ベルリン在住のイラストレーター・KiKiが、自身が育った西伊豆の日本の村とベルリンの暮らしの共通点をつづるコラム(毎月14日28日更新)。子どもの頃から夢見てた空き瓶回収をベルリンで実現させたKiKi。現地では「習慣になっている」そうだが、いまの日本でも回収してもらえるという。
KiKi
イラストレーター/コラムニスト
西伊豆の小さな美しい村出身。京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科卒業後、同大学マンガ学科研究室にて副手として3年間勤務。その後フリーランスに。2016年夏よりベルリンに移住。例えば、…
知識をもって体験することで地球を変える|ELEMINIST Followersのビーチクリーンレポート
Photo by KiKi
現代の日本では、昔父に教えてもらったようなビール瓶を回収してくれる酒屋さんはもういないのだろうか。このコラムを執筆するにあたり、調べてみた。すると「ガラスびん3R促進協議会」というサイトを見つけた。
そこには「びんは何回もびんに生まれ変わる」というキャッチフレーズとともに、瓶の再利用の過程が紹介されている。
Photo by ガラスびん3R促進協議会
これはまさに、父が子どもの頃にしていたことなのでは……! と興奮気味にサイトを読み進めると、以下のようなガラス瓶のエコな歴史が書かれていた。
日本では、明治時代から「びん商」と呼ばれる人たちが、回収・殺菌洗浄し、再販していたそうだ。しかし時代が進むにつれて消費者のニーズは変化し、容器も多様化。だんだんと瓶が繰り返し使われなくなる。
そこで昭和後期に推進されたのが、古いガラス瓶から新しいガラス瓶を生産するスタイル。使い終わった空き瓶を各自治体で分別収集してガラス瓶の原料(カレット)に加工、それを使用し新しいガラス瓶が生産された。
その後には、再利用しやすいように規格を統一したRマーク瓶が誕生し、現在はリユース瓶(繰り返し使われる瓶)とリサイクルされる瓶(繰り返し使われない瓶)の2種類に分けて循環しているそうだ。(※2)
日本でのビール瓶回収は、対応しているお店が減ってしまっただけでまだ行われている、という情報も見つけた。
調べてみると、実際に回収しているチェーン店や個人店があるようだ。横浜市のように、回収店舗マップをつくっている自治体も多くあるようだ。家に空のビール瓶があったら、ぜひ調べて持ち込みをしてみてほしい。
返金額は、国内外のビール醸造組織との協働を目的に活動している「ビール酒造組合」によると、瓶の保証金として1本あたり5円。しかし、必ずしもすべての販売店で瓶の代金が返金されるわけではないらしい。(※3)
わたしもドイツで初めて叶えたビール瓶回収を、今度こそ日本でも実践したい。次に一時帰国する際は、対応している酒屋さんを探して空のビールびんを持っていきたいと考えている!
2/14公開予定の次回は、サステナブルな生活に大いに役立つ“なんでもてづくり”精神を紹介したい。
参考
※1 リサイクル促進を目的に、2003年からこの制度が導入された(Die Funktionsweise des Pfandsystems/https://dpg-pfandsystem.de/index.php/de/)
※2 ガラスびんのエコ・ヒストリー(https://www.glass-3r.jp/environment/history.html)
※3 ビールびん保証金制度とは(https://www.brewers.or.jp/returnable/deposit.html)
ELEMINIST Recommends