Photo by Jezael Melgoza on Unsplash
GDPとは国内総生産を表し、各国の経済状況を示すひとつの指標だ。IMF(国際通貨基金)発表の2025年最新版「世界GDPランキング」の全順位を紹介。さらに、日本が前年の4位から5位へ後退した結果や、「一人あたりのGDPランキング」も見てみよう。
ELEMINIST Editor
エレミニスト編集部
日本をはじめ、世界中から厳選された最新のサステナブルな情報をエレミニスト独自の目線からお届けします。エシカル&ミニマルな暮らしと消費、サステナブルな生き方をガイドします。
次に一人あたりのGDPランキングの上位50か国を紹介する。一人あたりのGDPは、各国のGDPを人口で割った数値を表し、こちらも国の平均的な豊かさの指標になる。(※2)
順位 | 国名 | 単位(US$) |
1位 | ルクセンブルク | 140,940 |
2位 | アイルランド | 108,919 |
3位 | スイス | 104,895 |
4位 | シンガポール | 92,932 |
5位 | アイスランド | 90,283 |
6位 | ノルウェー | 89,693 |
7位 | アメリカ | 89,105 |
8位 | マカオ | 76,314 |
9位 | デンマーク | 74,969 |
10位 | カタール | 71,652 |
11位 | オランダ | 70,479 |
12位 | オーストラリア | 64,547 |
13位 | サンマリノ | 59,603 |
14位 | オーストリア | 58,191 |
15位 | スウェーデン | 58,100 |
16位 | ベルギー | 57,772 |
17位 | イスラエル | 57,760 |
18位 | 香港 | 56,030 |
19位 | ドイツ | 55,911 |
20位 | イギリス | 54,949 |
21位 | フィンランド | 54,162 |
22位 | カナダ | 53,558 |
23位 | アラブ首長国連邦 | 49,498 |
24位 | フランス | 46,792 |
25位 | ニュージーランド | 46,126 |
26位 | マルタ | 45,734 |
27位 | アンドラ | 45,263 |
28位 | キプロス | 41,131 |
29位 | イタリア | 41,091 |
30位 | プエルトリコ | 38,605 |
31位 | アルバ | 37,775 |
32位 | バハマ | 36,783 |
33位 | スペイン | 36,192 |
34位 | スロベニア | 35,332 |
35位 | ブルネイ | 34,969 |
36位 | 韓国 | 34,641 |
37位 | 台湾 | 34,426 |
38位 | 日本 | 33,955 |
39位 | チェコ | 33,039 |
40位 | エストニア | 32,760 |
41位 | ガイアナ | 32,326 |
42位 | リトアニア | 30,835 |
43位 | サウジアラビア | 30,098 |
44位 | ポルトガル | 30,002 |
45位 | クエート | 29,950 |
46位 | バーレーン | 28,857 |
47位 | スロバキア | 27,130 |
48位 | ポーランド | 26,805 |
49位 | バルバドス | 25,901 |
50位 | ギリシャ | 25,756 |
一人あたりのGDPは、各国の国民一人あたりの本当の豊かさを表す指標とも言える。一人あたりのGDPが世界でもっとも高い国は、ルクセンブルグだ。2025年の結果は、14万940ドルとなり、過去30年以上にわたり、トップの水準を維持している。
ルクセンブルグの一人あたりのGDPが高い理由として、近隣諸国からルクセンブルグに労働に来る人の数が多いことがある。その場合、ルクセンブルグのGDPは増えるが、一人あたりのGDPを計算する際はルクセンブルグの人口から計算されるため、一人あたりのGDPは高くなる傾向にある。
2位はアイルランド(10万8,919ドル)、3位はスイス(10万4,895ドル)とつづいた。
2025年のランキングで、日本は世界5位、一人あたりのGDPでは38位だった。
日本は、2023年のGDPランキングまでは、1位のアメリカ、2位の中国に次いで、3位の位置につけていた。だが、2024年のランキングでドイツに抜かれて4位へ、そして今回の2025年のランキングでは、インドに抜かれて5位になった。
また一人あたりのGDPについて見てみると、主要各国と比べると日本の水準が低いことがわかるだろう。
7位 | アメリカ | 8万9,105ドル |
19位 | ドイツ | 5万5,911ドル |
20位 | イギリス | 5万4,949ドル |
22位 | カナダ | 5万3,558ドル |
24位 | フランス | 4万6,792ドル |
29位 | イタリア | 4万1,091ドル |
38位 | 日本 | 3万3,955ドル |
G7平均 | 6万4,768ドル | |
EU平均 | 4万7,857ドル |
円安のため、ドル換算されるときにGDPが目減りしていることもあるが、GDPランキングの結果から、日本経済の成長に鈍化がみられ、世界における日本の存在感が薄れつつあることがうかがえる。
その理由のひとつとして指摘されているのが、生産性の低下だ。高齢化による労働人口の減少、さらにAIやIT技術の導入の遅れによることもあるだろう。
実際、将来のGDPランキングについて、日本はトップ10以下になり、一人あたりのGDPの順位も下がることが予測されるケースが多い。
かつては日本はGDPで世界3位となり経済大国と言われた。だが、人口減少をはじめ、さまざまな要因によって、経済の成長が鈍化傾向にある。それとともに、世界の主要国と比べると、GDPにも差が見えてくるようになってきた。
GDPは経済的な指標のひとつであり、GDPが高ければ国民は幸せであるかというと、必ずしもそうとは言えないかもしれない。だが、日本では貧困家庭が増えるなど、快適なくらしを送りにくい境遇の人も存在するのが事実だ。
出生率の低下も問題視され、日本経済の先行きは不安が大きいかもしれない。しかし、SDGsの「誰一人取り残さない」の理念のように、日本でも取り残されるような人が出ないような取り組みや対策、さらに私たちの意識変化がもっと必要になるのではないだろうか。
ELEMINIST Recommends