コンビニやスーパーで買えるフェアトレード商品はこれ 選択のメリットと選ぶ基準も解説

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フェアトレード商品を購入することは、開発途上国の生産者や労働者の支援につながる。身近なコンビニやスーパーで手軽に購入できる商品の紹介とともに、改めてフェアトレード商品を購入することによる社会へのメリットについて解説する。

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2024.07.20
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フェアトレード商品とは

フェアトレード商品 国際フェアトレード認証

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フェアトレードとは、「公平・公正な貿易」を意味する言葉。具体的には、発展途上国で生産された原料や製品を労働に見合った適正な価格で、対等な取引のもとに購入することで、立場の弱い生産者の賃金や労働環境、生活水準の向上、自立支援を目指す貿易システムやパートナーシップのこと。この貿易の仕組みを通じて、原料や製品が公平な条件で取引・生産・販売される商品を「フェアトレード商品」と呼ぶ。

フェアトレードの対象商品

フェアトレード商品には、原料の生産や加工から製品になるまでのすべての工程で基準が守られていることを証明する認証ラベルがある。代表的なものに、世界各国で展開されていたフェアトレードラベルの推進機関を束ねる組織として、1997年に設立された「国際フェアトレードラベル機構」が発行する「国際フェアトレード認証」がある。

フェアトレードの対象となる商品は、具体的にどのようなものがあるのか。ここでは、「国際フェアトレード認証」の認証対象となる商品を紹介する。

食品

フェアトレード認証製品市場で大きな割合を占めるのはコーヒだが、チョコレートの原料となるカカオ、胡椒や生姜、バニラ、クミン、シナモンなどのスパイスや香辛料も増加傾向にある。

その他、メロンやりんご、バナナ、オレンジ、レモン、アボカド、ピーマン、じゃがいもなどのフルーツや野菜類、ひよこ豆やレンズ豆などの豆類、カシューナッツ、胡桃、アーモンド、マカデミアンナッツなどのナッツ類、さらにココナッツ、ワイングレープ、ルイボス、ハイビスカス、カモミール、蜂蜜、オリーブオイル、ドライフルーツ、フルーツジュース、ドライ野菜、サトウキビ糖、紅茶、緑茶、キヌアなどがある。

食品以外

食品以外では、コットン製品や、バラ、カーネーションなどの切り花、サッカーボールやフットサルボールなどのボール類が対象だ。

フェアトレードとは 仕組み・基準・認証をわかりやすく解説

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商品の代表例とフェアトレードが必要な理由

フェアトレード商品 チョコレート お菓子

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フェアトレードは、生産者の安定した生活と持続可能な農業のために不可欠だ。ここでは、代表的なフェアトレード対象商品について、フェアトレードが必要な背景とともに解説する。

コーヒー

フェアトレード認証のコーヒーは主に発展途上国で生産されているが、その買取価格はニューヨークとロンドンの国際市場で決まる。この市場は価格変動が激しく、小規模農家は中間業者に依存せざるを得ないため、安定した収入を得ることが難しい。

フェアトレードでは、小規模農家が協働で生産者組合をつくり、市場との直接交渉を可能にする。また、国際フェアトレード基準では「最低価格」が定められており、輸入業者はこの価格以上で買取を保証し、1ポンドあたり20セントのプレミアム(奨励金)も提供される。これらの安定した収入により、農家は生産技術の向上や地域の社会インフラの整備を行うことができる。

カカオ

開発途上国では、1400万人もの人たちがカカオ生産によって生計を立てていると言われている。そのなかでも、彼らが直面する問題の一つが児童労働だ。世界では約1億5,200万人の子どもが働かされており、世界の子どもの10人に1人にあたる。その多くが貧困によるもので、カカオ農園もその一因だ。(※1)

国際フェアトレード基準では、児童労働を禁止し、安全な労働環境と持続可能な収入を保証している。これにより、生産者は安定した収入を得ることができ、子どもを働かせる必要がなくなる。また、フェアトレードで得たプレミアムは地域の教育や医療など、社会基盤の充実を図ることに使用されている。フェアトレードチョコレートを選ぶことは、生産者と消費者の両方が幸せになる選択と言える。

紅茶

水に次いで世界でもっとも飲まれる飲料であるお茶。その生産国であるインドやスリランカ、東アフリカの茶園は、多くが植民地時代につくられ、大規模プランテーションが主流で、小規模生産者は少数。低賃金や劣悪な労働環境の問題が深刻化しているのが現状だ。

フェアトレードでは、労働者に適正な賃金を保証し、安全で衛生的な労働環境が提供されるだけでなく、労働者の合同委員会にプレミアムが支払われ、地域発展に活用されている。実際に一部の現地では、プレミアムによって電力供給支援や小規模ビジネスの貸付を行い、子どもたちが夜に勉強できるようになったという例がある。

コットン製品

世界70カ国以上で、約1億世帯がコットン生産に従事しており、とくに西アフリカや南アジアの開発途上国では重要な輸出品だ。しかし、先進国に有利な不平等な貿易構造のため、開発途上国の生産者は生産コストをまかなえない低価格での取引を強いられている。また、コットン生産に使われる栽培農地面積は世界中の農耕面積の約3%程度であるにもかかわらず、世界で使用される殺虫剤の約16%、農薬全体の約10%が使用されているという。環境負荷も大きく、生産者の健康被害も深刻だ。(※2)

国際フェアトレード基準では危険な農薬を禁止し、オーガニック栽培を奨励している。例えば、マリ共和国ではオーガニック農法への切り替えが進み、健康が改善された。また、フェアトレードのプレミアムで地域の学校や倉庫も建設され、村人たちが自ら社会発展を実現している。

切り花

切花は大規模プランテーションで生産されることが多く、農薬や汚水の適切な処理がされず環境にダメージを与えたり、労働者が防護服なしで農薬を扱い健康被害を受けたり、低賃金で働かされたりすることが問題視されてきた。これを受け、2004年に切り花にも国際フェアトレード基準が設定された。フェアトレードでは、これらの問題を解決するため、労働者に安全な環境と適正賃金を保証している。フェアトレード認証の切り花はケニアやコロンビアなどで多く生産され、日本でも販売されている。

スポーツボール

サッカーボールの70%以上がパキスタンで手縫いでつくられており、低賃金や児童労働が問題となっている。1990年代には、インドやパキスタンで多数の児童労働が明らかになり、改善の必要性が指摘された背景がある。この問題を解決するため、フェアトレードサッカーボールが導入され、工場労働者に適正賃金や安全な労働環境を保証し、買取価格の10%がプレミアムとして支払われ、教育や福祉に役立てられている。サッカーボール以外にも、フェアトレードフットサルボール、バレーボール、バスケットボール、ラグビーボールがあり、広まりを見せている。(※3)

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フェアトレード商品を買うことで得られる効果

フェアトレード商品 効果 社会問題の解決

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公正な取引によってつくられたフェアトレード商品を買うことは、さまざまな社会問題の解決につながる。ここでは、具体的な例をあげて解説する。

生産者の貧困からの脱却

フェアトレード取引では、適正な価格で取引を継続するため、生産者は安定的な収入が得られるようになる。その結果、生産者の生活が安定し、貧困から抜け出すことができる。

児童労働の減少

フェアトレード商品には、格安で劣悪な労働条件で子どもを働かせてはいけないという条件がある。そのため、フェアトレード取引が活発化すれば、児童労働が減り、さらに利益が学校などの設備に回るようになれば、子どもたちが安定した教育を受けられるようになる。

質の高い商品の流通

フェアトレードによって生産者が安定な収入を得られるようになれば、得た利益を労働環境の改善や設備への投資、技術力の向上へつなげることができる。質の高い商品が流通するようになれば、消費者の満足度も上がり、さらに公正な取引が活発になっていくだろう。

SDGsの達成に寄与

フェアトレード商品を購入することで、現地の生産者や労働者の労働環境や生活が改善され、児童労働が減少し、質の高い商品が流通するようになる。これはSDGsの目標達成に寄与する。例えば、目標1「貧困をなくそう」、目標2「飢餓をゼロに」、目標8「働きがいも・経済成長も」、目標10「人や国の不平等をなくそう」、目標12「つくる責任・つかう責任」などが該当する。フェアトレード商品を購入することは、持続可能な社会の実現につながる一歩となる。

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認証マークがひとつの購入基準

フェアトレード商品であるかどうかは、製品に貼付されているラベルで確認することができる。代表的なものが「国際フェアトレードラベル機構」が発行する「国際フェアトレード認証」や「世界フェアトレード機関(WFTO)」が発行する「WFTO保証ラベル」などだ。

製品の原料が生産から完成品になるまでの各過程で定めた厳しい基準が守られていることを証明するものとして、国際的なフェアトレードスキームのシンボルとなっている。

国際フェアトレード認証ラベル(The FAIRTRADE Mark)

フェアトレード 認証マーク link

Photo by FAIRTRADE JAPAN

原料が生産されてから完成品になるまでの各工程で、国際フェアトレードラベル機構が定めた国際フェアトレード基準が守られていることを証明するラベル。世界的にもっとも認知されている倫理的ラベルの一つだ。農場から認証製品として出荷されるまで完全に追跡可能。コーヒーやバナナなど、認証原料100%からなる製品に表示される。「国際フェアトレード認証ラベル」には、以下の種類もある。

国際フェアトレード認証コットンラベル (The FAIRTRADE Cotton Mark)

製品が国際フェアトレード基準を守ったコットンでつくられていることを示すラベル。生産のすべての段階で物理的なトレースが可能で、非フェアトレード認証コットンと混合されることはない。また、コットン以外の繊維を含む混合繊維製品の場合、製品重量の50%以上(ユニフォーム、ワークウェアに限り30%以上)がコットンであることと、使用されるすべてのコットンが認証コットンである必要がある。

国際フェアトレード原料調達ラベル|FSIラベル(FAIRTRADE Sourced Ingredient Marks)

「国際フェアトレード原料調達ラベル」は、主に複合材料製品に使用される。ラベルの右側のタブに記載されている原料が、フェアトレードとして調達されていることを示している。例えば、タブに「SUGAR」と記載されたFSIラベルが貼付されている製品は、砂糖原料のみがフェアトレード認証原料であり、その他の原料は認証原料ではない。

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WFTO保証ラベル

WFTO保証ラベル link

Photo by 世界フェアトレード機関(WFTO)

1989年に世界中のフェアトレード組織が結成したネットワーク機関「世界フェアトレード機関(WFTO)」が発行するラベル。WFTOの指針を遵守した団体や組織が加盟することができ、「WFTOマーク」が与えられる。そして加盟が認められた団体・組織が製品に付けることができるのが「WFTO保証ラベル」だ。おもにアジア、アフリカ、中南米の生産者や欧米の支援団体が加盟しており、その数は世界70か国以上、355団体におよぶ。

そのほかのマーク

フェアトレードへの注目が高まるにつれ、国際フェアトレード認証に類似したシステムが他にも登場している。「フェア・フォー・ライフ」や「レインフォレスト・アライアンス」、「グッド・インサイド」などが代表的だ。

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コンビニで買えるフェアトレード商品

フェアトレード商品は、私たちの身近にあるコンビニでも購入することができる。実際にどのような商品が購入できるのか、紹介しよう。

セブン‐イレブン|セブンプレミアム 高カカオチョコレート カカオ73%

セブンプレミアム 高カカオチョコレート みらいデリ link

Photo by セブン‐イレブン

セブン‐イレブンでは、環境負荷の低減と安定的な生産を実現し、持続可能性が担保された原材料を採用した新シリーズ「みらいデリ」の商品開発に取り組んでいる。大豆やエンドウ豆などのプラントベース の"肉"を使用した商品や、天候に左右されない室内菜園「ベジタブルプラント」で育てた野菜を使った商品などだ。

環境配慮の取り組みを進めるセブン‐イレブンが扱うフェアトレード商品が「セブンプレミアム 高カカオチョコレート カカオ73%(40g)」。特定非営利法人フェアトレード・ラベル・ジャパンの認証を受けたカカオを使用した、一口サイズのチョコレートだ。

ローソン|冷やして食べるガトーショコラ

ローソン 冷やして食べるガトーショコラ フェアトレード link

Photo by ローソン

首都圏のナチュラルローソンでは、国際フェアトレード認証を取得したカカオを使用したオリジナル商品を取り扱っている。「冷やして食べるガトーショコラ」は、カカオ含有率55%のチョコレートを生地とコーティングに使用している。ご褒美やちょっとしたギフトにも喜ばれそう。

ローソン|バニラビーンズ タブレットショコラ

ローソン バニラビーンズ タブレットショコラ フェアトレード link

Photo by ローソン

ベルギーで100年以上続くチョコレートメーカーのチョコレートで、国際フェアトレード認証を取得したカカオを使用したタブレットショコラ。ビターはカカオ含有率70%で、カカオ本来の風味を味わうことができる。

ファミリーマート|ピーカンナッツチョコ

ファミリーマート ピーカンナッツチョコ ココアホライズン認証 link

Photo by ファミリーマート

こちらはフェアトレード商品ではないが、カカオ生産者の自立とコミュニティの構築、子どもたちや自然の保護を目的とした「ココアホライズン財団」が運営する「ココアホライズン認証カカオ」を100%使用。このシリーズを購入することで、消費者はカカオ生産者を支援し、地球環境の保護や児童労働の減少に貢献することができる。

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身近なお店で買えるフェアトレード商品

コンビニ以外にも、スーパーや量販店で買えるフェアトレード商品を紹介する。

成城石井|小川珈琲 有機珈琲フェアトレードモカブレンド粉160g

小川珈琲 有機珈琲フェアトレードモカブレンド粉160gの画像 link

Photo by 成城石井

小川珈琲は、2001年に京都工場で有機JAS認証を取得し、2003年には国際フェアトレード認証ラベル商品の製造ライセンスを取得。2004年から国際フェアトレード認証コーヒーの販売を開始。有機コーヒーの販売を通して、持続可能なコーヒー栽培の環境づくりにも取り組んでいる。「一杯のコーヒーからできること」を体現した「小川珈琲店 有機珈琲シリーズ」のモカブレンドは、フルーティーな香りと爽やかな味わいが特徴だ。

イオン|フェアトレード紅茶 ダージリン

フェアトレード紅茶 ダージリン link

Photo by トップバリュー

トップバリューは、フェアトレード・ラベル・ジャパンと連携し、国内でのフェアトレードの普及や生産者の支援、監査などに積極的に取り組んでいる。フェアトレード認証を取得した、ヒマラヤ山麓で育んだダージリンは、程よい渋みと爽やかな香りが特徴。

KALDI|ウーマンズハンド フェアトレードブレンド ダークロースト200g

ウーマンズハンド フェアトレードブレンド ダークロースト200g link

Photo by KALDI

KALDIでは国際フェアトレード認証コーヒーを扱っている。こちらはグアテマラの女性たちの手によって育てられた、ウーマンズハンドコーヒーを配合した深煎りのブレンド。「ウーマンズハンド」とは、女性の自立支援や社会的地位の向上、経済的環境の改善を目的につくられた認証のこと。収益の一部は、奨学金制度や生活環境改善など、女性たちの自立支援に活用される。

KALDI|フェアトレードチョコレート ダーク80%

フェアトレードチョコレート ダーク80% link

Photo by KALDI

ガーナ・クワベナアクア村のフェアトレードカカオ豆を使用したフェアトレードチョコレート。原材料のカカオマス(一部を除く)とココアバターは、国際フェアトレード基準を遵守して取引されている。余分な油脂分を加えず、ココアバターだけを使ったカカオ分80%で、カカオ本来の豊かな味わいが楽しめる。

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身近なコンビニから、フェアトレード商品を選択してみよう

コーヒーやチョコレートなど、わたしたちの生活に欠かせないさまざまな商品の背景には生産国での劣悪な労働環境や低賃金など多くの問題が存在する。フェアトレード商品を選択することは、発展途上国の生産者や労働者の生活改善や自立支援につながり、結果として社会問題の解決に寄与する。身近なコンビニやスーパーでもフェアトレード商品を見つけることができるので、立ち寄った際にはフェアトレード商品を手にとってみてはいかがだろうか。

※掲載している情報は、2024年7月20日時点のものです。

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