ゼロからつくった「エシカル宣言 15ヶ条」 トリバコーヒーが綴る“居心地のいい空間”ができるまで 

都内を中心に全7ブランド9店舗の飲食店を展開するトリバコーヒーグループ。人と環境にやさしいお店づくりを目指し、各店舗が独自のアクションを実践している。 業態も客層もまるで違うトリバコーヒーグループ全9店舗の店長が、ユニークな視点で取り組みへの思いを綴る全9回のコラム連載がスタートする。

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2021.09.29
Promotion: 株式会社バードフェザーノブ

飲食業界に新しい風 エシカル宣言を発表したトリバコーヒーの挑戦

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洗練された気品漂う街・銀座に「TORIBA COFFEE(トリバコーヒー)」は店を構える。同店が他のカフェと一線を画すのは、地球にやさしい店舗経営をグループを挙げて宣言している点だ。持続可能な社会の実現に向けて、飲食店として貢献できるアクションをまとめた「エシカル宣言 15ヶ条」を発表したのだ。

ヴィーガンバーガーショップ「SUPERIORITY BURGER(スペリオリティバーガー)」や、
ヴィーガン居酒屋「真さか」、台湾フードのカフェ「明天好好(ミンテンハオハオ)」といった新業態の店舗経営を手がけるトリバコーヒーグループ。そのなかにあって、脱プラスチックやローウェイストへの取り組みを先導しているのがトリバコーヒーだ。

トリバコーヒーグループ全9店舗の店長たちが、エコフレンドリーなお店づくりへの思いを綴るコラム連載(全9回)。第一回目は、グループ内で誰よりも熱心に向き合ってきたトリバコーヒー店長の阿部美咲さんが登場する。同店がエシカル宣言までの経緯や、居心地のいいお店づくりで意識していることなどを語ってもらった。

知識ゼロから積み上げた「エシカル宣言 15ヶ条」

トリバコーヒーが「エシカル宣言 15ヶ条」を発表したのは、2021年3月のこと。いちコーヒーショップとして、地球への環境負荷をかけないためにできることをまとめた意思表明です。

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トリバコーヒーのインスタグラムで発表した「エシカル宣言 15ヶ条」。それぞれの項目ごとに詳細に説明されており、コミットメントが感じられる

遡ること4ヶ月前の2020年11月某日、社長と私を含めたスタッフの4人からトリバコーヒーのエシカルプロジェクトがはじまりました。正直なところ、当時は「エシカル」という言葉の意味ですらぼんやりとしか知らない状態でした。4人全員が、ほぼ知識ゼロからのスタートだったんです。

とはいえ、難しい解説書を読む時間もありません。そこで役に立ったのが『ひと目でわかる地球環境のしくみとはたらき図鑑』(創元社)というビジュアル図鑑です。複雑な問題もイラストを交えて解説してくれているので、横断的にさまざまな問題を知るのに役立ちました。無理せず自分のペースで勉強できたのは、この本のおかげです。

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阿部さんは毎日1ページずつ同書を読み進めているという。その内容を個人のInstagramで意識的にアウトプットしているといい、阿部さんの熱心さがうかがい知れる

さらに4人のスタッフと社長で開催していた週2回のエシカル勉強会を通じて、地球の危機的状況や私たちの暮らしが環境に与える影響を知っていくたび、「トリバコーヒーにもできることがあるんじゃないか?」という意識が芽生えるようになりました。

まだまだ止まらない 大切なのは常にアップデートし続けること 

お店の無駄に気づくことと、正しいと思っていたいまの生活に疑問を持つこと。私たちはここからはじめてみることにしました。最初に問題意識を持ったのが、プラスチックです。気候変動の原因になっているとは知らずに、お店のあらゆる包装資材、備品などにこの素材を使っていました。

そこでテイクアウトカップの蓋やストロー、割れ物を包む緩衝材をまずは紙製のコンポスト可能な素材へと変更することにしたんです。

またアルバイトを含めた全員が環境問題に興味を持つきっかけになるよう、スタッフひとり一人にメッセージを添えて「stojo(ストージョ)」を送りました。

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いまではスタッフもstojoを持ち歩くことが習慣になっているという。まずはスタッフ自身がエシカルの楽しさ、気持ちよさに気づいてほしいという阿部さんの思いが実った結果だ

店舗で使用する商品や消耗品を変えるだけでなく、そうしたスタッフのマインドチェンジとなるような取り組みを通して、地球環境により負荷をかけない選択をするのが当たり前となっていきました。

また国際環境NGO「350.org (スリーフィフティ)」のオンラインセミナーに参加した経験も、エシカル宣言を常にアップデートしていこうという意気込みにつながりました。

スタッフやお客さまから家庭でごみになってしまう紙袋を提供してもらい、ショッパーとして活躍させたり、コーヒー豆のパッケージも簡易パッケージ仕様のものを選べるようにしたりと、無駄なことを省いて気持ちよくお買い物ができるように、日々進化させています。

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いらなくなった紙袋をトリバコーヒーへ持っていけば、必要な人に使ってもらえる。まさに気持ちのいい循環が生まれる場だ

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コーヒー豆のパッケージは従来の商品(写真左)と、ロゴのついた紙やクリップを省いた簡易パッケージ(写真右)から選べる

TORIBA GENERAL STORE 量り売りで私たちが提供する新たな価値

なるべくごみを出さない毎日を意識するなかで、どうしても減らせなかったのが食品の包装資材でした。「添加物不使用」「オーガニック」「地産地消」なのに、パッケージにプラスチックが含まれていれば、どうしてもプラごみを排出してしまいます。

そこでお客さまに気持ちよく手に取ってもらうためにと、「TORIBA GENERAL STORE(トリバ ジェネラル ストア)」という量り売りサービスをはじめました。コーヒー豆やオリジナルのお菓子をはじめ、グループ店の「はまの屋パーラー」で廃棄されていたサンドイッチのヴィーガン食パンの耳を取り寄せ、パン粉をつくって販売しています。

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ヴィーガンのパン粉、大豆ミート、さとうきび糖、有機ナッツ やグラノーラなどのヴィーガン対応の商品が揃う

一番人気は、キャラメリゼしたマカダミアナッツにトリバコーヒーのコナコーヒーをまぶした「コナコーヒーマカダミア」。持参された「stojo」に入れて持ち帰るお客さまもいらっしゃいます。

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銀座という土地柄、容器を持参するお客さまは少ないですが、リユース可能な瓶を持ってきてくれる方や、キャニスターを持って毎週土曜にコーヒー豆を買いに来てくださる方など、ちらほらと増えてきています。

大切なのは、私たちの考えを押しつけるのではなく、気軽にアクションを実践していただけること。手ぶらでいらっしゃっても大丈夫なように、デポジット制の容器貸し出しも導入したり、コーヒーの麻袋を無料でお渡ししたりしています。

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デポジット制で提供しているジャーのラインアップ(写真左)と、ヴィーガンのパン粉(写真右)

コーヒーを飲みに来た方が、パッケージフリーで買い物ができると知って、次にいらっしゃたときには、マイ容器を持参して量り売りのナッツとグラノーラ、コーヒー豆を買う。そんな自然なアクションが生まれはじめています。

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本来ごみとなってしまうコーヒーの麻袋。カーテンや猫の爪研ぎなどにアップサイクルして使い続けてもらえるよう、お客さんへ無料で提供している

コーヒー片手に映画鑑賞 思いをシェアする場づくり

今年の7月、トリバコーヒーの店舗で映画上映会のホスト開催をしました。上映したのは、先述の「350.org」制作の映画『PEOPLE POWER 〜気候変動と日本Ⅱ〜』。気候危機の解決のために立ち上がった人々にフォーカスしたドキュメンタリー映画です。

私たちのようなホストが、上映会とディスカッションをセットにしたイベントを開催することで、観た人に考えるきっかけを生むという目的があって制作されています。

社内でエシカルプロジェクトが始まったころ、「気候変動」と聞くと学びの敷居が高いような気がして、自分から大きい問題に首を突っ込んでいいのかもわかりませんでした。

「何から初めていいかわからないし」「誰に聞いたらいいかわからない」。なにかアクションを起こすきっかけがほしくて、でもそれがなかなか見つけれずにいた自分がいました。

そんな個人的経験から、ふらっとカフェに立ち寄るような感覚で参加してほしくて、週2回の上映に。イベント前には淹れ立てのコーヒーと自家製のヴィーガンのおからドーナツを用意して、ほっとひと息つける雰囲気づくりを大切にしました。

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上映会の様子(写真左)と、この日のために用意したという手づくりヴィーガンおからドーナツ(写真右)

映画の感想やこれからの目標など、思った以上にお客さま同士でシェアしてもらえましたし、参加者のみなさんに喜んでもらえたことが、自分でもほんとうにうれしかった。

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上映会後に参加者に書いてもらった「みんなのエシカル宣言」

10月1日は「コーヒーの日」 ナッツミルクを一緒につくりませんか?

10月1日は国際連盟が定めた「コーヒーの日」です。私たちが「コーヒー」について取り組むならば、おいしいコーヒーの提案だけでなく「おいしくて地球にやさしいしいコーヒーとの付き合い方」を提案する必要があると思います。

そこで10月は、楽しく・おもしろく・環境にやさしい企画をお送りする予定です。コーヒー豆の焙煎を体験できる「ハンドロースト体験」やマカダミアナッツやカシューナッツを使って手づくりするナッツミルクのワークショップを開催します。

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ワークショップでつくるカシューナッツミルク。店頭で有機ナッツを量り売りで購入することも可能

また毎年10月限定で販売している「ブルーマウンテンブレンド」を、認証コーヒーなどの環境にやさしい豆を使用したリニューアルブレンドでお届け。自社農園から届いたばかりの新鮮な「ハワイコナ」も販売します。

10月は私たちと一緒にナッツミルクづくりを体験しながら、あなたが思うコーヒーと地球の付き合い方をシェアしていただけるとうれしいです。(※イベント詳細は記事下部より)

トリバコーヒーに行けば、「おいしいもの」「体にいいもの」「環境にも人にもやさしいもの」が見つかる。そんなたくさんの選択肢がある“エシカルな商店”のような存在を目指して、今後もアップデートし続けます。

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店頭で購入できる商品(写真左から)KenKagami×TORIBACOFFEE オリジナルタンブラー 2,800円, Mountain Research A.M. Bottle Large 5,940 円/Small 4,860円, stojo Pocket Cup 1,650円

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トリバコーヒーの店内には、ゼロウェイストな工夫が随所に施されている。環境に配慮したさまざまなアイテムはもちろん、ふだんの生活で実践できるアイデアを探しに、ぜひ一度足を運んでみてほしい。

コーヒー片手に、スタッフとのエシカルトークに花が咲く。そんなオアシスのような心地よさを感じられるはずだ。次回はヴィーガン居酒屋「真さか」の店長に、エシカルな取り組みを進めるうえでの苦労やその手応えなどを語ってもらう。

文/阿部美咲(トリバコーヒー銀座店 店長)、編集/西願友子(ELEMINIST編集部)

ナッツミルクワークショップ

会場

トリバコーヒー 銀座店

住所

〒104-0061 東京都中央区銀座

開催日時

2021年10月1日 〜 2021年10月31日

開催予定状況

予定通り開催

開催日:希望により随時可能 申し込み方法:店頭、電話、トリバコーヒーのInstagramのDM 申し込み期限:参加日の前日まで 参加費:1,000円(自分で作ったナッツミルクのアイスカフェオレ付き) 定員:各回2名まで 持ち物:特になし(マイカップやマイタンブラーをお持ちください)

トリバコーヒー銀座店

電話番号

03-6274-6611

住所

〒104-0061 東京都中央区銀座7-8-13 Brown Place 1F

営業時間

月、火、水、木、金 11:00 ~ 21:00
土、日、祝 11:00 ~ 19:00

不定休

トリバコーヒーグループのInstagramアカウントはこちらから

※掲載している情報は、2021年9月29日時点のものです。

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