最終回 愛情で育てた自作コンポストでリボベジにチャレンジ!

日本の小さな村がベルリンにもあった

ベルリン在住のイラストレーターKiKiが、自身が育った西伊豆の日本の村とベルリンの暮らしの共通点をつづるコラム(毎月14日28日更新)。最終回は、育てている土でリボーンベジタブル(リボベジ)に挑戦。牛乳パックをプランターに育てたキャベツ、ロメインレタス、トマトの結果に乞うご期待。

KiKi

イラストレーター/コラムニスト

西伊豆の小さな美しい村出身。京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科卒業後、同大学マンガ学科研究室にて副手として3年間勤務。その後フリーランスに。2016年夏よりベルリンに移住。例えば、…

2021.03.28
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リボベジを育てるときの注意点

始めは不慣れだったリボベジも、慣れてくると注意点が見えてきた。

まず、牛乳パックのプランターには余分な水が出て行く穴がないので、水のあげすぎに注意したほうがよいかもしれない。

最初に気合を入れて多めに水を注いだら、土が水を吸い込むまでに時間がかかってしまい、野菜が腐ってしまうのではないかと不安になった。毎日水をあげる必要はなさそうだ。土が乾いているな、と感じたらあげる程度でよい。

季節や野菜によって違うかもしれないが、ロメインレタスとミニトマトは1日おきでも十分だった。

野菜も土も生きもの 育てることの神秘さと難しさを学んだ

イラスト

コンポストを自作したことで、土も栄養を取り込み、成長し、生きているということを知った。その土の栄養と、太陽の光と水で野菜は育つ。しかも彼らの生命力はとても強く、根の部分を植えただけでも再生する、という生命力の力強さに感動した。

水の配分、育ちやすい気温のことなど、もう少し勉強し、彼らにとって最適な環境を提供できていたら、もっとワイルドに育ったかもしれない。

リボベジをするにあたって、さまざまな記事を読み参考にしてみたが、どのように野菜を植えたらいいのか、あげる水の量、適切な気温など、実際にやってみないとことがたくさんあった。

自然は人が何も手を加えなくても、たくましく美しく成長していくことを、地元の山々を見て育ったわたしは知っている。しかし人の手で自然を整えると、さらに美しく、おいしくなるということも、祖父母の畑で取れた野菜や果物を食べて育ったわたしは知っている。

もし自分の手で自然を整え育てることになったときは、土や野菜にとって「余計なこと」ではなく「助け」になるように、もっと本格的に学んでいきたいと思った。

トマト、リボベジのロメインレタス、ツナのサラダ

リボベジで育ったロメインレタスでサラダ

リボベジで育ったロメインレタスは、スーパーで購入したものよりも小さかったが、やわらかくて、やさしい味がした。そして、自分で育てたからか、愛おしさも感じた。

こんな話を先日友人にしたところ、なんと4月から友人の庭を借りて、畑で一から野菜を育てる挑戦ができることになった。

ちなみにこの庭の持ち主は、Vol.2の宅急便の回で紹介した同じアパートに住んでいて、わたしがときどきネコの世話をしているご近所さんだ。

野菜をたくさん植えて、夏においしいサラダをご近所さんと一緒に食べることを目標に、ワクワクしながら絶賛計画中だ。

昔ながらのエコでサステナブルな生活を現代の日本へ

Vol.0を含め、合計12回書いてきたこの連載は、今回で最後になる。

西伊豆の日本の村とベルリンの暮らしの共通点をつづってきたが、みなさんにはどのように感じていただいたろうか。

日本の昔ながらの生活にはエコとサステナブルな要素が自然と根付いている。いまわたしがいるベルリンでは、日本で培われていたものと同じようなエコでサステナブルな知恵と習慣が、都会の街に馴染むようにアレンジされている。

現代日本では、どのようにアレンジすれば、あたらしいサステナブルでエコな社会が生まれるのか。この連載を通して、何か気づきを残せていたら、とても嬉しい。

※掲載している情報は、2021年3月28日時点のものです。

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