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環境や社会に配慮した公益性の高い企業を評価するB Corp(Bコープ)。サステナビリティに関する高まりを背景に、この認証を取得する企業は世界で1万社を超える。B Corpへの注目が上がるなか、2026年より取得基準が厳格化される。

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「B Corporation™(B Corp、Bコープ)」は、米国の非営利団体のB Labが2006年に始めた企業の認証制度だ。「B」は「Benefit(利益)」の意味で、環境への取り組みのほか、社会、従業員、顧客などに対しても幅広い公益性があるかどうかが審査の基準になる。
商品についての認証とは異なり、企業自体の姿勢を示すことができる認証であり、世界でも取得に向けた大きなムーブメントが起きてきた。そのため、認証を取得する企業は、日本も含めた世界103か国の1万社を超える(日本は、2025年7月末時点で62社)。
日本でもB Corpという認証の存在が広く知られるようになり、2024年にB Labの日本支部に相当する「B Market Builder Japan(BMBJ)」が設立された。
だが、B Corpの注目がますます高まるなか、B Labは責任あるビジネスの水準を高めるために、2026年より認証基準をアップデートする。
今回の主な改定点をいくつか紹介する。
これまでの評価分野では5つが設けられていたが、7分野に変更される。
旧基準(5分野)
・ガバナンス
・ワーカー
・コミュニティ
・エンバイロメント
・カスタマー
新基準(7分野)
・パーパスとステークホルダー・ガバナンス
・気候アクション
・人権
・公平な働き方
・環境スチュワードシップと循環性
・JEDI(ジャスティス・エクイティ・ダイバーシティ・インクルージョン)
・政策への働きかけとコレクティブ・アクション
また、これまでは5分野それぞれの項目についてスコア化して加算し、200点満点中80点以上を獲得すれば取得できた。だが、一部の指標でスコアが悪くても、他でスコアが良いと、認定される可能性があった。そのため、今後は先の7分野それぞれに基礎要件を設定。すべてをクリアする必要がある。
改定された内容では、企業はまず「0年目」の要件を満たす必要がある。取得後も、「3年目」と「5年目」には異なる要件を遵守することが義務付けられた。B Corpを取得して終わりではなく、取得した後もさらに継続し進化していくことが必要だ。
B Labでは、これまでも認証基準を改定してB Corpを進化させてきた。今回の改定についても、3年近くの協議を行ってきたという。認証を取得する企業が増加すると、「みせかけのものではないか」というグリーンウォッシュの疑いの目を向けられる可能性もある。
B Corp認証の信頼性をより高めるためにも、今回の厳格化は必要不可欠であり、取得した企業についても、継続的な改善が求められるだろう。
日本の企業でB Corpを取得している企業には、以下などがある。
※参考
A new framework for lasting business impact|B Corporation
B Labの新基準|B Market Builder Japan
B Lab updates B Corp certification requirements and makes significant changes|Linklaters
https://www.ft.com/content/8667fd7d-3e3f-49ed-89a2-d0f11cb5a4d5
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