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寄付付き商品とは、買い物すると同時に、地球環境や発展途上国の問題に関する寄付ができる商品のこと。必要なものを購入するだけで、自然と社会貢献につながり誰でも気軽に参加できる。この記事では寄付付き商品のメリットや選び方、販売されているおすすめ商品をピックアップする。
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エレミニスト編集部
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寄付付き商品とは、商品の購入によって特定の団体や慈善団体に対して一定額の寄付が行われる仕組みのことである。商品の購入価格の一部が、慈善団体や支援先に寄付される。
寄付付き商品は、消費者が自分の購買行動を通じて社会貢献や社会的な問題解決に貢献する手段である。企業が商品に寄付付きの仕組みを組み込むことで、消費者に商品の購入を促進し、同時に社会的な責任を果たすことにつながる。集まった寄付は特定の社会問題や環境問題への対応、災害救援活動や地域社会の支援など、さまざまな目的で使用される。
また、消費者にとっては商品の購入が寄付につながることで、社会的な参加意識も高められ社会全体をよくする仕組みの一つだ。
寄付付き商品に関連する取り組みとして「1% for the Planet(1%フォー・ザ・プラネット)」がある。1% for the Planetは、自然環境保護に貢献するビジネスの奨励を目的とする非営利団体として結成された。世界中の5,000社以上からなるグローバルネットワークを形成しているこの団体は、2002年にパタゴニアの創設者であるイヴォン・シュイナードと、ブルー・リボン・フライズ社の創設者であるクレイグ・マシューズによって設立された。
1% for the Planetの目的は、ビジネスが存続するために必要な自然資源を保護し、世界規模で環境問題に取り組むことである。加盟している企業や個人は、年間収益の1%を第三者機関の管理もと環境保護団体に寄付することで、自然環境の保護に貢献している。この取り組みにより、これまで世界中で4億5,000万米ドル以上が環境保護団体への支援金として提供されている。(※1)
1% for the Planetは、持続可能なビジネスモデルの普及や環境保護活動の推進を通じて、地球環境の保護と持続可能な未来の構築に貢献している。その取り組みは、企業や個人が自然環境に対する責任を果たし、地球全体の生態系や自然資源の保護に向けた努力を支援するのが目的である。
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寄付付き商品を、消費者が選択するメリットについて解説していく。
寄付付き商品の購入は、社会貢献活動に直接的に貢献する。商品の購入代金の一部が寄付として社会問題の解決や支援活動に使われるため、消費者は自らの行動が社会にポジティブな影響を与えることとなる。1% for the Planetに加盟する店やブランドでは、商品の売り上げの1%が環境保護団体に寄付され、環境問題への支援が行われている。
寄付付き商品を購入することで、消費者の社会問題への意識が高まる。商品購入時に寄付が行われる仕組みは、消費者に対してその商品が何らかの社会的な付加価値を持っていることを示すため、購買意欲を高めることにつながる。また、寄付先の団体や活動に関する情報が提供されることで、消費者が社会問題についてより深く理解し、関心を持つことが期待できる。
寄付付き商品の購入は、消費者にとって手軽で簡単な社会貢献の方法だ。特別な行動や手続きを必要とせず、日常的な買い物を通じて寄付が行われるため、誰もが気軽に取り組むことができる。購入者自身が直接的な負担や不便さを感じることなく社会貢献に参加できるため、自然な形で社会に貢献できる。
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寄付付き商品を選ぶ際には、必要な商品であることはもちろん、いくつかの確認すべきポイントもある。
寄付付き商品を選ぶ際には、その寄付先が信頼できる団体や機関であるかどうかを確認する。寄付先の活動内容やこれまでのレポート、組織の透明性などをインターネットを使って調べ、信頼できる団体であるかを判断する。また認定NPOや認定NGOなど、公的な認定を受けている団体であれば信頼性が高いと考えられる。
寄付付き商品の購入金額のうち、実際に寄付される割合を確認することも重要だ。一般的に、商品価格の一部が寄付として使われる仕組みであるため、その割合が明確であり、適切な金額が寄付されることが望ましい。寄付の割合が明示されているかどうかを確認し、その割合が適切であるかを考慮する。
寄付付き商品を選ぶ際には、商品自体のクオリティやブランドに共感できるかどうかも重要なポイントだ。寄付だけを目的とするのではなく、購入を検討する商品が自分にとって本当に必要であり、できれば高品質なものを選びたい。またブランドが示す理念が地球環境にとっていいか、自らの価値観に共感できるかにも注目する。商品の購入を通じて寄付が行われる場合でも、自らが満足できる品質の商品であることが重要だ。
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ここからは、おすすめの寄付付き商品やサービスを20アイテム紹介する。
フェアトレード&オーガニック栽培されたマテ茶。1本あたり約7円が、開発途上国への支援を行う団体に寄付される。ほんのり甘く、オレンジジュースとレモン果汁の爽やかな風味が心地いい。おしゃれな瓶に入っているので、飲み終わった後はスプレー容器や花瓶などのインテリア雑貨に活用して。
「レッドカップ」キャンペーンは、国連世界食糧計画(WFP)が給食用容器として使用している赤いカップに由来している。このキャンペーンに賛同する企業が、レッドカップのマークが付いた商品を販売すると、その売り上げの一部が企業から寄付される。例えば、日清食品のチキンラーメンやハウス食品のとんがりコーンなどが対象となっている。
「1チョコ for 1スマイル」は、森永製菓が実施している活動だ。チョコレートの売上の一部がカカオ生産地の子どもたちの教育環境の改善や児童労働問題への支援に充てられる。ガーナなどのカカオ生産国で、未来を担う子どもたちの支援を目的としている。
後継者不足や生産環境の変化により、絶滅の危機にある無農薬の日本茶を詰め合わせたアソートパック。山県の「バタバタ茶」、和歌山県の「釜炒り番茶」、愛媛県の「石鎚黒茶」がセットになっている。1点購入につき、100円がWWFジャパンに寄付される。
フレーバードティー「タバサム」は、ルピシアとの協力によってつくられた紅茶で、AAR Japanのチャリティショップで購入できる。商品の純益はAAR Japanの活動に活用され、難民支援や地雷・不発弾対策、災害支援などの活動に役立てられる。
最高品質のタンブラー。漏れない、ニオイが移らない、結露しない、高い保温・保冷性など、タンブラーユーザーにとってうれしい機能が充実している。人間工学に基づいた絶妙なカーブで、握りやすさも抜群。そのデザインの素晴らしさから、Good Design Awardを受賞している。STTOKEは、各団体への売上の一部を寄付している。色ごとに異なる団体に寄付され、顧客は自身が支援したいテーマに合わせてカップの色を選ぶという楽しみがある。
シリコーンバッグで人気のstasherは1% for the Planetに参加しており、売上の一部が環境保護活動に寄付されるアイテムだ。バッグの原料は食品用品質として認められている100%ピュアプラチナシリコーン。洗って何度でも繰り返し使うことができるため、購入から使用に至るまで環境に配慮された商品といえるだろう。
ハッピーエレファントは、環境にも人にもやさしい洗剤で、天然界面活性成分「SOFORO(ソホロ)」を配合している。またSARAYAの製品を購入することで社会貢献ができる点が特徴だ。SARAYAは1952年の創業以来、ひとと地球にやさしい製品づくりに取り組んでおり、売上の一部を世界の社会貢献活動に寄付している。
ペラケースは、植物由来のバイオポリマーを使用して製造されたAirPods Pro用のケースだ。製造に必要な非再生可能エネルギーを最大50%削減し、従来のプラスチックポリマーと比べて温室効果ガスの発生を最大60%削減できるとされている。さらに、環境保護に積極的に取り組む非営利団体である「1% for the planet」に加盟しており、売り上げの1%が環境保護活動に寄付される。
シチズンクロスシーは、日本のレディースウォッチブランドで、購入すると売り上げの一部が開発途上国の女子を支援する活動に寄付される。シチズンクロスシーは、2013年からNGOプラン・インターナショナルの「Because I am a Girl」キャンペーンに賛同し、この活動への支援を継続している。
宮古島のオーガニックハイビスカスを使用した、サステナブルなチーク。宮古島で農薬を使用せずに育てられている沖縄在来のハイビスカス「あかばなぁ」を使用しており、スキンケア発想のナチュラルヴィーガンチークとして人気がある。また、チークの売上の一部が沖縄のサンゴと美しい海を守る「サンゴの森基金」に寄付されており、持続可能な環境づくりや地域づくりにも貢献している。
板チョコのように見えるこちらは、オーストラリア製のオーガニックなミツロウを100%使用したミツロウバー。オリジナルの保湿バーム作り、ミツロウラップ作りやメンテナンス、家具のつや出しなどに使える。「1% for the planet」に加盟しているため、売り上げの1%が環境保護活動に寄付される。
シオリスは、COSMOS ORGANIC認証を取得している韓国発のヴィーガンスキンケアブランド。年間売り上げの1%が「1% for the planet」に寄付されるほか、韓国の市民団体「FOREST FOR THE PLANET」とともに植樹活動も行う。
ラッシュジャパンが手がけるチャリティポットコインは、固形タイプのボディローションだ。購入することで、消費税を除く売り上げの全額が動物の権利擁護、人権擁護、環境保護に取り組む草の根団体に寄付される。またこの商品は、植物性の原材料だけを配合することにこだわっており、体にもやさしい。
スプーン・スプーンは、農薬や化学肥料を使わずに育てた植物を原料に使用している。購入することで売り上げの一部は、公益社団法人国土緑化推進機構の「緑の募金」に寄付され、日本の森林保護に貢献できる。さらに障害者支援にも取り組んでいる企業で、福祉作業所でのハーブの生産や印刷の仕事を通じて社会貢献を行っている。
早くから環境保全活動に積極的に取り組んでいるパタゴニア。上述した「1% for the planet」もパタゴニア創設者が設立した取り組みで、パタゴニアでも1985年からこの取り組みに参加している。
モンベルは、日本初の人気アウトドアブランドだ。寄付付き商品であるTシャツを購入することで、ユニークな寄付を行える。このTシャツには約25種類のデザインがあり、それぞれの売り上げの一部が異なる支援先に寄付される。主な支援先は自然保護団体が多い。
オーガビッツは、オーガニックコットンの普及を通じて、有機農地を広げ、環境汚染を改善することを目指している。オーガビッツの商品にはオリジナルのタグが付いており、このタグ1枚につき1円が一般財団法人ピース・バイ・ピースコットンに寄付される。この寄付によって、インドのオーガニックコットン農家の支援などが行われている。
Ecosiaは、2009年にドイツで開発されたインターネットの検索エンジンだ。この検索エンジンを利用することで、インターネットでの検索行動が地球を守る植林活動につながる。Ecosiaは収益の約80%を植樹活動に活用しており、これまでに1億1,000万本以上の木を世界中に植樹している。
ヒトサラ×TABLE FOR TWOは、ヒトサラでお店を予約することで、1回の予約につき20円がTABLE FOR TWOに寄付される仕組みだ。TABLE FOR TWOでは、開発途上国の子どもたちに一食分の給食を届ける活動を行っている。
ELEMINIST SHOPでは、商品の購入代金の一部が環境保全活動などの支援に寄付できる。また、1% for the Planetに加盟しているブランドをはじめとした寄付付き商品を数多く扱っており、買い物することで気軽に環境問題の取り組みを支援できる。
寄付付き商品は購入するだけで、企業から社会貢献団体に寄付が行われる仕組みになっており、誰でも気軽に参加できるエシカルな活動の一つである。寄付付き商品を選ぶ際には、自らのライフスタイルに必要であることや、商品の品質が高いものを選びたい。
また企業理念やブランドの考え方にも共感できることで、継続してその商品を利用しやすくなり長期的な支援につながるだろう。
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