マイノリティとマジョリティの意味とその違い 身近な5つの事例を知る

huang minggui

Photo by 坂をくだる少数民族の女性

マイノリティ・マジョリティという言葉の意味や使い方を解説する。近年耳にする機会の増えているキーワードだからこそ、正しく把握しておこう。言葉の意味だけではなく、我々の身近に潜むマイノリティ問題の具体例まで、わかりやすく解説する。

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2021.12.21

マイノリティ(minority)とは

Masaaki Komori on Unsplash

Photo by 壁際に咲く一輪の赤い花

「マイノリティ(minority)」とは、「少数者」や「少数派」を表す言葉だ。minorityという単語のなかに含まれる「minor」という言葉には、「あまり重要ではない」「たいしたことがない」という意味がある。

人にはそれぞれ、さまざまな特徴が備わっている。人が集まって社会という集団をつくり出したとき、この特徴を手がかりにグループ分けされるケースは多いものだ。グループの人数に偏りが生じるのは、そう珍しいことではない。

ただ、少数派が常にマイノリティというわけではない。「minor」という言葉の意味からもわかるとおり、マイノリティという言葉が示しているのは、「社会的に重要ではない」「たいしたことがない」と判断されがちな少数派である。

そのように判断された人々がさらに人数が少ないことによって、不当な扱いを受けたり、不利益を被っていたりするのが、マイノリティの特徴だ。

マジョリティ(majority)との違い

一方でマジョリティとは、マイノリティの反対語。つまり「多数者」や「多数派」を示している。語源は「majority」という英単語で、「major」という単語と密接に関わっている。

majorの意味は「主要な」「より重要な」であり、多数派であるために、社会的に重要視されやすいグループを指す。

マイノリティとマジョリティに関する問題は、非常に古い時代から始まって、いまも根強く残っている。近年、性的マイノリティに注目が集まっているのも、この問題の根深さゆえと言えるだろう。また、人種差別や障害者差別にも、マイノリティの問題は深く関わっている。

言葉の使い方と類語

マイノリティとマジョリティという2つの言葉は、セットで使われるものだ。マイノリティが存在する裏には、必ずマジョリティが存在している。逆もまたしかりである。そして、自分がどちらに所属しているのかという判断は、自分の置かれた状況や環境によって大きく異なるだろう。

日本人が日本で暮らしていれば、その人は圧倒的なマジョリティだ。しかし、その人が海外で暮らすようになれば、世界での日本人の数は約78億分の1億に過ぎないから、その人自身は何も変わらなくても、瞬時にマイノリティへと変化するのだ。また、分類の元になる特徴などによっても、マイノリティになるかどうかは変わってくるだろう。

このため、とくにマイノリティという言葉は、それを修飾する言葉とセットで使うケースが多く見られる。どういった側面でマイノリティと判断されているのかを、よりわかりやすく伝えるためだ。マイノリティという言葉がセットで使われている例は、以下のとおりである。

社会的マイノリティ

さまざまな視点で、社会的にマイノリティと判断される人々を表す。地域における外国人居住者のほか、学校における外国人留学生などであるが、障害を持つ人々や少数民族を示す場合もある。

セクシャルマイノリティ

社会的マイノリティのなかでも、とくに性的指向や性自認などに関して少数派となるのが、セクシャルマイノリティ(性的少数者)である。LGBTQとも言われる。

マイノリティもマジョリティも、私たちの生活に身近な言葉と言えるだろう。より深く理解するため、次項目では、マイノリティとマジョリティの具体例について解説していく。

マイノリティとマジョリティの身近な具体例

たがい違いにテーブルの上に出された手

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マイノリティとマジョリティは、社会や生活のさまざまな場面に存在している。5つの具体例を紹介するので、ぜひこれらを意識してみてほしい。

右利きと左利き

右利きの人と比較して、左利きの人は圧倒的に数が少ない。「左利きはスポーツ界で有利」と言われるのは、その絶対数が少なく、左利き選手の攻略が難しいためだ。つまり、右利きがマジョリティである社会において、左利きはマイノリティである。

はさみやお玉、ドアノブなど、身近な生活用品のなかには、右利き用につくられた道具が多い。また、子ども時代に習う「漢字の書き順」や「書道のとめ、はね」も、書き手が右利きであることを前提にしたものだ。右利き用の社会の仕組みやアイテムによって、不便な思いをしている左利きは多い。

健常者と障害を持つ人々

厚生労働省が発表したデータによると、平成28年時点での日本における障害者の数は936.6万人。数字だけを見ると、決して少ないようには見えないが、全人口に占める割合は7.4%相当で、障害者はマイノリティと言える。

世の中の仕組みや設備は、障害を持たない健康な人々を前提にしてつくられているものがほとんどである。階段しかない公共施設や、車椅子では危険な道路など、まだまだ障害者にとって不便なものが多い現状である。(※1)

ミライロ・リサーチによる調査でも、肢体不自由者、視覚障害者、聴覚障害者のそれぞれが「公共交通機関の不便さ・利用しにくさ」を暮らしで感じる困りごとの多数を占めることがわかった。(※2)

異性愛者と同性愛者

セクシャルマイノリティの一種である同性愛者。「異性愛が当たり前」と考えるマジョリティの中で、根深い差別や偏見の目にさらされがちだ。

株式会社LGBT総合研究所が2019年に行った調査によると、LGBTと呼ばれる性的少数者の割合は全体の10.0%。周囲からの誤解や差別を恐れ、カミングアウトできずに悩みを抱える人も多い。(※3)

また職場環境では、「プライベートの話がしづらい」「自認する性別とは異なる性別で振る舞わなければいけない」「健康診断を受けづらい」といった働きにくさに直面している。(※4)

大和民族とアイヌ民族

社会的マイノリティは、人種問題と深く関わっているケースが多い。日本にも人種差別問題は存在していて、その一つが北海道の先住民族であるアイヌ民族の問題だ。

北海道が実施した「北海道アイヌ生活実態調査」によると、平成29年11月時点でのアイヌ民族の数は13,118人。彼らには生活のさまざまな面で、多くの格差がいまなお残されている。(※5)

両親の一方の国籍が外国籍の子ども

両親のうち、どちらか一方が外国人の子どもは、いわゆる「ハーフ(ミックス)」と呼ばれている。厚生労働省のデータによると、平成21年の「父母とも日本人」の子どもの出生数は、1,047,524人。一方で、「父母の一方が外国籍」の子どもの出生数は22,511人であった。

ハーフの子どもたちは、日本の社会だけではなく、世界的に見てもマイノリティとして扱われやすい。各種メディアの影響により、ハーフならではの特徴が注目される機会は多い。一方で、周囲の人々の無理解やステレオタイプに苦しむハーフが多いのも現状だ。(※6)

マイノリティ問題解決に必要なのは、マジョリティの理解

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多数派であるマジョリティは、気付かないうちに、マジョリティによるマジョリティのための社会づくりを進めてしまうことがある。そこに差別意識がなくとも、マジョリティだけの「特権」を得やすいという環境があるのだ。

世界にはさまざまなマイノリティに関する問題があふれており、解決までの道のりは平坦ではない。しかし、マジョリティ側がマイノリティの抱える問題に目を向け、それらを理解することが、解決に向けた第一歩となるだろう。

自分がマジョリティに所属しているとき、人は自身の「特権」に無頓着である。自分自身が持つ「特権」について、あらためて考えてみるといいだろう。

※掲載している情報は、2021年12月21日時点のものです。

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