エシカル食品って何? 「おすすめブランド&通販サイト」7つ

エシカル食品(エシカルフード)とは、環境や社会に配慮した食品のこと。無農薬、有機栽培で育てられた野菜やフェアトレード食品、食品ロスを減らすアップサイクル食品など。エシカル食品を選ぶ際、目印となる認証のほか、おすすめオンラインショップ・通販・ブランド・実店舗を紹介する。

ELEMINIST Editor

エレミニスト編集部

日本をはじめ、世界中から厳選された最新のサステナブルな情報をエレミニスト独自の目線からお届けします。エシカル&ミニマルな暮らしと消費、サステナブルな生き方をガイドします。

2022.05.12
LIFESTYLE
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目次

エシカル食品とは? 注目される背景

SDGsが普及し、注目度がさらに高まるエシカル食品

Photo by Rasa Kasparaviciene on Unsplash

インスタントな食文化が当たり前となった一方、膨大な量の食品ロスが日々生まれ、品質を均一にするために過剰に使われる農薬が生産者や土地に影響を与え、肉食文化の過剰拡大により、森林が破壊される……。

一方、SDGsが浸透したことで、人々のエシカル食品に対する意識が高まりつつある。エシカルとは、直訳すると「倫理的な」という意味。エシカル食品を選択することで、人や地球環境にやさしい社会を目指そうというムーブメントが広まってきているのだ。

エシカルとはどんな意味? 関連する言葉の定義を簡単に解説

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ではエシカルな食品(エシカルフード)とはどのようなものか。それを定義づける基準として、以下のようなポイントがあげられる。

■材料がシンプル
・素材の味を活かし、過剰な甘味料、着色料、香料、保存料などの食品添加物の使用は極力控える

■オーガニック・無農薬などこだわりの原材料
・無農薬、オーガニック製法でつくられた原料を使用
・リジェネラティブ農業、不耕起栽培など、生物多様性に配慮してつくられた原料を使用

■食品ロス削減につながる食品
・従来は処分されていた規格外の野菜など
・アップサイクルされた原料を使用した食品

■アニマルウェルフェアに配慮された食品
・家畜がストレスや苦痛のない環境で健康的に育てられている

■フェアトレードな原材料・食品
・途上国の生産者と先進国の消費者が対等であり、適切な価格や条件で取引されている

■CO2削減の取り組み
・生産、加工、梱包、輸送まで消費者の手にわたる過程で二酸化炭素を極力出さない

■旬のもの・地のもの
・その土地でつくられ、季節に旬を迎える食品を選ぶ

このようにエシカル食品と言ってもさまざまな視点がある。そのなかで「自分が大切にしたいポイント」を明確にして食材を選べば、いつもの買い物よりもっと満足感を得られるはずだ。

エシカル食品を選ぶ目印 5つの認証ラベル

エシカル食品のポイントがわかったところで、毎日の買い物では目印があるとわかりやすいはず。そんなときに参考にしたい目印として、次の5つの認証マークを紹介しよう。

有機JASマーク

農薬や化学合成肥料、遺伝子組み換え技術を使用していない有機農産物や有機畜産物であることを証明する日本の制度。「有機JASマークが貼付されたもののみが、「有機」「オーガニック」と表示できる。

国際フェアトレード認証

開発途上国の原料や製品が、公平な条件で取引されているかなどを認証する「国際フェアトレード認証」。労働者に対する適切な賃金の支払いや、児童労働・強制労働の禁止など、生産から輸出入、製造過程で関わるすべての組織に対し、厳しく審査を行う。

レインフォレスト・アライアンス

森林、天然資源や生物多様性の保全、生産者と農園労働者の生活水準の向上や人権保護など、より持続可能な方法で運営されている農園が取得できる「レインフォレスト・アライアンス認証」。この認証マークがついた製品には、コーヒー、紅茶、緑茶、バナナ、チョコレートなどがある。

MSC「海のエコラベル」

MSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)とは、世界の水産資源を回復させ、将来の世代まで残していくために活動する国際的な非営利団体。MSC「海のエコラベル」は、水産資源と環境に配慮し適切に管理された、持続可能な漁業で獲られた水産物にのみ付けられる認証マークだ。

ASC認証

ASC認証」とはAquaculture Stewardship Council(水産養殖管理協議会)という国際的な非営利団体が、養殖水産物を守るために運営する認証制度。海の環境や生態系へ負担をかけることなく、また地域社会に配慮して生産された養殖水産物であることを示す。

サステナブル&エシカルな25のマーク一覧 エシカル消費に役立つラベルの意味を知ろう

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おすすめ通販・オンラインショップ

エシカルフードに興味が出たら、まずは気軽に試してみよう。日本や世界各地から厳選したエシカルフードが見つけられるオンラインショップを活用すれば、いつもの食卓がより豊かになるはずだ。

アリサン(Alishan)

「アリサン(Alishan)」の創業者は、1980年代にアメリカと日本を行き来していたジャック&フェイ夫婦。当時珍しかったオーガニックな食材を欧米から持ち帰っては隣人にお裾分けしたことをきっかけに、宅配業をスタート。現在は埼玉県を拠点に、世界中からオーガニック、ベジタリアン、サステナブルな食材を集めて販売する。グラノーラなどオリジナル商品も展開。

取り扱い商品

食品缶詰・乾物・ベジミート/ベーカリー/パスタ・麺/調味料/ハーブ・スパイス/雑穀/乳製品/豆乳・米乳/飲み物/菓子/製菓材料
その他生活雑貨/ボディケア製品

認証商品の取り扱い

有機JASマーク
国際フェアトレード認証
レインフォレスト・アライアンス

ビオセボン(Bio c' Bon)

欧州で140店舗以上を運営するフランス・パリ発のオーガニック・スーパーマーケットの「ビオセボン」。「ビオ」はフランス語でオーガニック(有機)、「ボン」はおいしいの意味で、「オーガニックっていいね」という想いが込められている。

ふだんの食事に気軽に取り入れられる“日常使いのオーガニック”をコンセプトに掲げ、幅広い商品を取り揃える。オンラインストアのほか、2016年には麻布十番に日本初上陸1号店をオープンし、東京と神奈川に実店舗も展開している。

取り扱い商品

食品野菜/果物/肉類/魚介類/牛乳・卵・乳製品/米・餅・雑穀/パスタ・麺類/シリアル/調味料/デリ/コーヒー・紅茶・茶/ワイン・酒/ヴィーガン食品/直輸入品/ベビーフード
その他コスメ/ボディケア・スキンケア・オーラルケア/ペットフード・ペット用品/洗剤/ベビー服・育児グッズ

認証商品の取り扱い

有機JASマーク
国際フェアトレード認証
レインフォレスト・アライアンス
MSC「海のエコラベル」
ASC認証

おすすめブランド

ユニークな発想のアップサイクル食品や、多様な価値観にフィットする新たな食を提案するブランドも増えてきている。なかでもサステナブルな取り組みだけに終わらず、おいしさも徹底して追求する2ブランドに注目したい。

GOOD NATURE MARKET(旧「SIZEN TO OZEN」)

2019年にオープンした京都の商業施設、GOOD NATURE STATIONのオリジナルブランド「GOOD NATURE MARKET」(旧ブランド名は SIZEN TO OZEN)」。「豊かな食の未来を創造する」をコンセプトに“おいしいの新しい価値” を提案する。

とくに力を入れているのが、カカオハスク(カカオ豆の外皮)をアップサイクルしたオリジナルシリーズ「GOOD CACAO」。カカオ豆のロースト工程で出るものの、ほとんど活用されずに廃棄されているカカオハスクを活用。有機茶葉とブレンドした「カカオティー」や、コーヒー豆とブレンドした「カカオコーヒー」などを展開。カカオハスクならではの「旨味」を利かせた調味料やカレーなども人気だ。

同ブランドのアイテムは、GOOD NATURE STATION内のマーケットで販売されているほか、ELEMINIST SHOP』からオンラインで購入できる

取り扱い商品

食品飲み物(カカオコーヒー・カカオティー・カカオ生コーラ・カカオチャイほうじ茶等)/調味料(旨味だし醤油・旨味京だし・旨味塩・旨味塩山椒・旨味京レモンぽん酢等)/シロップ/カレー/ジャム/混ぜごはんの素

認証商品の取り扱い

※「カカオティー」と「カカオチャイほうじ茶」は有機認証茶葉を使用、「カカオティー」「カカオチャイほうじ茶」「カカオコーヒー」のカカオは、コスタリカのファインカカオを使用している。

ZEN icecream(ゼン アイスクリーム)

添加物や動物由来の乳製品を一切使わない、100%プラントベースでつくられたサステナブルな日本発のヴィーガンアイスクリームブランド「ZEN icecream(ゼン アイスクリーム)」。国内で製造された豆乳や日本伝統の和三盆を使用したローカロリーかつ豊富なたんぱく質を含むアイスクリームは、やさしい甘味がありながらヘルシーに味わえる。

フレーバーは、京都でオーガニック栽培された茶葉を使用した抹茶、豆乳とバニラビーンズの香りがミックスしたソイミルク、濃厚なごまの香りを楽しめる黒ごまの3種。

取り扱い商品

食品ヴィーガンアイスクリーム(フレーバー3種)

認証商品の取り扱い

※フェアトレード認証を取得した素材を使用することを目標としている。

おすすめ実店舗

エシカルな食品を実際に手にとり、買い物できる実店舗を紹介しよう。ここで紹介する店舗はいずれも関東圏だが、他の地域にも同じように自然との調和を大切にし、地域ならではの食材を扱うお店もあるはず。そのような店舗に足を運び買い物することも、大切な選択肢として覚えておこう。

ナチュラルハウス

「ナチュラルハウス」では、工業化や効率化に頼るものづくりをしない子供たちが安心して暮らせる未来のために、1982年より真のオーガニック商品を消費者に届けることで、自然・生態系・社会の調和をはかり、サステナブルな社会の実現を目指している。

産地や栽培方法がわかる有機農産物を中心に、国産原料を優先的に揃えている。また市場では規格外とされる農産物や、日本古来から続く伝統製法でつくられた調味料なども展開。ベジタリアンやマクロビオティックなど「あらゆる食文化」のニーズに応える。店舗は東京のほか、大阪・兵庫・静岡にもある。

取り扱い商品

食品野菜/果物/精肉/水産加工品/調味料/パン/菓子/惣菜/酒類/ベビー食品
その他コスメ/スキンケア/ボディ・ヘアケア/雑貨/ペットグッズ/ガーデニンググッズ

認証商品の取り扱い

有機JASマーク
国際フェアトレード認証
レインフォレスト・アライアンス

※ASC認証商品は、取り扱いに向けて準備中。

自然食品 F&F

安心安全でおいしいをコンセプトにした「自然食品 F&F」は、一都三県を中心に展開する食のセレクトショップ。200軒以上におよぶ全国各地の農家と契約し、農薬や化学肥料を極力使わずに育てた野菜を産地直送で仕入れている。米は収穫から袋詰めまで単一農家が一貫して行ったシングルオリジンだ。

また食品添加物を使用しない無添加食品は、原材料も国産のものを厳選。国産原材料がない場合は、オーガニックの海外産物を優先して使用するなど徹底したこだわりを見せる。さらにグループ内の工場で製造するグルテンフリー米粉パンや、弁当・惣菜、スイーツなども扱っている。

取り扱い商品

食品産地直送野菜/肉・肉加工品/魚介・水産加工品/米・雑穀・パン/調味料/乳製品/弁当/惣菜/菓子/冷凍食品/ドリンク/レトルト食品/健康食品/
その他ペットフード/食器・調理器具/ヘルスケアグッズ

認証商品の取り扱い

有機JASマーク
国際フェアトレード認証
レインフォレスト・アライアンス

FOOD&COMPANY(フードアンドカンパニー)

東京都の学芸大学、新宿、代官山、神奈川県湘南に店舗を構えるグローサリーショップ「FOOD&COMPANY(フードアンドカンパニー)」。ポートランドなどサステナブルな暮らしを実践する地域で使われる「F.L.O.S.S.(Fresh, Local, Organic, Seasonal, Sustainableの頭文字)」という独自のガイドラインをもとに、食品をセレクトして販売している。

新鮮なオーガニック野菜やこだわりの食材を通じ、人や自然と丁寧に向き合う食のあり方を提案している。さまざまな認証商品を取り扱っているが、認証制度にとらわれすぎず、作り手との信頼関係を第一に考えている姿勢も特徴的だ。

取り扱い商品

食品青果/調味料/パスタ・麺類/米・餅・雑穀/ヴィーガン・プラントベース食品/缶詰/ジャム・はちみつ/菓子/茶・コーヒー/飲料・植物性ミルク/離乳食
その他キッチン雑貨

認証商品の取り扱い

有機JASマーク
国際フェアトレード認証
レインフォレスト・アライアンス
MSC「海のエコラベル」
ASC認証

※時期や店舗によって、取り扱いは異なります。

おいしい食体験を通じて 生産者と自然を守ろう

エシカル食品(エシカルフード)を取り入れてサステナブルな生活を送ろう

Photo by Debby Hudson on Unsplash

人にも自然にもやさしく、サステナブルな方法でつくられたエシカル食品。その魅力を理解していただけただろう。一方で効率性を求めて大量生産されたものと違い、少量を手間ひまかけて生産することが多いエシカルフードは、市場価格より少し高いという消費者デメリットもある。

「少しハードルが高いかも……」と感じたら、まずは4回の買い物のうち1回をエシカル食品に変えてみるなど、少しずつエシカルフードを取り入れてみてはどうだろう。無理する必要はなく、少しでもエシカルな食体験を継続することで、生産者や自然のサポートにつながっていくはずだ。

※掲載している情報は、2022年5月12日時点のものです。

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