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ベルリン市が7億5000万ユーロのサステナビリティボンドを初めて発行すると発表した。調達した資金は、36の環境問題および社会的課題に取り組むプロジェクトに使用される。ドイツの連邦州がサステナビリティボンドを発行するのは、ノルトライン=ヴェストファーレン州に次いで2例目。
岡島真琴|Makoto Okajima
編集者・ライター・キュレーター
ドイツ在住。自分にも環境にも優しい暮らしを実践する友人たちの影響で、サステナブルとは何かを考え始める。編集者・ライター・キュレーターとして活動しつつ、リトルプレスSEA SONS PRE…
ベルリン市は、環境や社会に影響を与えるプロジェクトの資金調達のため、7億5000万ユーロ(約1055億円)に相当するサステナビリティボンドを初めて発行することを発表した。ドイツの連邦州がサステナビリティボンドを発行するのは、ノルトライン=ヴェストファーレン州に次いで2例目となる。
サステナビリティボンドとは、環境問題や社会的課題の両方に取り組むプロジェクトの資金調達に発行される債券のこと。
国際的な業界団体である国際資本市場協会(ICMA)のサステナビリティボンド・ガイドラインによると、ICMAが策定したグリーンボンド原則(GBP)およびソーシャルボンド原則(SBP)の両方に共通する4つの規定(①調達資金の使途、②プロジェクトの評価と選定のプロセス、③調達資金の管理、④レポーティング)に適合しているものを指す。
調達される資金は、社会的影響および環境問題に取り組む36のプロジェクトに充てられる。ベルリン市からこの融資を受けるためには、各プロジェクトは一定の持続可能性基準を満たす必要がある。
また各プロジェクトは、SDGsの17の開発目標のうち、目標2の「ジェンダー平等を実現しよう」、目標4の「質の高い教育をみんなに」、目標13の「気候変動に具体的な対策を」など、12の目標に対応するものであるという。
例えば、環境プロジェクトとしては、ベルリン交通局の電動バスの整備に3800万ユーロ、市内の森林を気候変動に適応させるためのプロジェクトに460万ユーロなど。社会的プロジェクトとしては、学校給食の無料化に1億6500万ユーロなどが予定されている。
資金の約4分の3は社会的なプロジェクトに、残りの4分の1は環境プロジェクトに使われる予定で、すでに多くのプロジェクトが資金を受け取っている。
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サステナビリティボンドの発行計画は、ベルリン市のサステナブルファイナンス戦略とも連動しており、同市は、将来的にはサステナビリティボンドを2年ごとに発行したいと考えている。
同市の財務大臣ダニエル・ヴェスナー氏は、「融資先だけではなく、融資方法も重要だ」と強調。この債券は10年間有効で、まもなく投資家への募集が始まる予定だ。なお、サステナビリティボンドの最低購入額は1000ユーロで、一般市民も投資できる。
近年、地方自治体や行政でも積極的に発行されているサステナビリティボンド。今回のベルリン市の取り組みによって、街がどのような変化を遂げていくか、引き続き注目していきたい。
※参考
State of Berlin issues sustainability bonds for the first time|Berlin.de
Sustainability Bond Guidelines|ICMA
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