LGBTQIAとは? 意味とセクシャルマイノリティの多様化を解説

ジェンダーを象徴するレインボーの旗

「LGBTQIA」とは、同性愛者や両性愛者、トランスジェンダーなどを指すセクシャルマイノリティの総称。LGBTに代わって、「QIA(クィア)」を頭文字に持つセクシュアリティが含まれる、より多様性を表現した言葉である。詳しい意味やセクシャリティを表す他の言葉について紹介する。

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2023.01.19
SOCIETY
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目次

セクシャルマイノリティ(性的少数者)とは その人数と割合

「セクシャルマイノリティ」とは、同性愛者や両性愛者、トランスジェンダー、性同一性障害など、性のあり方が少数派であることを意味する言葉。日本語に訳すと性的少数者で、ジェンダーマイノリティやLGBTなどとも言われる。

LGBTとは

LGBTは、Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、Gay(ゲイ、男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー、性自認が出生時に割り当てられた性別とは異なる人)の頭文字を取ったもの。性的マイノリティ(性的少数者)を表す総称のひとつとして、使われる。

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セクシュアリティを決める4つの要素

性別の種類は、男女の2種類だけではない。セクシュアリティを決める要素は大きく次の4つがあると言われ、組み合わせによって多様な性のあり方が存在する。

1. 身体的性(Sex)

2. 性自認(Gender Identity)

3. 性的指向(Sexual Orientation)

4. 性表現(Gender Expression)

セクシャルマイノリティの割合は?

アメリカで世論調査を行うギャラップ社の調査によると、同国においてLGBTと自認している成人の割合は、2021年で5.6%。2017年調査の4.5%から、およそ1ポイントの増加となった(※1)。

日本では2020年、電通ダイバーシティ・ラボが、全国20から59歳の6万人に調査を実施。それによると、LGBTQ+層に該当すると回答した人は、全体の8.9%だった(※2)。つまり、およそ10人に1人がジェンダーマイノリティということになる。

「LGBTQ」「LGBTQIA」とは? 意味と類似する言葉

子どもと三人の女性

Photo by Sharon McCutcheon on Unsplash

これまで、セクシャルマイノリティを表す言葉として「LGBT」が使われてきた。だが昨今は、L・G・B・Tに加えて、「Q」「I」「A」も使った「LGBTQ」や「LGBTQIA」という呼び方が広まっている。

「Q」「クィア」とは?

「Q」は、自分の性別や性的指向を決められず迷っている状態の「クエスチョニング」を表す。または「風変わりな」を意味する「クィア(Queer)」の意味もある。これは、肯定的な意味でとらえられている。

多様性を内包するLGBTQIA

これまでは、セクシュアルマイノリティを表す総称として、LGBT(エルジービーティー)という言葉が多く用いられてきた。上述したとおり、LGBTはレズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーの頭文字を取ったもの。

しかし、この4つに当てはまらない性的少数者を内包する呼称として、LGBTに代わって近年広まっているのが「LGBTQIA」だ。LGBTだけではなく、「QIA」を頭文字に持つセクシュアリティが含まれ、より多様性を表現した言葉である。

「LGBTQ」や「LGBTQ+」の意味は?

前述したようにセクシュアリティは多様であり、LGBTがそれらを包括をしているわけではない。アメリカではLGBTに代わって、主にLGBTQが用いられているという。

また、男女どちらにも恋愛感情を抱かない人や自分自身の性を決めていない、あるいはわからない人など、性の多様化が起こっており、さらに広がりを持たせるためにさまざまな言葉が生まれいる。また、LGBTQIAの最後に「+」を添えたLGBTQIA+という表現もあり、これは「その他にも多様なセクシュアリティが存在する」ことを意味するために使われている。

LGBTQIAの種類

頭文字意味
L
レズビアン
体と心の性別は女性で、性的指向も女性である人。
G
ゲイ
体と心の性別は男性で、性的指向も男性である人。
B
バイセクシュアル
体と心の性別を問わず、性的指向が両性である人。
T
トランスジェンダー
体の性別と心の性別が一致しない人。
Q
クエスチョニングorクィア
クエスチョニングとは、自分の性別や性的指向を決められない、迷っている状態の人。一方のクィアはもともと、同性愛者などに向けて「風変わり」という意味合いで用いられていたが、現在はそれを肯定的に捉えた言葉として当事者によって使われている。同性愛者になる過程のセクシュアリティという見方もある。
I
インターセックス
※ 後述
A
アセクシュアル
無性愛者。同性だけでなく異性に対して恋愛感情を抱かない、性的指向が誰にも向いていないセクシュアリティとされている。

「I(インターセックス)」は体の状態を指すもので、現在では「DSDs:体の性のさまざまな発達」と呼ばれている。

じつは一般社会だけでなく、LGBTQ等性的マイノリティの方々や支援者のなかでも、DSDsに対する誤解や偏見はいまだ大きい。「男でも女でもない」「中間」「両方の特徴」という認識が根強くあるのだ。

一般社会がLGBTQ等性的マイノリティへの偏見・誤解を持っていた20年前と同様に、DSDsに対してLGBTQの方々自身が誤解や偏見を持っている状況と同じといえる。

DSDsとは、「体の性の発達が、一般的な発達とは生まれつき一部異なる女性・男性の体の状態」 「男性にも女性にも、それぞれさまざまな体のつくりがある」ということだ。LGBTQAなど性的マイノリティの方々や、性自認・性的指向の多様性とも異なるものだということがわかっている。

DSDsは生殖器という極めて私的で繊細な領域に関わり、とてもプライベートでセンシティブな領域に関わる話だ。誤った認識はDSDsの当事者・家族のみなさんを深く傷つける恐れがあるため、正確な知識の普及が必要とされている(※3)。

LGBTQ等性的マイノリティの皆さんとDSDsの人々との関係

Photo by ネクスDSDジャパン

その他のセクシャルマイノリティの種類

LGBTQIAに含まれない性的少数者を表す言葉として、次のようなものもある。

LGBTQIAPK

LGBTQIAに続いて、「PK」が加えられた言葉。「P:パンセクシュアル」は、男女の性別にとらわれず、すべての性を愛する「全性愛」を意味するセクシュアリティ。「K:キンキー」は、他とは違った特殊な性的嗜好を持つとされている。

Xジェンダー

Xジェンダーとは、自らを男女の性に定義することに違和感を感じている人のこと。中性や両性、またはあえて決めていない無性など、Xジェンダーといっても人によってさまざまだ。

アンドロセクシュアル/ジニセクシュアル

アンドロセクシュアルは、性自認に関わらず性的指向が男性に向く人。ジニセクシュアルとは、性自認に関わらず性的指向が女性に向く人を指す。例えば、Xジェンダーなどを自認する人が、どの性を好きになるか示す際に用いられる。

トゥースピリット

ネイティブアメリカンの文化に由来した概念で、コミュニティによって複数の性役割を果たす人。

SOGI(ソジ)

「Sexual Orientation and Gender Identity」の頭文字を取った、「性的指向および性自認」を表す概念。LGBTでは、「マジョリティとマイノリティ」といった分断をつくっており、加えてレズビアンやゲイなどの性的指向と、トランスジェンダーなどの性自認の違いが一緒くたにされがちだ。

そこで性のあり方を表現する際、すべてのセクシャリティを含む概念して使われている言葉がSOGIだ。

パンセクシュアル

「パン(pan)」は、ギリシャ語で「すべて」のこと。パンセクシュアルは、あらゆる人が恋愛対象になる全性愛者を指す。

アライ

「アライ(Ally)」とは、セクシュアルマイノリティに対して共感し、支援する人々のこと。英語で「ally」は、同盟や仲間という意味があり、セクシュアルマイノリティを差別せず、一緒に積極的に活動する人を言う。

セクシャルマイノリティにまつわる問題

セクシャルマイノリティにかかわる問題はまだまだ数多くある。教育現場では、性的指向がほかの人と違うことで「おかしい」「気持ち悪い」といった言葉が投げかけられ、いじめに発展することもある。

また職場で性的指向や性自認によって、就職の道が閉ざされたり、職場で居づらくなったりすることも考えられる。さらに、戸籍やパスポートなどの公的書類で、性別の記載が求められて違和感を覚えるといったケースもあるだろう。

近年は、このような実態に対して理解する人も出てきているが、そうではない人もいるのが現状だ。同性婚を認めない国や地域も数多く、同性間での結婚などを罰する地域すら存在する。

多様性が求められる社会の現状と今後

レインボーの旗を掲げた群衆

Photo by Margaux Bellott on Unsplash

今回紹介したLGBTQIAは、セクシュアリティマイノリティのすべてを包括しているわけではない。セクシャリティのあり方は多様で、グラデーションを描いており、異性愛もその性的指向のひとつにすぎない。

しかし、差別や偏見、就職活動における不利益、結婚の権利など、セクシャルマイノリティと呼ばれる人々が抱える問題は広範囲にわたる。そのため、カミングアウトできず生きづらさを感じている人々も多くいる。

持続可能な社会へと発展させるためには、マイノリティとして区別することなく、多様性を認め合えるダイバーシティを構築していくことが重要だ。ジェンダー不平等の世界のために、社会の仕組みや制度についてや、私たちができることをいま一度見直していきたい。

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※1 LGBT Identification Rises to 5.6% in Latest U.S. Estimate|GALLUP
https://news.gallup.com/poll/329708/lgbt-identification-rises-latest-estimate.aspx
※2 LGBTQ+調査2020|電通
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2021/0408-010364.html
※3 DSDs:体の性の様々な発達(性分化疾患/インターセックス)の新・基礎知識Q&A
https://wezz-y.com/archives/50891

※掲載している情報は、2023年1月19日時点のものです。

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