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2023年11月30日から「COP28」がドバイで開催される。「COP」とはそもそも何の会議で、今回はどのようなテーマが議論されるのだろう。気候変動の影響がますます深刻化するなか、開催されるCOP28の意味と争点をわかりやすく解説する。
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「COP(コップ)」とは、「Conference of the Parties」の略。日本語では「国連気候変動枠組条約の締約国会議」という。
1992年5月に採択され、1994年3月に発効した国連気候変動枠組条約(地球温暖化による影響を防止するための国際的な枠組みを定めた条約)にもとづき、各国の対策と進捗を確認し、気候変動に関わる問題や取り組みについて議論する。
COPは毎年開催されており、2022年11月に行われたのは第27回目の会議だったことから「COP27」と呼ばれ、2023年に開催される第28回目の会議を「COP28」と呼ぶ。COP28の日程は、2023年11月30日から12月12日までの13日間。
COP28が開催されるのは、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ。議長国もUAEが務めることになる。
COPに参加するのは、198の国や機関。各国の政府代表のほか、学者、NGO団体、ビジネスリーダーなど。これだけ世界中の国々の人が集まるとあり、COPは気候変動に関する最大規模の国際会議と言える。
2022年11月にエジプトで開催されたCOP27。ここで議論されたのが、「損失と損害」について。気候変動の原因は主に先進国がつくっているのに、開発途上国がその影響と被害を受けている。そこでCOP27では、国際社会として、途上国を支援する基金を設立することで合意した。この基金設立は大きな一歩ではあるが、誰が基金を負担するかなどの内容は、持ち越されている。
また、化石燃料からの脱却が求められているが、COP27で決まったのは「段階的な削減」で、「段階的な廃止」には至らなかった。詳しくは、下記の記事を参照してほしい。
では、今回のCOP28で注目するべきポイントは何か。いくつかピックアップして紹介しよう。
COP28では、はじめて各国の取り組み内容と達成度を評価する「グローバルストックテイク」が行われる。COP26とCOP27で改めて確認されたのが、世界の平均気温上昇を産業革命前より1.5℃に抑えるというパリ協定の目標達成だ。だが、各国の温室効果ガス排出量の排出目標を達成しても、1.5℃どころか2℃未満に抑えることが難しいとみられている。そのため、各国の温室効果ガス排出量削減の目標をさらに引き上げることが必要だ。
前回のCOP27で決まった、損失と損害の基金。この具体的な運用について、議論する必要がある。どの国が資金支援対象になり、どの国が資金を出すかといったことで、これらの交渉は難航することが予想される。
パリ協定の目標達成には、化石燃料からの脱却が欠かせない。化石燃料の「段階的な廃止」を支持する国は多いが、反対する一部の国もあり、前回COP27では「段階的な削減」と弱めた表現にとどまった。COP28では、「段階的な廃止」を合意できるかということも、ひとつの争点となる。
日本はCOP28で「化石賞」に選ばれた。これは、環境NGO「気候行動ネットワーク」が、COPの期間中に、気候変動対策に消極的な国を皮肉って贈る賞のこと。日本は、脱化石燃料に向けた具体的な行動がないとして、選ばれた。日本の化石賞受賞は4年連続となった。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長が2023年夏、「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が来た」と表現したように、近年は“地球が燃えている”ような異常事態を感じた人も多いのではないだろうか。気候変動への対策には、もう時間がない。COP28で議論すべき問題は山積みだが、着実な成果を期待していきたい。
予定より1日延長して、閉幕したCOP28。その結果はどうなったか?下記記事でわかりやすく解説している。
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