「今日から今からできること」を軸に、エシカルなアクションを自分らしく実践し発信しているインスタグラマーの川畑若菜さん(_wakana.k_)。彼女に聞いたのは誰にとっても身近なごみ拾いのこと。ごみゼロの日を前に、ごみ拾いの実体験と楽しみ方を語ってもらった。
Yu Suzuki
ライター・エディター
東京都在住。出版社で住宅インテリア誌やベビー誌の編集に関わり、企業でwebコンテンツの制作やマーケティング、PRを担当。森や山が好きで、気象や森林保全、動物の未来に興味を持つ。
知識をもって体験することで地球を変える|ELEMINIST Followersのビーチクリーンレポート
関西を中心にPRプランナー・ライターとして活動している川畑さん。環境課題に対する考えやいますぐできる取り組みをInstagramで発信してきた。エシカルコンシェルジュも取得し、さらに活動の幅を広げている。日々心がけていることを聞いてみた。
「外出時は、マイボトルやマイバッグをもちろん持ち歩きます。ストイックに頑張るというよりも、 “持っていて楽しい” “かわいい”という感覚が大切。お気に入りを持てばエシカルなアクションも楽しみながら続けられます」
川畑さんが愛用している「stojo」のボトルと「aco wrap」の蜜蝋ラップ。この蜜蝋ラップでバナナを巻いてそのまま鞄へ。そして薄型で持ち運びに便利なのが再使用可能なプラスチックボトル「memo bottle」。持ち歩きやすく、ドライブ時にも活躍。
「ほかには、シャンプーや洗剤は詰め替え用を選んだり、贈り物の包装は選択肢があれば簡易的なものにしたり。“これはごみになるかな”と、一歩立ち止まってイメージをしながら行動しています。あとは現状を知るために本を読んで学び続けることですね。インプットは欠かせません」
書籍や雑誌の特集を見たり、出会ったひとたちの話を聞いて、エシカルやSDGsを学んでいる。
ごみ拾いも積極的に取り組んでいる。
「淡路島の海に行ったときは15分ほどビーチクリーンをしました。街や家庭から出るプラスチックごみがたくさんあり、私たちの暮らしが海などの自然にも影響があることを実感しました。道や近所でごみを拾うことは、その街の美化だけではなく遠くの海や自然を守ることにつながるんですね。小さな積み重ねで変えていけると信じています」
誰でもどこでもできるのがごみ拾い。川畑さんの最初の一歩は、国内外で清掃活動を行う団体、「green bird(グリーンバード)」の活動への参加だった。
「私にとって初めてごみ拾いがグリーンバードの活動でした。とくに印象に残っているのはたばこの吸い殻。道に落ちている量には驚きました。ペットボトルやちりごみ、ビニール傘といったまだ使えるものもあり、“なぜ捨てられたのかな”と捨てるに至った背景にも関心を持ちました。いつもの街を違った目線で見ながら、黙々とごみ拾いに取り組みました」
拾ってもまだ見つかるたばこの吸い殻。ごみ拾いをするまでは、たばこがこんなに落ちているとは気づかなかったという。
「ごみ拾いという初めての体験をどう感じるかを大切にしたいと思い、あえてひとりで参加したんです。スタッフの方も参加されている方もみなさんやさしく、ごみ拾いという共通の目的のもと、いろんな方と知り合えて嬉しかったです。ひとりでも不安はありませんし、もちろんお友達と一緒に行っても楽しく取り組めますよ」
グリーンバードの活動で集まった袋いっぱいのごみ。
グリーンバードのごみ拾い活動では、ご自身の内面に新しい発見があったとか。
「ごみ拾いをしているときは、他のことを全く考えずごみ拾いに集中していました。車や行き交う人に気をつけながらどこにごみが隠れているか探っていると、時間が過ぎるのはあっという間!感覚が研ぎ澄まされ、街をきれいにしながら自分の心もスッキリ整理されるという思いがけない発見があったのです。グリーンバードでの活動を通して、街や家庭のごみに向き合うと同時に、自分の心を見つめる機会にもなりました。ぜひ一度、気軽に参加してほしいです」
green bird(グリーンバード) 「きれいな街は、人の心もきれいにする」をコンセプトに、全国各地でおそうじ活動に取り組んでいる。合言葉は、“KEEP CLEAN, KEEP GREEN.“。HPの「スケジュール」で参加できる活動をチェックし、申し込みフォームから参加が可能。 https://www.greenbird.jp/ |
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ごみを拾ったら、写真を撮って投稿する。ごみ拾いをこのような新しい形で楽しめるのが、社会貢献SNS「ピリカ」だ。日本を中心に世界108カ国で利用され、ごみ拾いの様子を投稿したりごみを減らす目的を持った人の存在を感じたりできるサービスである。
「ピリカを見ていると、日本だけではなく世界中のごみの状況が写真や数値でリアルタイムにわかって、刺激を受けました。国が違えばごみの種類や量も違い、その国特有のごみもあり、投稿を眺めながらいろんな関心が湧いてきました」
「ピリカ」でごみ拾いへの関心もより高まるのでは?
「今日もどこかでごみを拾っている人がいるということをピリカを見るとわかります。アプリを通じて遠い場所にいても同じ目的でつながれるのがすてきな体験だと思いました。また、“ありがとう”“お疲れさまです”など、あたたかいコミュニケーションであふれているのもいいですね。私も気負わずできるときにやってみようと背中を押される感覚になりました。5月30日のごみゼロの日に初投稿をしてみようと思います。いまから楽しみ!」
ピリカならいつでもどこでもアクションを起こし、ごみ拾い仲間を感じながら楽しむことができる。
ピリカ(Pirika) 世界108カ国以上で利用され、これまでに拾われたごみの数は1.8億個以上。世界中で問題となっているごみの自然界流出に、一人ひとりが向き合えるごみ拾いSNS。 https://sns.pirika.org/ |
「初めの一歩は踏み出すことに勇気がいりますが、まずは1回、ごみ拾いをしてみて、“自身がどう感じるのか”をぜひ知ってみてほしいです」
川畑さんが伝えたいごみ拾いの楽しさとは?
「ごみ拾いは街がきれいになりますし気持ちも良くて、充実感も得られます。さらに私の場合、ごみ拾いをした日は家のそうじも進むという効果がありました。“街をきれいにしたから自分の家もきれいにしよう”というマインドになったみたい。人の心理っておもしろいですね。みなさんにもごみ拾いから生まれる相乗効果を体感してほしいなあと思います」
「あともうひとつ。ごみ拾いはしゃがんだり立ったりするので、ちょっとしたエクササイズにもなるのです。街だけではなく、心も体もヘルシーになれるごみ拾い。ぜひ楽しくトライしてみてください」
ごみ拾いでどんなことを感じるかを知ること。
街をきれいにしながら自分も磨かれていく。
ごみを拾いの新たな視点を川畑さんは教えてくれた。
川畑若菜
1995年生まれ。大阪府在住。大学在学中からフリーランスとして活動を始め、PRやライター、企画プランナーなどに携わる。エシカル・コンシェルジュ資格(一般社団法人エシカル協会主催)を取得し、さらに活動の幅を広げている。
写真提供/川畑若菜
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