2026年版の「世界幸福度ランキング」が発表された。1位は9年連続でフィンランド、日本は61位に後退した。147か国のランキングとともに、幸福度の測定方法や上位国の特徴、2026年版で注目されたソーシャルメディアと幸福度の関係を紹介する。

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「世界幸福度ランキング」とは、世界幸福度調査(World Happiness Report)の結果に基づき、国連の持続可能開発ソリューションネットワーク(SDSN)が発表するランキングだ。
世界幸福度調査では、自分の人生について0から10までの11段階で、現在どの段階にいるか自分で評価してもらう。押さえておきたい点としては、単純に「楽しい」「幸せ」と感じる頻度を尋ねているわけではないこと。人生全体を自分自身でどのように評価しているかを測る指標だ。
対象となるのは、各国で約1000人以上。世界140以上の国で行われ、合計で10万人以上の回答が集まることになる。そしてこの結果を過去3年分でまとめて、ランキングにしているのが「世界幸福度ランキング」だ。
3年分を対象とする理由は、単年の出来事による変動を抑え、各国の生活評価をより安定的に比較するため。2026年のランキングでは、2023年から2025年までの3年分の世界幸福度調査がまとめられている。
2026年の全ランキングを紹介しよう。参照は「World Happiness Report 2026」。(※1)
| 順位 | 国名 | スコア |
|---|---|---|
| 1位 | フィンランド | 7.764 |
| 2位 | アイスランド | 7.540 |
| 3位 | デンマーク | 7.539 |
| 4位 | コスタリカ | 7.439 |
| 5位 | スウェーデン | 7.255 |
| 6位 | ノルウェー | 7.242 |
| 7位 | オランダ | 7.223 |
| 8位 | イスラエル | 7.187 |
| 9位 | ルクセンブルク | 7.063 |
| 10位 | スイス | 7.018 |
| 11位 | ニュージーランド | 6.995 |
| 12位 | メキシコ | 6.972 |
| 13位 | アイルランド | 6.928 |
| 14位 | ベルギー | 6.926 |
| 15位 | オーストラリア | 6.916 |
| 16位 | コソボ | 6.910 |
| 17位 | ドイツ | 6.882 |
| 18位 | スロベニア | 6.868 |
| 19位 | オーストリア | 6.845 |
| 20位 | チェコ | 6.821 |
| 21位 | アラブ首長国連邦 | 6.821 |
| 22位 | サウジアラビア | 6.817 |
| 23位 | 米国 | 6.816 |
| 24位 | ポーランド | 6.768 |
| 25位 | カナダ | 6.741 |
| 26位 | 台湾 | 6.714 |
| 27位 | ベリーズ | 6.711 |
| 28位 | リトアニア | 6.704 |
| 29位 | イギリス | 6.694 |
| 30位 | セルビア | 6.691 |
| 31位 | ウルグアイ | 6.635 |
| 32位 | ブラジル | 6.634 |
| 33位 | カザフスタン | 6.633 |
| 34位 | ルーマニア | 6.629 |
| 35位 | フランス | 6.586 |
| 36位 | シンガポール | 6.585 |
| 37位 | エルサルバドル | 6.578 |
| 38位 | イタリア | 6.574 |
| 39位 | パナマ | 6.547 |
| 40位 | クウェート | 6.543 |
| 41位 | スペイン | 6.540 |
| 42位 | グアテマラ | 6.533 |
| 43位 | マルタ | 6.436 |
| 44位 | アルゼンチン | 6.430 |
| 45位 | ベトナム | 6.428 |
| 46位 | エストニア | 6.410 |
| 47位 | ボスニアヘルツェゴビナ | 6.381 |
| 48位 | ラトビア | 6.365 |
| 49位 | ジャマイカ | 6.305 |
| 50位 | チリ | 6.302 |
| 51位 | ニカラグア | 6.301 |
| 52位 | タイ | 6.296 |
| 53位 | ウズベキスタン | 6.283 |
| 54位 | スロバキア | 6.255 |
| 55位 | バーレーン | 6.254 |
| 56位 | フィリピン | 6.206 |
| 57位 | パラグアイ | 6.198 |
| 58位 | オマーン | 6.197 |
| 59位 | エクアドル | 6.144 |
| 60位 | モンテネグロ | 6.139 |
| 61位 | 日本 | 6.130 |
| 62位 | キプロス | 6.126 |
| 63位 | ホンジュラス | 6.096 |
| 64位 | ドミニカ共和国 | 6.093 |
| 65位 | 中国 | 6.074 |
| 66位 | キルギスタン | 6.049 |
| 67位 | 大韓民国 | 6.040 |
| 68位 | コロンビア | 6.040 |
| 69位 | ポルトガル | 6.029 |
| 70位 | クロアチア | 6.009 |
| 71位 | マレーシア | 6.005 |
| 72位 | ペルー | 5.974 |
| 73位 | モーリシャス | 5.939 |
| 74位 | ハンガリー | 5.937 |
| 75位 | モンゴル | 5.936 |
| 76位 | トリニダード・トバゴ | 5.905 |
| 77位 | モルドバ | 5.851 |
| 78位 | ボリビア | 5.835 |
| 79位 | ロシア | 5.834 |
| 80位 | ベネズエラ | 5.756 |
| 81位 | リビア | 5.731 |
| 82位 | 北マケドニア | 5.719 |
| 83位 | アルジェリア | 5.714 |
| 84位 | ブルガリア | 5.703 |
| 85位 | ギリシャ | 5.697 |
| 86位 | アルバニア | 5.662 |
| 87位 | インドネシア | 5.617 |
| 88位 | タジキスタン | 5.591 |
| 89位 | アルメニア | 5.584 |
| 90位 | 香港 | 5.569 |
| 91位 | ジョージア | 5.517 |
| 92位 | ラオス | 5.515 |
| 93位 | モザンビーク | 5.336 |
| 94位 | トルコ | 5.300 |
| 95位 | イラク | 5.212 |
| 96位 | ガボン | 5.167 |
| 97位 | イラン | 5.151 |
| 98位 | コートジボワール | 5.148 |
| 99位 | ネパール | 5.147 |
| 100位 | カメルーン | 5.083 |
| 101位 | 南アフリカ | 5.009 |
| 102位 | アゼルバイジャン | 4.993 |
| 103位 | ニジェール | 4.940 |
| 104位 | パキスタン | 4.868 |
| 105位 | チュニジア | 4.798 |
| 106位 | ナイジェリア | 4.788 |
| 107位 | セネガル | 4.787 |
| 108位 | ナミビア | 4.781 |
| 109位 | パレスチナ | 4.694 |
| 110位 | ケニア | 4.674 |
| 111位 | ウクライナ | 4.658 |
| 112位 | モロッコ | 4.646 |
| 113位 | ギニア | 4.609 |
| 114位 | マリ | 4.588 |
| 115位 | ガーナ | 4.554 |
| 116位 | インド | 4.536 |
| 117位 | ソマリア | 4.508 |
| 118位 | ウガンダ | 4.491 |
| 119位 | ヨルダン | 4.478 |
| 120位 | モーリタニア | 4.473 |
| 121位 | カンボジア | 4.462 |
| 122位 | コンゴ共和国 | 4.456 |
| 123位 | ブルキナファソ | 4.455 |
| 124位 | ベナン | 4.393 |
| 125位 | チャド | 4.385 |
| 126位 | レソト | 4.375 |
| 127位 | バングラデシュ | 4.319 |
| 128位 | ガンビア | 4.306 |
| 129位 | ミャンマー | 4.287 |
| 130位 | リベリア | 4.280 |
| 131位 | トーゴ | 4.277 |
| 132位 | マダガスカル | 4.174 |
| 133位 | ザンビア | 4.106 |
| 134位 | スリランカ | 4.013 |
| 135位 | エチオピア | 3.985 |
| 136位 | コモロ | 3.925 |
| 137位 | エスワティニ | 3.909 |
| 138位 | タンザニア | 3.902 |
| 139位 | エジプト | 3.862 |
| 140位 | コンゴ民主共和国 | 3.761 |
| 141位 | レバノン | 3.723 |
| 142位 | イエメン | 3.532 |
| 143位 | ボツワナ | 3.464 |
| 144位 | ジンバブエ | 3.346 |
| 145位 | マラウイ | 3.284 |
| 146位 | シエラレオネ | 3.251 |
| 147位 | アフガニスタン | 1.446 |
ランキングの上位国にはどのような特徴があるのか。報告書の解説に用いられている“国による幸福度の違いを説明するため”の6つの要因を踏まえて見ていこう。
・社会的な支え(困ったときに頼れる人がいるか)
・1人あたりGDP(経済的な豊かさ)
・健康寿命(健康に暮らせる期間)
・人生の選択の自由(自分の人生を自由に選べると感じているか)
・寛容さ(他者への利他的な行動)
・腐敗の少なさ(政府・企業に腐敗が広がっていると感じるか)
なお、同ランキングは、これらの6つの要因を数値化して順位付けしたものではない。人々自身による人生の評価=「あなたにとって、現在の人生は0〜10のどの段階にありますか?」の質問に対する回答を数値化して順位付けしている。6つの要素は、あくまで国ごとの違いを分析するために用いられているものだ。
2026年のランキング上位を占めたのは依然として北欧の国々。首位は9年連続でフィンランド。2位のアイスランドと3位のデンマークは前年と順位を入れ替えるも、変わらぬ高スコアを獲得している。5位にスウェーデン、6位にノルウェーと続く。
フィンランドは福祉国家として知られ、子育てや医療に手厚い支援が行われている。このような政策が、幸福度の首位を保持していることと相関関係にあると考えられる。報告書の分析では、「社会的な支え」9位や「腐敗の少なさ」2位が高いスコアを獲得している。
2026年版でコスタリカは、フィンランド、アイスランド、デンマークに続く4位に躍進。ラテンアメリカの国々のなかで最上位を獲得した。2022年には23位と低迷していたが、2023年から徐々に順位を上げての上位5カ国入りだ。
報告書の分析によると、「人生の選択の自由(自分の人生を自由に選べると感じているか)」が3位と高い。さらに「社会的な支え(困ったときに頼れる人がいるか)」や「健康寿命(健康に暮らせる期間)」も評価されており、経済的な豊かさだけでは説明できない要因が“個人の幸福度“に影響することが読み取れる。
コスタリカの分析からもわかるように、「幸福度が高い国=経済的に豊かな国」ではないことが世界幸福度ランキングから見てとれる。2025年最新の世界GDPランキングでコスタリカは72位。1位のアメリカは幸福度ランキングでは23位、GDP世界2位の中国は65位、GDP世界5位の日本も61位と決して高くない。
世界幸福度ランキングの報告書が用いる6つの要因からは、コミュニティへの帰属意識や「困ったときに頼れる人がいる」という感覚、健康に長く暮らせること、自分の人生を主体的に生きられること、などが人生評価に影響する重要な要素であることがうかがえる。
日本については2026年ランキングは61位で、2025年の55位から6ランク下がった。日本の直近のランキング結果は次のとおりだ。2023年の47位から毎年順位を下げている。
日本は「健康寿命」が2位と世界のなかでもずば抜けて高く、福祉や健康の面では満足度が高いが、「社会的な支え(困ったときに頼れる人がいるか)」44位や、「寛容さ(他者への利他的な行動)」122位が低く、孤立や孤独を抱えやすい社会であると分析されている。また、「人生の選択の自由(自分の人生を自由に選べると感じているか)」も85位だ。
| 2026年 | 61位 |
|---|---|
| 2025年 | 55位 |
| 2024年 | 51位 |
| 2023年 | 47位 |
| 2022年 | 54位 |
| 2021年 | 56位 |
2026年版の報告書では、若者の幸福度とソーシャルメディアの関係を特集している。背景には、北米や西欧などで若者の幸福度が過去15年ほどで低下している一方、同じ時期にソーシャルメディアの利用が大きく増えたことがある。しかしながら報告書では、「SNSが若者の幸福度低下の原因」と一律に結論づけているわけではない。地域や性別、利用方法などによって関係性が異なるためだ。
47か国の15歳を対象とした国際学習到達度調査(PISA)の調査データでは、ソーシャルメディアの利用時間が長いほど、平均的な生活満足度が低くなる傾向が確認された。とくに1日7時間以上の「ヘビーユーザー」では、幸福度が大きく低いことが示されている。
ただし、単純に「使わないほど幸福」というわけでもない。女子では、1日1時間未満のライトユーザーで生活満足度が高く、利用時間が増えるにつれて低下する傾向が多くの地域でみられた。一方、男子では地域によって傾向が異なり、SNS利用と幸福度の関係はより複雑だった。
2026年版では、SNSやインターネットを何時間使ったかだけでなく、何のために使っているかにも注目している。PISAの分析では、SNS、ゲーム、娯楽目的のブラウジングなどは低い生活満足度と関連する一方、コミュニケーション、ニュース、学習、コンテンツ制作などを目的とした利用は、より高い生活満足度と関連していた。
2026年版の世界幸福度ランキングでは、フィンランドが9年連続で1位となった。一方、コスタリカの4位ランクインなど、新たな動きも見られる。また、2026年版ではソーシャルメディアと幸福度の関係にも焦点が当てられた。幸福度を考えることは、経済的な豊かさだけでなく、人とのつながりや自由、健康、デジタルとの付き合い方など、より幅広い“暮らしの豊かさ”を考えることにもつながる。
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