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植物性ミルクとして注目度があがっている、オーツミルクやアーモンドミルク。それぞれのメリットとデメリット、さらにどんな効果が期待できるのか、おすすめとあわせて紹介する。

ELEMINIST Editor
エレミニスト編集部
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植物性ミルクとは、穀物・ナッツ・豆類など植物由来の原料からつくられるミルク状の飲料。「プラントベースミルク」と呼ばれるほか、動物性ミルクに替わるものであることから「代替ミルク」とも呼ばれる。
もともと乳糖不耐症やヴィーガン(完全菜食主義)の人々の代替飲料として広まったが、近年は健康志向やサステナブルなライフスタイルの高まりを背景に、一般層にも人気が拡大している。
植物性ミルクとよく比較になるのが、動物性ミルク。例えば、ウシ、ヤギなどの動物からとれるミルクのことで、もっとも一般的なのは、ウシのミルクである牛乳だ。
植物性ミルクと動物性ミルクの違いは、原材料と含まれる成分。植物性ミルクは植物由来の原料からつくられるのに対し、動物性ミルクは動物由来の原料となる。
また成分については、動物性ミルクには「カゼイン」というタンパク質が含まれているのが特徴だが、植物性ミルクには含まれない。牛乳アレルギーの多くは、このカゼインが原因であると言われており、植物性ミルクは牛乳アレルギーの方にも好まれる。
植物性ミルクの代表的な種類には、オーツミルク、アーモンドミルク、豆乳、ココナッツミルク、ライスミルクなどがある。詳しくは下記の記事を見てほしい。
オーツミルクとは、オーツ麦を原料とした植物性ミルク。オーツ麦を水に浸してすりつぶして液体状にしたものだ。もともと欧米ではプラントベースミルク市場をけん引する存在であり、日本でもスターバックスなどのカフェメニューに採用されるなど、近年急速に浸透している。
オーツミルクの一番の特徴は、やさしい甘みとクリーミーな口あたり。砂糖を加えなくてもほんのりとした甘さがあり、コーヒーやシリアルにもよく合う。また、栄養面では食物繊維(βグルカン)が豊富で、鉄分・ビタミンB群を含む。動物性脂肪を含まないため、コレステロールゼロで生活習慣病の予防にも役立つだろう。
一方で、オーツミルクのデメリットとして挙げられるのが、糖質量がやや多めという点。オーツ麦由来の炭水化物が含まれるためだ。もしダイエット中や血糖値を気にするなら、「無糖タイプ」を選ぶのがおすすめ。また、牛乳と比べるとタンパク質やカルシウムの含有量が少なめ。さらに、価格は牛乳よりも高めで、開封後の保存期間は短めであるため、コスパや管理の面ではデメリットになることも。
アーモンドミルクとは、アーモンドを水と一緒にすりつぶしてつくる植物性ミルク。アーモンド特有の香ばしい風味と、すっきりとした口当たりがあり、健康・美容志向の人を中心に世界中で愛されている。欧米では定番の植物性ミルクのひとつで、近年は日本でも一般的になりつつある。
アーモンドミルクの最大の特徴は、栄養価の高さと美容効果だ。アーモンドは「天然のサプリメント」と呼ばれるほど、ビタミンやミネラルが豊富で、アーモンドミルクにも同様の栄養を期待できる。豊富な栄養分は、強力な抗酸化作用があるビタミンE、悪玉コレステロールを下げるといわれるオレイン酸など。
牛乳やオーツミルクよりカロリーが低く、ダイエット中にもぴったり。アーモンドミルクはすっきりとした味わいで、コーヒーやスムージー、グラノーラなどにも相性抜群。
アーモンドミルクは、牛乳や豆乳と比べるとタンパク質含有量が低く、筋肉づくりや栄養補給目的では物足りない場合がある。また、市販品のなかには砂糖や添加物を加えたものも少なくない。健康目的で飲むなら、無糖タイプや有機アーモンド使用の製品を選ぶのがおすすめだ。
さらに、アーモンドの栽培には多くの水を必要とするため、オーツミルクより環境負荷が高いと指摘する声もある。
ここでオーツミルクとアーモンドミルクのおすすめを紹介しよう。
「OATSIDE(オーツサイド)」は、日本に2022年に上陸した、シンガポール発のオーツミルクブランド。厳選されたオーストラリア産のオーツ⻨を使⽤し、独⾃の酵素加⼯・処理製法を用いてつくっている。オーツ⻨本来の⾃然な⽢さと⾹ばしさを最⼤限引き出しているところが魅力だ。
2022年から日本での発売が始まったのが、「OATLY(オートリー)」。スウェーデンでオーツミルクの製造をはじめた、オーツミルクのパイオニア的な存在。オーツ麦を細かくした後に、酵素を加えオーツ麦のデンプンを分解するプロセスを取り入れ、自然な甘みとコクがあってクリーミーな味わいを楽しめる。
「Minor Figures(マイナーフィギュアズ)」は、イギリスで生まれたオーツミルクのブランド。コーヒーに最適なオーツミルクをつくっており、「ブルーボトルコーヒー」などで採用されている。2025年には、リジェネラティブ農業(環境再生型農業)で栽培したオーツ麦でつくるオーツミルクも発表している。
プラントベースブランド「Treely(ツリーリー)」では、無添加のアーモンドミルク「Treely アーモンドミルク」を発売している。乳化剤・増粘剤・香料・保存料などは不使用。白砂糖、油、人工甘味料なども使わず、厳選されたアメリカ産アーモンドだけを使用している。
オーツミルクやアーモンドミルクを選ぶときは、次のような点をチェックしてみよう。
植物性ミルクを選ぶ一番のポイントは、やはり味の好みかもしれない。オーツミルクは牛乳に近いコクとまろやかで自然な甘みがあって、コーヒーや料理との相性が良いのが特徴。一方、さらっと軽く、ナッツの香ばしさを感じられるのが、アーモンドミルク。甘さが控えめでスッキリしている。
オーツミルクとアーモンドミルクの栄養を考慮して、選ぶのもいい。オーツミルクは食物繊維が豊富で炭水化物(糖質)はやや高め。アーモンドミルクはビタミンEを多く含む。食物繊維をしっかり摂りたいならオーツミルク、糖質を抑えたいならアーモンドミルクの方がおすすめ。
アレルギーをもつ方の場合は、下記を参考にチョイスするといいだろう。あわせて、添加物の有無も確認しよう。
・アーモンドアレルギーなら、オーツミルク
・グルテンが気になるなら、グルテンフリー表示のミルク
・乳糖不耐症なら、オーツミルクでもアーモンドミルクでも、どちらもOK
用途で選んでもいい。オーツミルクはコーヒーとの相性がいいうえ、泡立ちも良いためカフェラテなどフォームミルクをつくるなら、オーツミルクの方がおすすめ。お菓子づくりで牛乳の代わりに使うなら、さらっと混ざりやすいアーモンドミルクがいいだろう。
植物性ミルクは、動物性ミルクよりも製造工程などで環境への負荷をかけにくい。おまけに、オーツミルクなどのブランドでは環境に配慮した取り組みを積極的に行っているところが多い。近年は、コーヒーショップでもオーツミルクやアーモンドミルクのチョイスが可能なところが増えており、ますます植物性ミルクが身近になっている。ぜひ、一度植物性ミルクを飲んで、そのおいしさを味わってみてはどうだろう?
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