ベルリン在住のイラストレーター・KiKiが、自身が育った西伊豆の日本の村とベルリンの暮らしの共通点をつづるコラム(毎月14日28日更新)。瓶詰食品の空き瓶に、自家製の料理を入れて保存。これを活用すれば脱プラできるだけでなく、量り売り専門店「バルクショップ」での買い物も楽しくなる。
KiKi
イラストレーター/コラムニスト
西伊豆の小さな美しい村出身。京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科卒業後、同大学マンガ学科研究室にて副手として3年間勤務。その後フリーランスに。2016年夏よりベルリンに移住。例えば、…
コロナ渦とロックダウンで、もともと少なかった外出がさらに減り、家で料理することが多くなった。1品を一度にたくさんつくり、小分けして冷蔵庫に保管。そして、少しずつ食べている。
ここで大活躍しているのが、保存容器だ。
わたしが小さい頃、祖母はお店で購入したお惣菜などが入っていたプラスチック容器を綺麗に洗ってとっておき、それを保存容器として再利用していた。それがなんだかわたしも習慣として染み付いていて、ベルリン生活でもプラスチック容器を捨てずに保存容器として使用していた。
しかしひとつ、ずっと思っていたことがある。それはプラスチック容器に調理したものを熱々のまま入れたとき、化学物質が溶け出してきそうで、こわいということだ。
もちろんこれまでは冷めてから入れるようにはしていたが、それでもこのご時世、プラスチックの有毒性と非サステナブルな要素が注目されるようになっている。わたしも「使いたくない」という気持ちが日に日に強くなっていった。
プラスチック容器をやめるにあたり、ガラス製の保存容器の購入も考えたが、値段の高さに躊躇してしまっていた。そんなところにいまの同居人が見せてくれたのが、「空き瓶保存容器コレクション」だ。
キッチンの上にある棚に、大小さまざまな空き瓶がきれいにストックされていた。このストックは、同居人が日常生活の買い物をしていくなかで、コツコツと集めたもの。
こちらでは主食であるパンに塗るジャムやペーストなど、瓶詰めの商品を買う機会が多い印象だ。それらをつくり置きの保存容器として、活用している。
同居人はよく野菜スープのポタージュをつくり、手のひらより少し大きな瓶に入れて保存している。空き瓶をつくり置きを入れる保存容器として使用する、という発想はなかったので、最初は「その手があったか!」と、目から鱗だった。しかし、いまではその手軽さと便利さの虜になっている!
ちなみに祖母は、空のプラスチック容器だけでなく、包装用紙や紙袋、ビニール袋、古新聞もきれいに整えてストックし、再利用していた。同居人のライフスタイルも全く同じ。その様子を見たときに、とても懐かしい気持ちでいっぱいになった。
例えばいま、冷蔵庫に入っている食材は、ラディッシュの胡麻和えやきゅうりの酢物。
それからスーパーで買ったヴィーガンウインナーを焼いたものと茹でたじゃがいも。
このように、お皿にすぐ盛って食べることができる状態で保存すると便利だ。料理や季節によって変わってくるが、だいたい1週間くらいはもつ。
ドイツでは、このくらいの大きい瓶詰めが結構多く売られているので大変助かる。熱々でもすぐに容器に入れることができ、冷めるまで待つ必要もない。空き瓶のおかげでスムーズに調理も進み、小さなストレスから解放された!
Photo by KiKi
いまでは買い物をするときは、中身を食べ終わった後も保存容器として再利用できるように、プラスチック容器に入っている食品ではなく瓶のものをなるべく選ぶようになった。
ケチャップやマヨネーズといった調味料も、瓶詰めのものを買うようにしている。
たまに可愛い瓶や珍しい瓶に出会ったときには、何を入れようか、どう使おうか、アイディアが広がり、ワクワクしてくる。
ベルリンハンドメイドのいちごジャム
ベルリンでよく見かける、包装・梱包削減を目的とした量り売りのお店(バルクショップ)は、各自で空き瓶を持参し、商品を購入するスタイルだ。最近お気に入りの量り売りのお店を見つけたので、お買い物用の空き瓶ストックもつくっていきたいと考えている。
ちなみにわたしの部屋では保存容器としてだけでなく、筆立や、植物を育てる鉢植え代わりとしても大活躍している。ベルリンでは昨年の11月からロックダウンがずっと延長され続けているので、植物を瓶に植え、成長を眺めて癒やされるのだ。
これまで紹介した用途で使い終わった後にも、また洗えば何度でも再利用することができる。空き瓶の活用法はアイディア次第で、可能性が広がっていくサステナブルな相棒なのだ!
3/14 公開予定の次回は、コンポストの土で野菜の切りくずを育てる「リボーンベジタブル」を紹介したい。
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