環境保全に貢献するサステナブルなアプリを紹介する連載。第3回は、2019年1月にリリースされた、社会貢献を見える化したアプリ「actcoin」を取り上げる。毎日のアクションを記録したりプロジェクトに参加することでコインを貯め、ユーザー同士でもつながることができる注目のアプリだ。
ayako
ライター/エシカルコンシェルジュ
物心ついた頃から自然や動物が大好き。アパレル業界で働くうちに持続可能性に疑問を抱きはじめる。その後OLへ転身し、2017年からwebライターとして活動中。音楽やアロマテラピーを通して感性…
知識をもって体験することで地球を変える|ELEMINIST Followersのビーチクリーンレポート
✓「actcoin」を使用すると約300団体の社会貢献プロジェクトに参加できる。
「actcoin(アクトコイン)」は、2019年1月にサービスの提供を開始したアプリ。社会貢献活動を見える化してユーザーのソーシャルアクションに対して仮想コインを発行するもので、連携企業やNPO団体が公開する社会貢献プロジェクトに参加したり情報をSNSでシェアしたりすることにより、独自のコインをユーザーに付与する仕組みだ。
この日本初の取り組みは注目度も高く、賛同者には日本財団CANPANセンターや学研ホールディングスが名を連ねている。実際に登録しているユーザーも社会人だけでなく中高生・大学生も多く「手軽に社会課題を学べたり、小さなことから始められるのがいい」という声が届いている。
これまで寄付などの社会貢献活動は可視化されにくく、誰がどんなプロジェクトに参加・賛同しているのかを把握することは難しかった。
actcoinでは、アプリを通して、ボランティア活動や社会貢献プログラムへの参加、SNSでのシェアなどを行った場合のみ、コインが発行される。そのコインは貯めることができてブロックチェーンで管理されるので、ユーザーのソーシャルアクションが可視化されている。
アプリから参加できるプロジェクトは、SDGs17の目標のうち関連する項目が表示されているので、各々関心のある課題に取り組む団体を支援することが可能だ。
今後は、貯めたコインを寄付や活動に使えるような仕組みを目指している。実現すると、actcoinを通して「擬似的な寄付体験」を行うことができ、ひとりひとりの社会貢献アクションにつながる。
「actcoin」開発者・佐藤正隆さん
今回「actcoin」の開発元であるソーシャルアクションカンパニー株式会社 代表取締役の佐藤正隆さんにお話を伺った。
――まずはじめに、actcoinを開発した理由をおしえてください。
佐藤さん:個人の社会貢献活動は、どうしても行動や実績が見えづらい。サステナブルな社会貢献活動を実現するためにも、個人の価値ある活動履歴をコインで可視化し、資産として証明できる仕組みをつくりたいという想いからactcoinは誕生しました。
――社会貢献活動を行う「ソーシャルアクター」が増えたら、具体的にどんな未来が実現すると考えますか?
佐藤さん:「ソーシャルアクター*」とは、「半径5mから海の向こうまで。自分が想う未来のために小さな挑戦を積み重ねる人たち」と定義しています。ソーシャルアクターは日本中にいますが、それらが集まれる場がありません。
*アクトコインが現在、商標登録申請中の造語
アクトコインはソーシャルアクターを可視化し、それぞれの活動を可視化することで継続的に協働したり、支え合ったりできる環境を整え、個々のモチベーションを育みそれが新しい価値をつくりだすと考えています。
とくにこれからは中高生・大学生がアクトコインで活動してソーシャルアクターになり、社会貢献歴を活動証明書として提示できるようにすることで、若者から少しずつ社会変化を起こしていこうと考えています。
若者が変われば社会が変わる。ソーシャルアクターが増えた未来、それは2031年から始まる新しいサステナブルな社会の始まりです。
――若者世代をターゲットに絞るのはどんな理由からですか?
佐藤さん:2030年までのSDGs達成にむけて若者たちに注目しています。公教育でSDGsを学ぶ中、学びを実践していく場としてactcoinを活用してもらいたいと考えています。
「SDGsネイティブ」である若者世代による、さまざまなアクションを生み出すプラットフォームを目指しています。いまは何かアクションをしたくてもプラットフォームがなく、とくに地方を見てみるとNPOをはじめとした団体に、地方の若者がアクセスすることが難しい環境が多いです。
例えば、actcoinをきっかけに仲間と出会い、新しい環境へとびこんだ若者もいます。共感性でつながり、SDGsのテーマに合わせて社会貢献に参加できる、これからの社会を担う若者に向けた機能やセグメントをより強化していこうと考えています。
――actcoinアプリとして今後注力していきたい分野や取り組みはありますか?
佐藤さん:2021年2月にアプリリリースから2周年になります。2周年に向けて現在アプリの新機能を開発中です。またアプリのUIデザインの刷新も企画中です。
具体的には、中高生・大学生のソーシャルアクターが社会貢献歴を活動証明書で学校や面接で使用できるようにしていきたいと考えています。
これからも、ソーシャルアクターとともに成長・発展していくためにワクワクするサービスを手がけていきます。
――これからサステナブルなアクションを起こそうとしている人へ一言!
佐藤さん:社会貢献活動への参加、SDGs・サステナビリティを学ぶことも実践することもとても楽しいことです。行動していくうちに、貢献している側が幸せを感じられて心も健康的な状態で生きていくことができると考えています。
もちろん経済活動も重要ですが、企業の経済活動も結局は誰のためかというと、私たち社会の「人」のためのものです。人のための経済活動・社会活動、この両輪をバランス良くやっていきたいですね!
アクトコインでは中高生から大人までさまざまな人がつながるソーシャルアクションのサービスにしていきます。これからも是非応援お願いします。
ソーシャルアクションを日常的なものとし、可視化して共有できる「actcoin」。サステナブルな社会の実現のため、ソーシャルアクターとして小さな活動から参加してみるのはいかがだろうか。
基本設定でプロフィールを設定。自分が注目しているSDGsの目標も選択できる。
アプリを登録すると、actcoinと連携しているプロジェクトが一覧表示され、関心のあるプロジェクトをタップすると詳細が表示される。参加するとコインが付与される。
アプリダウンロードはこちら
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