モデルケースとなることでゼロウェイストな社会を実現する 量り売り店「斗々屋」が見据える未来

nue by Totoyaの店内
ごみゼロの未来に向けて

「株式会社斗々屋」は、ゼロウェイストな量り売り店「nue by Totoya」をはじめ、卸売業やオンライン講座を行うなど、ゼロウェイストなビジネスのロールモデルと言える会社だろう。その道のりからは、ゼロウェイストな社会を実現するためのヒントが得られるはずだ。

ELEMINIST Editor

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2021.05.30
LIFESTYLE
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知見をシェアすることでよい循環が生み出せる

-生産者の方に「ゼロウェイストな方法でやりたいです」と伝えた時の反応はいかがですか?

まさに京都店のオープンに向けてやりとりしているところなのですが、あるうどんの例では、そのままコットンバッグなどに入れて麺をお送りいただけないかというお話をしました。生産者の方はそうした方法は初めてだったのですが、一緒にチャレンジしていくというお返事をいただけましたね。

変わった例では、納豆をどう販売するかという問題もありました。なかなかお客様に持ち込んでいただいた容器で販売するのが難しかったのですが、こちらが用意したデポジット容器に入れて販売して、容器を返していただくという形を取ることにしました。

ほとんど前向きなリアクションをいただけていますし、生産者の方々と知恵を出し合って、上手いやり方を考えています。

-卸し先である小売店さんからは、どのような反応でしたか?

量り売りをやっているお店だけあって、自然とゼロウィストな取り組みにも好評をいただいていて、断られたところはほぼありません。

保健所との連携が必要であったり、工夫がいる部分はあります。ですが、私達もすでにnue by Totoyaでさまざまなことを試しているので、そうした知見を小売店の方々にも共有することで、どんどんいい循環が生み出せているのではないかと思います。

-斗々屋さんでは、量り売り店を開きたい方に向けたオンライン講座も行っていますね。

「ゼロからはじめる ゼロ・ウェイスト・ショップ開業オンライン講座」というものをやっています。とくにコロナ禍以降は、多くの方が自分の生活を見直していて、サステナブルやゼロウェイストに興味を持っていただいてる方が増えています。

一方で実際お店をやってみると、お店に立ったり生産者とメールしたり、キラキラしてるものだけではないので、なぜ「お店をオープンしたいのか」という部分から始めています。

そういう現実的なところも知ってもらった上で、ゼロウェイストやオーガニック、フェアトレードの根本的な意味、ビジネスプランや店舗の物件探し、マーケティングの仕方やPRの仕方などを説明していますね。

量り売りに関しても、例えば什器の選び方や、なぜ木箱にそのまま食材を入れたら駄目なのか。当たり前かもしれないところですが、そういった量り売りならではの問題も教えています。

カフェスローの外観

nue by Totoyaが入っているカフェスローでは、オーガニック食品などを味わうことができ、環境意識の高い人々が集まる

-まさに「ゼロからはじめる」ですね

「量り売りのお店といえばこんな感じだよね」というイメージがあると思うんですが、PRの部分でお伝えしてるのが、経営してる人の個性とかをどんどん出さないと、これから量り売りの店が増えたら差別化できなくなるということ。そういうビジネス視点もお伝えしています。

オンライン講座を受けている方には「BAND」というアプリを使って、コミュニティを構築しているのですが、そこでは私たちも含めみんなで知識や悩みをシェア・相談しあっています。

どんなお店もいろいろ悩むところがあると思うんですが、量り売りだと人の導線をどのように設計するかという問題もあります。どこで容器を計るのか、カバンはどこに置くのか、いろいろな工夫が必要なので、講座を受けていただくとさまざまな気づきがあると思います。

私自身改めて気づくことも多く、やってみないと気づかないことが多いです。一方で始めるとリスクもかなり大きい。なので、講座を受けていただいたり、コミュニティとつながってからの方が、自分の中で本当にお店を開きたいのかというのが明確になると思います。

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ゼロウェイストとビジネスの両立を体現することで、経済を変える
※掲載している情報は、2021年5月30日時点のものです。

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