サボテンを原料としたサボテンレザーとは? その魅力とおすすめアイテムを紹介

サボテンのイメージ

Photo by Roberto Canedo

サボテンを原料としたレザーである、「サボテンレザー」。さまざまなグローバルブランドがサボテンレザーを使った製品を展開するなど、世界中から注目されている素材だ。本記事では、つくり方やメリット・デメリット、環境への影響などを解説。さらに、財布やバッグなど、おすすめアイテムを紹介する。

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2024.12.30
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サボテンレザーとは

サボテンのイメージ

Photo by Jo Jo on Unsplash

サボテンレザーとは、その名のとおり、サボテンを原料としたレザーのこと。環境保護やSDGsの目標達成の観点から注目が集まっている、ヴィーガンレザーのひとつだ。

サボテンレザーのつくり方

サボテンレザーを開発したのは、メキシコの企業Adrian and Marte社。

原料となるサボテンには、メキシコではあちこちに自生していて食用としても親しまれている「ウチワサボテン」を使用している。

サボテンレザーをつくるには、まずサボテン自体を傷つけることなく成熟した葉だけを刈り取り、細かく粉砕して太陽光で乾燥させて粉末状に。その後、バイオ樹脂などを混合してシート状に加工することで、サボテンレザーが完成する。

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サボテンレザーの特徴と魅力

ここからは、サボテンレザーの特徴や魅力、他の素材と比較したメリットを解説しよう。

耐久性に優れている

サボテンレザーは、耐久性に優れているところが特徴であり、魅力である。

多くのヴィーガンレザーは、植物性の繊維を樹脂などと混ぜてつくるため、動物性レザーと比較すると耐久性では劣ってしまう。

しかし、サボテンレザーは摩擦などにも強く、大切に使うことで10年ほど持つといわれている。

軽量で柔軟性がある

サボテンレザーは、サボテンならではの柔軟性や耐水性、さらに伸縮性や通気性に優れている点も特徴といえる。

さらに軽量であるため、大きめのバッグなどに加工されても持ち運びやすく、疲れにくい点も魅力だ。

本革に近い見た目と触り心地

サボテンレザーは、なめらかでやわらかい手触りが特徴。質感は本革にかなり近いといわれており、さまざまなグローバルブランドがサボテンレザーを使った製品を展開するなど、世界中から注目されている。

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サボテンレザーの環境へのメリットとは

サボテンレザーは、環境にやさしいという点でも評価されている。ここからは、サボテンレザーが環境にやさしい理由や、本革や合成皮革との違いを説明していく。

水の使用量が少ない

水のイメージ

Photo by Sime Basioli on Unsplash

サボテンレザーが環境にやさしいといわれる理由のひとつが、水の使用量が少ないことである。

原料に使用しているウチワサボテンの水やりは、自然の雨水だけ。そのほか革をつくる工程でも水を節約しており、栽培から製造に至るまで、水を大量に使うことがない(※1)。

動物由来素材を使わない

動物由来の素材を使わない点も、サボテンレザーが環境にやさしいといわれる理由である。

本革と比較して、温室効果ガス排出量が1/15、水質汚染は1/6、水の使用量は1/150、製造過程で消費するエネルギー量が1/10と、環境に対する負荷をかなり抑えている(※2)。

合成皮革に比べて化学物質の使用が少ない

サボテンレザーは、合成皮革に比べて化学物質の使用が少ないのも特徴である。色付けなどの加工においても、有害な化学物質は一切使用しておらず、環境にやさしいといえるだろう(※3)。

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サボテンレザーの活用事例

サボテンレザーの特徴やメリットがわかったところで、実際にどのような製品に活用されているのか見ていこう。

ファッションアイテム

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Photo by Nubelson Fernandes on Unsplash

サボテンレザーは、軽さや耐久性、なめらかな触り心地などをいかして、ファッションアイテムに使用されている。

リュックやボディバッグ、トートバッグや靴、財布など、大きいアイテムから小物まで幅広い製品に活用されている。

自動車の内装材

サボテンレザーは、耐久性と手入れが簡単であるという特性をいかして、自動車の内装材にも使用されている。

高級車メーカーのコンセプトカーの座面シートにも採用されたことがあるそうだ(※4)。

家具やインテリアアイテム

ソファのイメージ

Photo by Becca Tapert on Unsplash

サボテンレザーは撥水性があり、傷がつきにくいため、ソファや椅子など、家具やインテリアアイテムの素材としても活躍している。

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サボテンレザーのデメリットと課題

耐久性に優れ、質感も本革に劣らないサボテンレザー。弱点やデメリットはあるのだろうか。

価格が高い

サボテンレザーの弱点としてまず挙げられるのが、他のヴィーガンレザーや人工皮革と比べて、価格がやや高めなこと。

製造コストが高いため、現状バッグなどの製品価格は本革を使ったものと同程度となっている。

輸送時の二酸化炭素排出

日本では大規模な栽培ができないため、サボテンレザーのアイテムは現状すべて外国製。そのため、輸送時の二酸化炭素排出は避けることができない。

長年使うと加水分解する

加水分解とは、化合物が水と反応することによって起こる分解反応のこと。長年履いているスニーカーのソールやアッパーがボロボロになり剥がれてきた経験がある人は、イメージしやすいかもしれない。

サボテンレザーは樹脂が含まれる素材であるため、耐久性が高いとはいえ、合成皮革や人工皮革と同様に、使用していくうちに徐々に劣化していく。

樹脂というものは水に反応して分解してしまう原料からつくられているため、化学的に加水分解は避けられないのだ(※5)。

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サボテンレザーを使ったおすすめのアイテム

最後に、サボテンレザーを使ったおすすめアイテムを紹介しよう。

スマートウォレット|CACTUS TOKYO(カクタストーキョー)

CACTUS TOKYO (カクタストーキョー)

スマートウォレット

16,500円

※2024.03.22現在の価格です。

「スマートウォレット」は、ミニマルな財布を探している方に最適。コンパクトながら、カードポケットが4つ、コインポケット、折り畳めばお札も収納できるフリーポケットを備えた使い勝手のいいデザインだ。バッグが小さい方や、主にキャッシュレス決済を利用している人におすすめ。

ミニウォレット(ミニ財布)- サボテンレザー|CACTUS TOKYO(カクタストーキョー)

CACTUS TOKYO (カクタストーキョー)

ミニウォレット(ミニ財布) - サボテンレザー

28,600円

※2023.05.22現在の価格です。

「ミニウォレット」は、コンパクトな手のひらサイズでありながら、見た目以上に大容量なミニ財布だ。膨らみがちなコインポケットを外側に配置しているので、たくさんの小銭を収納可能。さらに、インナー部分は開いた際にお札やカードが見えないデザインになっているのも嬉しいポイントだ。

カードケース - サボテンレザー|CACTUS TOKYO(カクタストーキョー)

CACTUS TOKYO (カクタストーキョー)

カードケース - サボテンレザー

15,400円

※2024.12.27現在の価格です。

シンプルなデザインで、なめらかなサボテンレザーの質感が際立つ「カードケース」。およそ30枚程度の名刺を余裕を持って収納できる容量がありながら、スリムな形状で、バッグやジャケットの内ポケットに収納しやすい優れものだ。

トールバッグ - サボテンレザー|CACTUS TOKYO(カクタストーキョー)

CACTUS TOKYO (カクタストーキョー)

トールバッグ - サボテンレザー

35,200円

※2024.12.27現在の価格です。

「トートバッグ」は、東京・蔵前の熟練した革職人が、一点一点手作業で丁寧に仕立てている上質なアイテム。13インチのPCやA4書類もすっぽり入る大容量ながら、およそりんご2個分という軽さを実現。撥水性もあわせ持っているので、通勤や通学など、幅広いシーンで使いやすいのも魅力である。

ロングウォレット(長財布) - ヴィーガンレザー|CACTUS TOKYO(カクタストーキョー)

CACTUS TOKYO (カクタストーキョー)

ロングウォレット(長財布) - ヴィーガンレザー

33,000円

※2023.05.22現在の価格です。

「ロングウォレット」は、トレンドに左右されないシンプルなデザインが魅力。重厚なゴールドの金具が高級感を演出し、幅広い世代にマッチする長財布だ。小銭ポケットはもちろん、大ポケット2つとフリーポケット2つ、さらにカードポケットは12個もあり、カードや現金を多く持ち歩く人におすすめ。

環境にやさしく高品質なサボテンレザー

耐久性が高く、本革にも劣らない質感を持つ、サボテンレザー。価格がやや高いなど、多少の課題はあるものの、今後さらに注目されるであろう環境にやさしい素材である。新しいバッグや財布を探している方は、ぜひ一度サボテンレザー製品を試して、質感のよさや耐久性の高さを肌で感じてみては。

※掲載している情報は、2024年12月30日時点のものです。

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