が増えるはずだ。ギフトエコノミーの台頭ともとらえられ、見返りを求めずに他者にモノやサービスを与える経済はより浸透していくことになる。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で家にいる時間が長くなり、家庭菜園を始めた人はたくさんいる。その規模が少しずつと広がり大きくなれば、おすそ分けの文化が復活することになるだろう。
Photo by Thomas Park on Unsplash
すでに欧米では浸透しているが、2021年の日本ではアニマルウェルフェアが当たり前の価値観になるだろう。これは家畜を感受性豊かな生き物として考え、快適な環境のなかでストレスをかけない飼育方法のこと。
牛は飼育しやすいように角を除去され、子豚を産むための母豚は檻のような施設で拘束され、養鶏は互いにつつき合わないようにするためにくちばしが切断されている。いまだにこうしたことが日本ではおこなわれているが、エシカル志向の広まりから、アニマルウェルフェアを実現している企業やメーカーから購入をする人が増えてもいる。
まだ気にかけたことがない人は、手始めにケージフリー宣言をしている企業やメーカーから食品などを購入してみてはどうだろうか。
Photo by Anna Pelzer on Unsplash
クレイバブルヴィーガンが意味するのは「やみつきになるヴィーガン食品」だ。
Cravingという「切望」を意味する言葉から派生したCraveable(クレイバブル)が「やみつきになるほど求めてしまう」というスラングで使われることが多く、それとヴィーガン食品が組み合わさったもの。
世界的に有名な動物愛護団体「PETA」もクレイバブルヴィーガンという言葉を使用して、独自のアワードでスナック菓子を評価しており、より広がっていく言葉になると考えられる。いまでも「ヴィーガン食品=おいしくない」という価値観があるからこそ、意味を説明しながら使っていきたい言葉だ。
ちなみに「PETA」のアワードでは、「Tofurky」というメーカーのブリトーのような「Plant-Based Ham and Ched'ar Pocket」が1位を獲得している。
Photo by EVERSON DE SOUZA on Unsplash
外出自粛の長期化で料理や雑貨の手づくりに目覚める人が増えた昨年。2021年は日本人にとってなじみ深い発酵食品も自分でつくる人が増えるだろう。
発酵食品は保存がきくので備蓄がしやすい。自然災害に備えて食糧の備蓄や避難訓練に日常的に取り組む人々「プレッパー」の増加も、勢いを後押しする要素となりそうだ。
味噌や醤油の手づくりキットも多く販売されており、家族や友だち、パートナーと交換しあったり味比べをしたりすることもブームになるはずだ。
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