【2024年最新】世界の出生率最新ランキング 日本の順位や先進国の現状を解説

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世界人口予測や少子化判断に重要な、出生率。本記事では2024年のデータをもとに、世界の出生率最新ランキングを紹介する。それを踏まえて日本の順位や先進国の現状にも言及。また、世界平均や、出生率が高い国・低い国それぞれの特徴も解説していく。

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2024.12.28
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合計特殊出生率とは

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「出生率」とは、人口1,000人に対する1年間の出生数の割合を示す数値のことで、普通出生率ともいう。

少子化が進む日本においてより注目されているのが、「合計特殊出生率」だ。合計特殊出生率とは、15~49歳までの年齢別出生率を合計したもの(※1)。

簡単にいうと、1人の女性が一生の間に何人の子どもを産むかを計るための指標である。

出生率を把握することの重要性

なぜ出生率を把握する必要があるのだろうか。

出生率には、人口を維持する水準となる数値がある。この数値と実際の数値を照らし合わせることで、少子化の判断ができる上、今後人口が増加するのか減少するのか予測することができるのだ。

とくに、合計特殊出生率は年齢構成の影響を受けにくく、年次や地域間で出生動向を比較するのに適した指標として幅広く利用されている(※2)。

最新・世界の出生率ランキング

アメリカ合衆国中央情報局(CIA)が発表している「The World Factbook」のデータによると、2024年の合計特殊出生率の最新ランキングは以下のとおり(※3)。

順位国名出生率
1位ニジェール6.64
2位アンゴラ5.7
3位コンゴ民主共和国5.49
4位マリ5.35
5位ベナン5.34
6位チャド5.24
7位ウガンダ5.17
8位ソマリア5.12
9位南スーダン5.09
10位ブルンジ4.9
11位ギニア4.78
12位モザンビーク4.66
13位ギニアビサウ4.62
14位ナイジェリア4.52
15位スーダン4.47
16位カメルーン4.44
17位アフガニスタン4.43
18位ザンビア4.42
19位タンザニア4.27
20位トーゴ4.13
21位赤道ギニア4.12
22位セネガル4.06
23位ブルキナファソ4.02
24位東ティモール3.98
25位中央アフリカ3.94
26位リベリア3.93
27位エチオピア3.84
28位パプアニューギニア3.79
29位コンゴ共和国3.79
30位シエラレオネ3.61
31位タジキスタン3.56
32位ガーナ3.56
33位ガンビア3.52
34位ヨルダン川西岸地区3.49
35位マダガスカル3.47
36位ジンバブエ3.47
37位エリトリア3.43
38位モーリタニア3.4
39位コートジボワール3.4
40位パキスタン3.32
41位サントメ・プリンシペ3.31
42位ガザ地区3.26
43位ガボン3.21
44位マラウイ3.19
45位ケニア3.16
46位ルワンダ3.14
47位イラク3.1
48位リビア3
49位アルジェリア2.94
50位イスラエル2.92
51位ナミビア2.89
52位ヨルダン2.87
53位レソト2.85
54位イエメン2.82
55位ツバル2.78
56位ソロモン諸島2.77
57位ウズベキスタン2.76
58位フィリピン2.75
59位グアム2.73
60位シリア2.69
61位マーシャル諸島2.67
62位トンガ2.65
63位エジプト2.65
64位オマーン2.64
65位コモロ2.61
66位カザフスタン2.58
67位北マリアナ諸島2.56
68位ナウル2.55
69位バヌアツ2.53
70位グアテマラ2.52
71位キルギス2.45
72位ハイチ2.44
73位エスワティニ2.37
74位パナマ2.35
75位ボツワナ2.34
76位ホンジュラス2.33
77位サモア2.33
78位南アフリカ2.27
79位フェロー諸島2.27
80位モロッコ2.25
81位ラオス2.24
82位クウェート2.21
83位エクアドル2.21
84位フィジー2.21
85位ボリビア2.2
86位ミクロネシア連邦2.19
87位ベネズエラ2.18
88位カンボジア2.17
89位アルゼンチン2.15
90位ペルー2.15
91位キリバス2.15
92位ドミニカ共和国2.15
93位スリランカ2.13
94位ジブチ2.11
95位カーボヴェルデ2.1
96位バングラデシュ2.07
97位アメリカ領サモア2.06
98位ジャマイカ2.05
99位ガイアナ2.05
100位ベリーズ2.05
101位インド2.03
102位ベトナム2.03
103位トルクメニスタン2.02
104位クック諸島2.02
105位エルサルバドル2.02
106位ドミニカ2.01
107位シント・マールテン1.97
108位ヴァージン諸島1.97
109位ミャンマー1.97
110位インドネシア1.96
111位キュラソー島1.96
112位ジョージア1.95
113位アイスランド1.94
114位コロンビア1.94
115位チュニジア1.93
116位アンティグア・バーブーダ1.93
117位イラン1.91
118位グレナダ1.9
119位トルコ1.9
120位カタール1.9
121位フランス1.9
122位スリナム1.89
123位ジブラルタル1.89
124位グリーンランド1.88
125位バミューダ諸島1.88
126位パラグアイ1.88
127位マン島1.88
128位モンゴル1.87
129位コソボ1.87
130位サウジアラビア1.87
131位ニュージーランド1.85
132位ネパール1.85
133位アメリカ1.84
134位ニカラグア1.83
135位ニューカレドニア1.83
136位ケイマン諸島1.82
137位アルバ1.82
138位北朝鮮1.81
139位セーシェル1.81
140位サン・マルタン1.8
141位モンテネグロ1.8
142位メキシコ1.79
143位フランス領ポリネシア1.79
144位デンマーク1.77
145位ベルギー1.76
146位セントクリストファー・ネイビス1.76
147位ブータン1.76
148位チリ1.75
149位ウルグアイ1.75
150位フィンランド1.74
151位ブラジル1.74
152位セントビンセント・グレナディーン1.74
153位ブルネイ1.73
154位チェコ共和国1.73
155位オーストラリア1.73
156位マレーシア1.73
157位アングィラ1.72
158位アイルランド1.72
159位レバノン1.71
160位ウォリス・フツナ1.71
161位セントルシア1.71
162位キューバ1.71
163位バルバドス1.7
164位タークス・カイコス諸島1.7
165位モルディブ1.7
166位パラオ1.7
167位アゼルバイジャン1.69
168位リヒテンシュタイン1.69
169位スウェーデン1.67
170位ジャージー1.66
171位バーレーン1.65
172位アルメニア1.65
173位サン・バルテルミー島1.64
174位トリニダード・トバゴ1.63
175位ルクセンブルク1.63
176位ルーマニア1.63
177位イギリス1.63
178位エストニア1.62
179位リトアニア1.62
180位オランダ1.61
181位セントヘレナ・アセンションおよびトリスタンダクーニャ1.61
182位アラブ首長国連邦1.61
183位サンピエール島・ミクロン島1.6
184位スロバキア1.6
185位スロベニア1.6
186位ハンガリー1.6
187位スイス1.59
188位ガーンジー1.59
189位カナダ1.58
190位ドイツ1.58
191位ノルウェー1.57
192位ラトビア1.55
193位中国1.55
194位アルバニア1.55
195位サンマリノ1.54
196位モナコ1.54
197位タイ1.54
198位北マケドニア1.53
199位ロシア1.52
200位オーストリア1.52
201位マルタ1.51
202位ブルガリア1.51
203位キプロス1.49
204位アンドラ1.47
205位セルビア1.46
206位クロアチア1.46
207位ポルトガル1.45
208位ベラルーシ1.45
209位バハマ1.44
210位コスタリカ1.43
211位ギリシャ1.41
212位日本1.4
213位イギリス領バージン諸島1.38
214位ボスニア・ヘルツェゴビナ1.38
215位モーリシャス1.36
216位モントセラト1.33
217位ポーランド1.32
218位スペイン1.3
219位イタリア1.26
220位プエルトリコ1.26
221位モルドバ1.26
222位マカオ1.24
223位香港1.24
224位ウクライナ1.22
225位シンガポール1.17
226位韓国1.12
227位台湾1.11

日本や先進国の出生率の現状

ここからは、日本や先進国の出生率について詳しく見ていこう。日本を含めた先進国(G7)の出生率は以下のとおりだ。

全体における順位国名出生率
121位フランス1.9
133位アメリカ1.84
177位イギリス1.63
189位カナダ1.58
190位ドイツ1.58
212位日本1.4
219位イタリア1.26

日本の順位は、G7中6位と非常に低い。また、世界的に見ても227ヶ国中212位であり、最低レベルの数値である。

人口を維持するには出生率2.06~07が必要とされるが、2024年のデータでは、G7すべての国がこの数値を下回った。2023年のデータでは、G7のうち唯一「2」を超えていたフランスも1.9となり、多くの先進国が深刻な少子化問題を抱えていることがわかる。

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日本の出生率の現状と課題

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2024年のデータで日本の合計特殊出生率は、1.4。これは、1人の女性が生涯を通じて産む子どもの数が1.4人であることを表している。専門家によって用法に違いはあるが、1.5未満は「超少子化」とされ、日本はこれに当てはまる(※4)。

日本の人口は2020年には約1.2億人であったが、少子化によって、子どもや若者が減り、高齢者率が増えながら、全体の人口が減少していくと推測されている。国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2070年には8,700万人となるそうだ(※5)。

日本の出生率が低い要因として、育児かかる費用が大きいという経済的要因や、育児休業制度や労働時間の短縮といった子育て支援体制が十分でないことなどの社会的要因が挙げられる(※6)。

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出生率が高い国の特徴や理由

「The World Factbook」のデータによる2024年の合計特殊出生率の最新ランキングの上位には、アフリカ地域の国が多い。

アフリカ地域の出生率が高い背景のひとつは、一族の血脈を保ち、社会的地位を受け継がせるために子どもを持つことに高い価値を置いており、避妊への抵抗感が根強いことが挙げられる(※7)。

また、人口抑制政策を確立している国が少ないことや、家族計画の普及が遅れていることも理由のひとつ。さらに、開発途上国では貧しい家庭が多く、労働力とするために子どもをたくさん産むことも、出生率が高い理由である(※8)。

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出生率が低い国の特徴や理由

出生率が低い国には、G7をはじめとする先進国が目立つ。これは、簡単な言葉でまとめると「ライフスタイルの多様化」によるものが理由のひとつだと考えられている。

「専業主婦として子どもを育てる」ことが主流であったところから、女性の就労率が高まり、「子育てをしながら働く」ライフスタイルを選択する人が台頭してきた。

しかし、この“子育てと仕事を両立”というライフスタイルを受け入れる社会環境が整備されていないことから、子育てをしながら働きたい女性の希望は叶いにくく、「結婚や出産をせずに働き続ける」か「結婚や出産をして仕事を辞めるか」のどちらに分断されてしまうケースもある。その結果、出生率の低下につながってしまうのだ(※9)。

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出生率の世界平均は

先述のランキングから計算すると、2024年の世界の平均出生率は「2.36」。先進国などでは人口減少が問題視されているものの、世界全体で見ると人口を維持する出生率の基準となる2.06~07を超えており、このまま推移すれば人口は増加する傾向にあることがわかる。

実際に、1950年におよそ25億人だった世界の人口は、2000年にはおよそ61億人と、この50年の間に2.4倍に増加。2050年までに、世界人口は、国連の中位推計で93億人に達するものと予想されているのだ(※10)。

また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が出生率低下に影響を与えているとの見方もあるが、コロナ禍において出生率を上げた国もある。日本は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が猛威を振るった2020年に出生率が下がった国のひとつであるが、それよりも前から出生率の低下が見られていたため、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)だけが低下の原因とは言い難い(※11)。

世界の出生率低下が続く理由

世界全体の出生率が人口維持の水準を超えているとはいえ、出生率の数値自体は年々低下している。米ワシントン大学の研究チームは、出生率の低下により、世界の人口は2064年にピーク(約97億人)を迎えた後、今世紀末には約88億人にまで減少するという予測を発表している。

出生率の低下が続く理由は、国や地域間で差があり、多岐にわたる。たとえば日本は、経済的な停滞で実質賃金が増えないことや、育児の負担が女性に偏っているということ、学費が高く子育てにコストがかかることなど育児の負担が大きいことが理由として挙げられる。

また、一部の国においては、教育を受け仕事をする女性が増え、結婚して子どもを産むだけでなく、働く選択ができるようになったことなど、ポジティブな変化による理由もある(※12)。

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出生率の変化がもたらす社会的・経済的影響

出生率の変化は、社会的・経済的に大きな影響をもたらす。

たとえば、長期的な出生率の低下が見られる国では、少子高齢化が進み、労働力不足や社会保障費の負担増といった問題が深刻化する。全体の人口も減るため、これまでと同じ社会基盤を維持するのは難しくなるだろう。

しかし、出生率が低下することで、人口増加による食料不足問題の緩和や、人間活動による環境問題を食い止められる可能性もあると考えられている。

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日本だけでなく、世界の出生率にも注目

日本では、少子高齢化が深刻な問題として認知されているが、世界の合計特殊出生率を見てみると意外にも人口は増加傾向にあることがわかる。しかし、出生率の数値が低下していることからわかるように、いずれは世界的に人口は減少していくだろう。社会の変化や経済への影響などをキャッチアップするためにも、日本だけでなく世界の出生率にも意識を向けてみては。

※掲載している情報は、2024年12月28日時点のものです。

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