サステナブルフードとは 関連する認証一覧と食品業界の問題を解説

サステナブルフードとは

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サステナブルフードとは、地球環境や社会に配慮して生産された食品のこと。フードロスや二酸化炭素排出など、サステナブルフードが注目される背景に着目。フェアトレード、有機JASなどフード関連の認証制度を一覧で紹介し、代替肉などの事例についても取り上げる。

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2021.12.02
目次

サステナブルフードとは

地域や環境に配慮した「サステナブルフード」

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「サステナブル」は「持続可能な」という意味で、「サステナブルフード」とは環境や人々の暮らしに配慮した持続可能な食べ物のことを指す。

例えば、土壌や水質汚染、気候変動など環境に配慮してつくられた食材や、それらを使った食品などだ。また、生産過程における労働者の人権や労働環境に配慮した食材、食品もサステナブルフードにあてはまる。

サステナブルシーフードとは

最近では、サステナブルフードの一環で、サステナブルシーフードも注目を集めている。将来も私たちが水産資源を獲得し続けられるためには、海の環境や漁獲法についても配慮する必要がある。

現代は、多くの水産資源を必要以上に獲りすぎていると指摘されている。これに対し、環境や社会への影響を最小限にして、適切な方法で漁獲・養殖された水産物はサステナブルシーフードと呼ばれている。

サステナブルフードの背景にある、食品業界の問題

食品ロス

食品ロスとは、本来は食べられるのに廃棄された食品のこと。持続可能な社会の実現が求められ、食料危機に見舞われる国があるなか、日本は食品ロスが多いことが問題視されている。

日本における食品ロスは、年間612万t。国連WFP(国連世界食糧計画)が行った世界全体の食料援助量が年間390万tであり、その約1.6倍となる。日本の食品ロスの内訳をみると、レストランをはじめとする食品関連事業者から出るものが、およそ半分の328万t。残りの約半分にあたる284万tは、一般家庭から発生しているのが現状である(※1)。

二酸化炭素排出による地球温暖化

2015年のパリ協定で、産業革命前に比べて世界の平均気温の上昇を1.5℃までに抑えることが掲げられた。このように二酸化炭素排出量を抑えて、地球の温暖化を防止することは、世界で喫緊の課題だ。

日本で排出されている二酸化炭素のうち約6割が、家計消費によるものと報告されており、食事にともなう二酸化炭素排出は日本全体の排出量の12%にあたる。(※1)とくに二酸化炭素排出量が多い食材は、肉類、穀類、乳製品だ。

地球環境を配慮し、二酸化炭素排出量の少ない食材を選ぶことも、サステナブルフードを考える上で重要な視点となる。

魚介類の獲りすぎ

世界人口の増加にともない、魚の需要が高まっている。水産資源は限りがあるが、海水魚の86%がすでに漁獲されており、天然資源の供給はすでに限度に達しているといわれている。(※2)

この対策として、世界で進められているのが養殖だ。しかし養殖業は、水質汚染や生態系のかく乱などの問題を引き起こすことがあり、適切に運営されなければならない。水産資源を守り、環境や地域社会を配慮した方法で漁獲・養殖された魚介類を選ぶことが必要となっている。

サステナブルフード関連の認証

サステナブルフードでは、地域や環境に配慮した栽培法が求められる

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サステナブルフードを選ぶ際、判断の目安となる認証制度をいくつか紹介しよう。

国際フェアトレード認証

国際フェアトレード認証は、開発途上国の原料や製品が公平な条件で取引されていることなどを認証する制度。

製品が完成するまでの原料生産から輸出入、製造工程などの各工程に関わるすべての組織に対して定期的に監査が実施される。また、生産者に対する適正価格の保証やプレミアム(奨励金)の支払い、児童労働の禁止などの基準が遵守されているかをチェックしている。

レインフォレスト・アライアンス認証

より持続可能な農業を推進するための包括的な認証プログラム「レインフォレスト・アライアンス認証」。農園は持続可能性の3つの柱(社会・経済・環境)をもとにした厳しい基準要件に準拠することを求められる。そのほか、森林や天然資源、生物多様性の保全、生産者と農園労働者の生活水準の向上や人権保護などにも配慮されている。

MSC認証

世界の水産資源を守るための持続可能な漁業に対する認証制度で、MSC「海のエコラベル」と呼ばれている。世界的に見ても水産資源は獲りすぎの状態で、この問題に対応し、将来の世代まで水産資源を残していくために運営されている。

ASC認証

MSC認証は天然の漁業を対象にしており、それに対して養殖業を対象にした認証制度が、ASC認証だ。一部の養殖業のずさんな運営は、水質や海洋汚染といった環境問題に直結する。ASC認証された水産物を選ぶことで、環境問題や労働問題に配慮した商品を購入できる仕組みとなっている。

有機JASマーク

有機JASマークでは、農畜産業において化学合成肥料や農薬を使用しないことを基本として、遺伝子組換え技術の使用を禁止。環境への負荷をできる限り低減しながら、持続可能な生産ができるよう基準を規定している。認証対象は、有機農産物、有機畜産物、有機加工食品、有機飼料の4種類である。

サステナブルフードの事例

代替肉(大豆ミート・グルテンミート)

豆類などの植物性たんぱく質からつくられる代替肉が、世界で注目されている。肉類は、飼料の生産から輸送など、多くの生産工程で二酸化炭素が多く排出される。そのうえ、家畜動物はメタンガスを発生するため、環境負荷が大きい食材だ。そのため、環境負荷を大きく軽減できる代替肉が、世界のレストランなどで利用され始めている。

持続可能な方法で生産された食材

上述の認証を受けている食品は、持続可能かつ社会に配慮した方法で生産された食材と言えるだろう。

例えば、国際フェアトレード認証を受けているものには、バナナ、チョコレート、シリアルなど、レインフォレスト・アライアンス認証を受けているものにはバナナや紅茶、コーヒーなどがある。日本国内で承認・登録されているMSC「海のエコラベル」つき製品は、約900品目にもおよぶ。

サステナブルフードを取り扱うショップ

最近では、大手スーパーやセレクトショップなどで、上述の認証を受けた食材を販売することが増えてきている。

エシカルでミニマルな商品を紹介する『ELEMINIST SHOP』では、各種認定を受けた食品のほか、ベジタリアン、ヴィーガンに対応したさまざまなサステナブルフードを扱っている。地球環境や社会に配慮した食品を、毎日の食事に取り入れてみてはどうだろう。

生産における過程や環境にも目を向けるきっかけに

サステナブルフードと聞くと、食材そのものだけに注目が集まりやすいかもしれない。だが、生産過程での環境負荷や人権保護などについても考えられているのが、サステナブルフードだ。

それぞれの食材のバックグラウンドを知ることで、より一層、一つひとつにありがたみが感じられるだろう。またサステナブルフードを選ぶことで、そのような食材をつくる企業や生産者を応援することにつながるはずだ。

※掲載している情報は、2021年12月2日時点のものです。

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