「化石賞」って何? COP28で日本が4回連続受賞・不名誉な理由は

COP27の化石賞とは

Photo by Boukaih on Unsplash

現在UAEのドバイで開催中のCOP28(第28回国連気候変動枠組条約締約国会議)で、日本が「化石賞」を受賞した。不名誉と言われるこの化石賞とはどんな賞で、日本が受賞した理由は何なのか紹介しよう。

ELEMINIST Editor

エレミニスト編集部

日本をはじめ、世界中から厳選された最新のサステナブルな情報をエレミニスト独自の目線からお届けします。エシカル&ミニマルな暮らしと消費、サステナブルな生き方をガイドします。

2023.12.14
FASHION
編集部オリジナル

今春も続々登場!リサイクル素材「エコペット®」でできた最新ファッション

Promotion

「化石賞」とは?

「化石賞」とは、環境NGO「Climate Action Network(CAN)」が、気候変動対策に対して足を引っ張った国に与える賞のこと。気候変動への取り組みが「後退している」ことを「化石」と表現して皮肉ったもので、受賞すること自体がとても不名誉なことだ。CANは130か国の1800以上の団体からなるNGOネットワークで、世界各地のNGOが受賞者を決定する。

各国の代表が集まり、気候変動対策について議論するCOP(国連気候変動枠組条約締約国会議)の第5回目会議(COP5)から始まり、COP開催中はほぼ毎日のように「本日の化石賞(Fossil of the Day)」が発表されている。

COP28とは? 今回の重要テーマ3つのポイントをわかりやすく解説

関連記事

3分でわかる「COP27」って何? 課題と重要テーマをわかりやすく解説

関連記事

日本は4年連続で受賞 その理由は?

日本はCOP28で「化石賞」に選ばれた。COP25から4回連続での受賞となった。

理由は、気候変動対策として脱化石燃料が叫ばれるなか、日本はその取り組みに消極的だから。日本政府は、火力発電所で化石燃料に水素やアンモニアを混ぜて、温室効果ガスの排出量を削減し、石炭火力の発電比率を下げていく方針を示しているが、それでは不十分とみられている。

また、COP27での受賞理由については、日本が化石燃料に対する世界最大の公的資金を拠出している国であることが指摘された。報告書によると、日本は2019年から2021年までの3年間で、化石燃料に対して公的支援で合計318億ドル(約4兆7700億円)を拠出。この金額は、第2位と大きく引き離して、世界最大だった。

CANインターナショナルでは、「地球の平均気温上昇を抑えるためには、化石燃料への投資を止める必要がある。その認識があるのに、日本政府は化石燃料への支出を続けている」と批判。またCOP27に岸田首相が不参加だったことも、「誤った解決策を促進するのに忙しすぎるのか?」と皮肉ってコメントした。


化石賞を受賞した日本以外の国

日本以外では、どのような国が「化石賞」を受賞しているだろう。

COP28 化石賞受賞国一覧

受賞日受賞国
12月3日日本・ニュージーランド・アメリカ
12月4日ブラジル
12月5日アメリカ・ロシア・日本
12月6日カナダ・ノルウェー・韓国
12月8日イスラエル・ロシア・オーストラリア
12月9日EU・ベトナム
12月10日イスラエル・日本
12月11日サウジアラビア・アメリカ・コロンビア

COP28開催期間:2023年11月30~12月12日
出典:
FOSSIL OF THE DAY AT COP28

COP27 化石賞受賞国一覧

受賞日受賞国
11月9日日本
11月10日エジプト
11月11日アメリカ・ロシア・エジプト・UAE
11月12日アメリカ
11月14日ニュージーランド
11月15日トルコ
11月16日ロシア

COP27開催期間:2022年11月6~18日
出典:
FOSSIL OF THE DAY AT COP27

COP26 化石賞主な受賞国一覧

受賞日受賞国
11月1日イギリス・オーストラリア
11月2日ノルウェー・日本・オーストラリア・スコットランド・インド
11月3日アメリカ・フランス・IETA
11月4日ポーランド
11月5日ブラジル
11月8日イギリス・サウジアラビア・メキシコ・チェコ
11月9日アメリカ・オーストラリア・セルビア
11月10日オーストラリア・ブラジル
11月11日イギリス
11月12日オーストラリア・アメリカ・イギリス

COP26開催期間:2021年10月31日~11月13日
出典:
FOSSIL OF THE DAY AT COP26

化石賞受賞の意味を考えよう

化石賞という不名誉な賞には、気候変動への取り組みを批判する意図があるが、同時に改善への期待も込められている。4回も連続で受賞した日本は、化石燃料への拠出をはじめ、あらためてその取り組みについて見直していくべきだろう。

※掲載している情報は、2023年12月14日時点のものです。

    Read More

    Latest Articles

    ELEMINIST Recommends