Photo by 牧野 弘
エシカルでサステナブルなライフスタイルを送る先人から、一歩を踏み出すヒントを学ぶインタビュー連載企画「ELEMINIST TALK」。今回ご登場いただいたのは、シンガーソングライターのCaravanさん。ピースフルな音楽のみならず、ライフスタイルやインディペンデントな活動でも注目の人だ。茅ヶ崎・里山のごみ問題が発端だというイベント「HARVEST PARK」について、また不安定な時代をブレずに生きるマインドについても伺いました。

ELEMINIST Editor
エレミニスト編集部
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茅ヶ崎は耕作放棄地も多い。「僕らの活動がエリアの活性化につながれば」。
————「里山クリーン」や「HARVEST PARK」など、エシカルな活動を積極的にされているように思いますが、以前から興味はありましたか?
正直にいうと僕は活動家でもないですし、そこまでハードコアにエシカルを意識して生きてきたわけでもない。そもそも茅ヶ崎に住みたいと思ったのは、サーフィンがきっかけ。海辺の暮らしに憧れて移り住んでから、20年くらい経ちました。
そのなかで単純に、海にごみがない方が気持ちいいよねとか、街にごみが少ない方がいいよねとか。そういうシンプルな発想で動いている気がします。やっぱり世界を変えるには自分の足元から変える必要がある。それは常に意識していることですね。
コロナ禍をきっかけに田んぼや畑をしていなかったら、北側のごみ問題にも気づけなかったと思います。海側はエシカルなイベントや関心を持っている住民も多い。ところが一歩離れた北側では不法投棄されている現状がありました。
レコードのA面、B面じゃないですけど、B面もいいんだよってことを伝えていきたい。日のあたる海側でわざわざ我々がイベントをする必要はないと思っていて。逆にあまり日があたらないところで光を放ちたいというのが、僕たちの本質でもありますね。
————意外でした。Caravanさんのピースフルな音楽やライフスタイルに憧れている人も多く、サステナブルやエシカルなカルチャーを牽引されているイメージがありました。
僕はただ、自分の好きなスタイルを選んでいるだけ。そこに共感してくれる人もなかにはいるのかなと思います。あとは時代の流れもあったのかもしれません。2000年代はいろんな意味でターニングポイントだったと思います。
物質的な豊かさではなく、心の豊かさについて考えるようになったり。自分にとって大切なものは何なのか、生き方の優先順位を見つめ直す風潮があった。そこに僕の音楽がたまたまフィットして、その当時僕の音楽を聞き込んでくれた方も、いまだにライブに来てくれているのかなと分析しています。
————ふだんの生活の中で、どんなエシカルなアクションをされていますか?
自分のなかでは、エシカルという言葉にちょっとひっかかりがあるんですが…。それとは関係なく、なるべくごみは出さないようにしよう、買い物へ行くときは袋を持っていこうといった基本的なことはしています。
あとはお米をつくりはじめたこともそうですが、自分の食べるものだったり、最低限自分のことは自分でやろう、といったことに興味がある。例えば音楽のレコーディングなんかも、僕はミックスまで自分でやりたくなってしまうタイプ。だから、エシカルうんぬんよりも、自分が楽しいからやっているというのが大きいですね。結果、それが環境に負荷をかけない暮らしだったらなおいい。
「HARVEST PARK」も自分たちの目の前にある問題に取り組むためのイベントなので、やっぱり自分たち主導で動かなきゃ意味がない。ここでプロのイベンターに入ってもらうのは違うよな、というのがあるのですべて自分たちの手でやっています。
ぶっちゃけ「大変なことをはじめてしまったな」という気持ちもありますが、いい歳をして勉強させてもらっているという感じもあります。チームワークもどんどんタイトになってきていますしね。
————これからどんな活動に力を入れていきたいですか?
一つひとつの活動が音楽であり、メッセージだと思っていて。人前で演奏してライブをすることだけじゃなく、例えば田んぼでお米をつくろうとか、月に1回ごみを拾おうとか、そういうライフスタイルみたいなものもメッセージとして届けばいいな、とどこかで思っています。
人に頼まれてやっているわけではないし、誰もみてくれなくてもいい。自分たちとしては「お天道様がみている」、そんな感覚でやりたくてやっています。喜びや楽しさを感じることができれば、そういった活動もより定着していくのではないでしょうか。
家族ができて変わった部分もあります。昔は何も考えずに過ごしていたけれど、子どもたちの未来について想像が広がるようになりました。僕らがやり残したことが子どもたちの足かせになってしまうのはよろしくない。自分たちの出したごみや環境負荷といった課題は、やっぱり自分たちで解決していかなきゃいけないと思うようになりました。
「一つひとつの活動が音楽でありメッセージ」。
————世の中をみると不安定なニュースが飛び交っています。Caravanさんはどのように感じていますか? 音楽が果たす役割にはどんなものがあると思いますか?
僕が音楽を好きな理由っていうのは、人種とか宗教とか年齢とかを飛び越えてみんなでシェアできる、なおかつ実態のないところだと思っています。空気の振動なので、それを触ることもできなければ、誰かのものにすることもできない。
そういう曖昧なものだからこそ、ふわっといろんな人に届くんだろうなと。水や風のように浸透していくのが音楽の面白いところだと思っています。音楽の果たせる可能性はいっぱいある、そんな信念をもっていまだに辞められずにやっています。
まさか2020年代にこんなに戦争があるとは考えてもみなかったし、人は歴史から学ばないんだなと憤る部分もあります。それでも「これはひどい!」と不平をいうのではなく、じゃあそれを眺めているお前はどうなんだ、平和な生き方をできているのかと、矢印は自分に向かっていく。いろんな意見はあるけれど、「自分はどうなんだろう?」そう考えることが必要なのだと感じています。
僕がこんな考え方をするようになったのは、幼少期をベネズエラで過ごし、その後日本へ帰ってきたときの経験が大きい。アジア人ということでいじめられ、帰国子女ということでからかわれました。そのとき子どもなりに気づいたのが、正解はひとつじゃないということ。ところ変われば価値観もかわるんだなって。
そこから、いろんなものを真に受けないようにしよう、自分は自分と思うようになりました。自分のセンターをちゃんと守るという感覚があれば、目先のニュースや人の意見に流されることなく生きていける。すべては自分のあり方の問題なんだと思いますね。
Caravan(キャラバン)/茅ヶ崎在住のシンガーソングライター。幼少期を南米・ベネズエラで過ごし、高校時代からバンドを結成、ギタリストとして活動する。2001年からソロアーティストに転身。全国各地を旅しながら弾き語りライブを行う他、数々の野外フェスにも参加する。2004年に1stアルバムをインディーズレーベルからリリース。2005年にはメジャーデビューを果たし、以降コンスタントにリリースを重ねる。2011年に自身のアトリエ "Studio Byrd"を完成させ、2012年にはプライベートレーベル“ Slow Flow Music”を立ち上げた。独自の目線で日常を描く、リアルな言葉。 聞く者を旅へと誘う、美しく切ないメロディー。 さまざまなボーダーを越え、一体感溢れるピースフルなLive。世代や性別、ジャンルを越えて幅広い層からの支持を集めている。
Instagram :@caravan_harvest
Caravan Official Web https://www.caravan-music.com/
Caravan Bio Link https://bio.to/caravan_harvest
Caravan LIVE EXTRA 新年祭 2026 "HOMEWORK Special"
日程:2026年2月1日(日)
開場/開演:17:15/18:00
会場:CLUB CITTA'(神奈川県川崎市川崎区小川町 5-7)
出演者:Caravan(Vo>) Member 宮下広輔(pedal steel gt.) / 高桑 圭(ba) / 椎野恭一(dr) / 堀江博久(key) & Special Guest
券種・料金:指定席 ¥7,000、後方スタンディング ¥6,500 (税込/D 代別)
★振る舞い酒 SummerFall
※3歳以上チケット必要
Buy Ticket : https://bio.to/caravan_harvest
Info. DISKGARAGE https://diskgarage.com/help/
写真提供/Caravan(Photo by 牧野 弘) 取材・執筆/村田理江 編集/後藤未央(ELEMINIST編集部)
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