シスジェンダーとは 多様性に富んだ性的志向を知る

Photo by ハートに切り抜かれた黒い紙を手渡す手

シスジェンダーは、トランスジェンダーと比較して耳慣れない言葉だ。どのような意味なのか、あらためて確認しておこう。シスジェンダーやセクシュアリティに関連する言葉とその意味を、わかりやすく解説。セクシュアルマイノリティに対する認識を深めよう。

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2021.05.31

シスジェンダーとは

ベッドに手を添わせる二人の人の手

Photo by Sharon McCutcheon on Unsplash

シスジェンダーとは、自分自身が認識している「心の性」と、生まれ持った「体の性」が一致している人を指す言葉である。自分自身を「男」だと認識しており、さらに生まれ持った性別も「男」である場合に、その人は「シスジェンダー男性」だ。同様に、「心の性」と「体の性」がともに「女性」である場合、その人は「シスジェンダー女性」となる。

シスジェンダーの対義語は、トランスジェンダーである。トランスジェンダーという言葉を耳にした経験はあっても、「シスジェンダーは聞いたことがない」と感じる人も多いのではないだろうか?それは、シスジェンダーが多数派を占める言葉であるためだ。

シスジェンダーという言葉は、トランスジェンダーとセットで生まれた。「トランスジェンダー」だけに特別な言葉を当てはめれば、その裏で、新たな差別が生まれかねないからだ。

たとえば、「トランスジェンダー」の対義語を「ノーマル」と表すのは危険である。非トランスジェンダーがノーマルなら、トランスジェンダーはアブノーマルと判断されかねないだろう。だからこそ必要とされたのが、マジョリティを示すための言葉であり、生み出されたのが「シスジェンダー」という言葉である。

ちなみに「シス」とは、ラテン語で「こちら側にものが集まっている状態」という意味の言葉である。対義語は「トランス」であり、同じくラテン語で「乗り越えて移動している状態」を示している。

現代社会においては、マイノリティであるトランスジェンダーに注目が集まりやすく、シスジェンダーという言葉を知らなくても、とくに問題はないかもしれない。実際に、トランスジェンダーの対義語として「非トランスジェンダー」という言葉を見かけることもあるだろう。

しかし、ジェンダーとそれに関わる問題をより深く認識するためには、トランスジェンダーを理解するだけでは不十分である。対義語としてのシスジェンダーにも、しっかりと目を向ける必要があるだろう。

しかし、ジェンダーとそれに関わる問題をより深く認識するためには、トランスジェンダーを理解するだけでは不十分である。対義語としてのシスジェンダーにも、しっかりと目を向ける必要があるだろう。

シスジェンダーの多様性に富んだ性的指向

先ほど解説したとおり、シスジェンダーとは「生まれたときに割り当てられた性」と「心の性(性自認)」が一致している人のことだ。しかし、シスジェンダー男性・シスジェンダー女性だからといって、その性的趣向が必ずしも「異性」に向かうわけではない。同じシスジェンダーでも、その性的指向はさまざまだ。

・シスジェンダーであり、異性のみが恋愛対象になる人(シスジェンダーでヘテロセクシュアル)
・シスジェンダーであり、同性のみが恋愛対象になる人(シスジェンダーでゲイ、もしくはシスジェンダーでレズビアン)
・シスジェンダーであり、同性、異性の両方が恋愛対象になる人(シスジェンダーでバイセクシュアル)
・シスジェンダーであり、どちらも恋愛対象にならない人(シスジェンダーでアセクシュアル)

性自認と性的指向は、全く別の要素を示す言葉であり、シスジェンダーにも多様性がある。

セクシュアリティに関する言葉と意味

セクシュアルマイノリティに対する関心が高まるにつれて、世界的に、ジェンダー平等・セクシュアルマイノリティに属する人々の尊重が叫ばれている。自分自身が考え、その立場を決定するために必要なのは、正しい知識だ。時代の流れに対応するため、セクシュアリティに関連する言葉と意味を知っておこう。

そもそもセクシュアリティとは

セクシュアリティという言葉を耳にする機会は多くても、そもそもの意味をよく知らない…という方も多いのではないだろうか。実はセクシュアリティという言葉に、明確な定義はないとされている。

性自認や性的指向、身体的性別など、幅広く「性」に関わることを、セクシュアリティと言う。人間の性のあり方を示す言葉として、用いられるケースも多い。

身体的性別・性自認・性的趣向とは

身体的性別とは、生まれたときに割り当てられた性のことを言う。一方で性自認は、自分自身の性をどう認識しているのかを指している。性的指向は、どのような性を恋愛対象にするのかによって定義される。

これら3つの要素に、「性表現」(自分がどのような性に見られたいのか、その表現方法)を加えて、自身のセクシュアリティが決定される。

ジェンダー・ジェンダーフリーとは

ジェンダーとは、社会的・文化的な観点による男女の性差を指す言葉だ。主に身体的性別によって「男性だからこうあるべき」「女性だからこうあるべき」と、社会的な役割を与えられたり、差が生まれたりするケースも少なくない。このような、ジェンダーによる差別を撤廃するために生まれたのが、ジェンダーフリーやジェンダー平等に向けた取り組みである。

1990年代から注目されたジェンダーフリーだが、本来の意味である「ジェンダー差別からの解放」ではなく、「性差そのものからの解放」を目指すものとして、誤解される場面もあった。ジェンダーフリーの本来の意味を伝え、より積極的な取り組みを行うために使われるようになったのが、

ジェンダー平等という言葉である。ジェンダー平等は、SDGsの一つとしても掲げられている。2030年に向けて、日本および世界において、さらなる取り組みが期待されている。(※1)

※掲載している情報は、2021年5月31日時点のものです。

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