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COP29とは、国連気候変動枠組条約会議のこと。わかりやすく言えば、気候変動に関する問題やパリ協定の目標達成について、各国が集まり議論する国際会議。COP29は、2024年11月11日から22日まで、アゼルバイジャンの首都バクーで開かれる。今回の会議のポイントについて解説しよう。
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COP(コップ)とは、「Conference of the Parties」の略で、国際条約の加盟国が物事を決定するための「締約国会議」のこと。生物多様性条約や砂漠化対処条約などがあるが、代表的なのが「気候変動枠組条約」のCOPだ。
そして間もなく開かれるのが、COP29。「国連気候変動枠組条約第29回締約国会議」のことだ。世界各国の政府関係者、企業、研究機関などが集まり、気候変動に関する国際的な取り組み、具体的な方針などについて議論する。
COP29は、2024年11月11日(月)から11月22日(金)まで、アゼルバイジャンの首都、バクーで開かれる。議長国はアゼルバイジャンだ。
COP29のポイントについて解説する前に、前回(2023年)のCOP28のおさらいをしよう。
COP28の大きな成果となったのが、「グローバル・ストックテイク」だ。グローバル・ストックテイクとは、パリ協定の目標達成に向けて、各国が行う取り組みや進捗を評価する仕組み。COP28では、これが初めて行われた。
また、気候変動の原因をつくっているのが先進国であるのに対し、開発途上国が洪水、干ばつ、森林火災などの影響を受けていることから、途上国への支援についても議論が行われてきた。COP27では「損失と損害」の基金が設立されている。
COP28までで議論された内容や決定事項、さらに今後の世界の動きをみて、COP29で争点となるとみられるのが、つぎの3つの内容だ。
ここ何年かのCOPで議論されてきているのが、気候資金について。「どのくらいの資金が必要」で、「その資金をだれが提供するべきか?」、そしてそれを「だれが受け取れるのか?」といった、より具体的な内容が争点になるとみられる。
COP15のパリ協定9条で約束された、先進国から途上国への資金目標は年間1000億ドル。2022年には1159億ドルと資金目標を達成しているが、途上国としてはさらなる資金を確保したい一方で、先進国は財政上の負担が増えることを懸念しており、各国がどの程度歩み寄れるかが重要だ。
COP21のパリ協定で定められた目標は、世界全体の平均気温上昇を産業革命前の1.5℃に抑えること。しかし各国が設定している温室効果ガス排出削減目標を達成できたとしても、パリ協定の1.5℃目標には到達できないことが指摘されている。そのため、COP28のグローバル・ストックテイクの成果をふまえて、2025年までに各国が国連に提出する次期NDC(排出削減目標)が注目される。
とくに主要国や温室効果ガスの排出量が多い国が高い目標を設定すれば、機運をより高められると期待される。
パリ協定6条とは、削減した温室効果ガス排出量を国際的に移転する市場メカニズムについて規定したもの。削減した排出量について国際的なルールを定めている。6条ルールが合意され施行されれば、各国での温室効果ガス排出量削減の促進されると期待される。
専門家の試算では、6条の実施によって2030年までに世界全体で、年間最大90億トンのCO2の追加的削減量が実現される可能性があるという。COP29では、この6条の運用ルールについて議論されるものとみられている。
世界各国で平均気温の記録が更新され、2023年は史上もっとも暑い1年となった。猛暑の日々が続き、各地で気候変動に関連するとみられる自然災害が発生するなど、2024年はこの記録を塗り替える可能性が高い。気候変動の影響はまさに私たちに差し迫っている問題であると言える。
COP29の議論について追うことはもちろん、私たち一人ひとりが気候変動や地球について、改めて考えるきっかけにしていくべきだろう。
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