【2021年】最新世界幸福度ランキング 日本の順位とその理由は?

世界幸福度ランキング

Photo by Robert Collins on Unsplash

毎年3月20日の「国際幸福デー」に公表される、世界幸福度ランキング。毎回注目されるのが、日本の順位低迷だ。そもそも幸福度ランキングはどのように調査され、決定されているのだろうか? 日本の順位が低迷する理由や、ランキング上位・下位それぞれの特徴を解説する。

ELEMINIST Editor

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2021.08.31

世界幸福度ランキングとは

幸福度ランキングとは、国連の持続可能な開発ソリューションネットワーク(SDSN)が、毎年3月20日の「国際幸福デー」に合わせて発表しているランキングデータである。調査は世界の150か国以上を対象におこなわれ、2012年から毎年実施されている。

調査方法

調査で用いられるのは、主観的な幸福度を調べるためのキャントリルラダー(Cantril ladder)と呼ばれる11件法である。「0」~「10」までの11段階のはしごをイメージし、自分自身の生活への満足度が、いまどこにあるのかを判断していく調査手法だ。

このような主観に、以下の6項目の内容が加味される。

1.一人当たり国内総生産(GDP)
2.社会保障制度などの社会的支援
3.健康寿命
4.人生の自由度
5.他者への寛容さ
6.国への信頼度

さらに「各項目が最低値を取ると仮定されるディストピア(架空の国)」と、どれだけ差があるかを加えて、最終的なランキングが決定される仕組みだ。

もともと国連機関は、国内総生産(GDP)をはじめとする経済指標を重視していた。しかし世界的な金融危機や環境破壊など、これから先の社会を生きる上で、無視できない問題が多発。これらの経験をもとに「経済指標だけでは本当の幸福度は測れない」と考えるようになった。

こうした経緯を経て誕生したのが、世界幸福度ランキングである。調査はアメリカの調査会社ギャッラップ社が、対象国・地域の数千人を対象におこない、結果をまとめている。過去3年間の平均値をもとに、最終的なランキングが公表される仕組みだ。

2021年最新の世界幸福度ランキング

2021年の世界幸福度ランキングは以下のとおりだ。なお、2021年のランキングは、2018年から2020年の3年間の平均値により算出されている。

順位国名スコア
1位フィンランド7.842
2位デンマーク7.620
3位スイス7.571
4位アイスランド7.554
5位オランダ7.464
6位ノルウェー7.392
7位スウェーデン7.363
8位ルクセンブルク7.324
9位ニュージーランド7.277
10位オーストリア7.268
11位オーストラリア7.183
12位イスラエル7.157
13位ドイツ7.155
14位カナダ7.103
15位アイルランド7.085
16位コスタリカ7.069
17位イギリス7.064
18位チェコ6.965
19位アメリカ6.951
20位ベルギー6.834
21位フランス6.690
22位バーレーン6.647
23位マルタ6.602
24位台湾6.584
25位アラブ首長国連邦6.561
26位サウジアラビア6.494
27位スペイン6.491
28位イタリア6.483
29位スロベニア6.461
30位ガテマラ6.435
31位ウルグアイ6.431
32位シンガポール6.377
33位コソボ6.372
34位スロバキア6.331
35位ブラジル6.330
36位メキシコ6.317
37位ジャマイカ6.309
38位リトアニア6.255
39位キプロス6.223
40位エストニア6.189
41位パナマ6.180
42位ウズベキスタン6.179
43位チリ6.172
44位ポーランド6.166
45位カザフスタン6.152
46位ルーマニア6.140
47位クウェート6.106
48位セルビア6.078
49位エルサルバドル6.061
50位モーリシャス6.049
51位ラトビア6.032
52位コロンビア6.012
53位ハンガリー5.992
54位タイ5.985
55位ニカラグア5.972
56位日本5.940
57位アルゼンチン5.929
58位ポルトガル5.929
59位ホンジュラス5.919
60位クロアチア5.882
61位フィリピン5.880
62位韓国5.845
63位ペルー5.840
64位ボスニア・ヘルツェゴビナ5.813
65位モルドバ5.766
66位エクアドル5.764
67位キルギス5.744
68位ギリシャ5.723
69位ボリビア5.716
70位モンゴル5.677
71位パラグアイ5.653
72位モンテネグロ5.581
73位ドミニカ共和国5.545
74位北キプロス・トルコ共和国5.536
75位ベルラーシ5.534
76位ロシア5.477
77位香港5.477
78位タジキスタン5.466
79位ベトナム5.411
80位リビア5.410
81位マレーシア5.384
82位インドネシア5.345
83位コンゴ5.342
84位中国5.339
85位コートジボワール5.306
86位アルメニア5.283
87位ネパール5.269
88位ブルガリア5.266
89位モルディブ5.198
90位アゼルバイジャン5.171
91位カメルーン5.142
92位セネガル5.132
93位アルバニア5.117
94位北マケドニア5.101
95位ガーナ5.088
96位ニジェール5.074
97位トルクメニスタン5.066
98位ガンビア5.051
99位ベナン5.045
100位ラオス5.030
101位バングラデシュ5.025
102位ギニア4.984
103位南アフリカ4.956
104位トルコ4.948
105位パキスタン4.934
106位モロッコ4.918
107位ベネズエラ4.892
108位ジョージア4.891
109位アルジェリア4.887
110位ウクライナ4.875
111位イラク4.854
112位ガボン4.852
113位ブルキナファソ4.834
114位カンボジア4.830
115位モザンビーク4.794
116位ナイジェリア4.759
117位マリ4.723
118位イラン4.721
119位ウガンダ4.636
120位リベリア4.625
121位ケニア4.607
122位チュニジア4.596
123位レバノン4.584
124位ナミビア4.574
125位パレスチナ4.517
126位ミャンマー4.426
127位ヨルダン4.395
128位チャド4.355
129位スリランカ4.325
130位エスワティニ4.308
131位コモロ4.289
132位エジプト4.283
133位エチオピア4.275
134位モーリタニア4.227
135位マダガスカル4.208
136位トーゴ4.107
137位ザンビア4.073
138位シエラレオネ3.849
139位インド3.819
140位ブルンジ3.775
141位イエメン3.658
142位タンザニア3.623
143位ハイチ3.615
144位マラウイ3.600
145位レソト3.512
146位ボツワナ3.467
147位ルワンダ3.415
148位ジンバブエ3.145
149位アフガニスタン2.523

2020年 世界幸福度ランキング

2020年の世界幸福度ランキングは以下のとおり。2020年のランキングは、2017年から2019年の平均から算出されている。

順位国名スコア
1位フィンランド7.809
2位デンマーク7.646
3位スイス7.560
4位アイスランド7.504
5位ノルウェー7.488
6位オランダ7.449
7位スウェーデン7.353
8位ニュージーランド7.300
9位オーストリア7.294
10位ルクセンブルク7.238
11位カナダ7.232
12位オーストラリア7.223
13位イギリス7.165
14位イスラエル7.129
15位コスタリカ7.121
16位アイルランド7.094
17位ドイツ7.076
18位アメリカ6.940
19位チェコ6.911
20位ベルギー6.864
21位アラブ首長国連邦6.791
22位マルタ6.773
23位フランス6.664
24位メキシコ6.465
25位台湾6.455
26位ウルグアイ6.440
27位サウジアラビア6.406
28位スペイン6.401
29位グアテマラ6.399
30位イタリア6.387
31位シンガポール6.377
32位ブラジル6.376
33位スロベニア6.363
34位エルサルバドル6.348
35位コソボ6.325
36位パナマ6.305
37位スロバキア6.281
38位ウズベキスタン6.258
39位チリ6.228
40位バーレーン6.227
41位リトアニア6.215
42位トリニダード・トバゴ6.192
43位ポーランド6.186
44位コロンビア6.163
45位キプロス6.159
46位ニカラグア6.137
47位ルーマニア6.124
48位クウェート6.102
49位モーリシャス6.101
50位カザフスタン6.058
51位エストニア6.022
52位フィリピン6.006
53位ハンガリー6.000
54位タイ5.999
55位アルゼンチン5.975
56位ホンジュラス5.953
57位ラトビア5.950
58位エクアドル5.925
59位ポルトガル5.911
60位ジャマイカ5.890
61位韓国5.872
62位日本5.871
63位ペルー5.797
64位セルビア5.778
65位ボリビア5.747
66位パキスタン5.693
67位パラグアイ5.692
68位ドミニカ共和国5.689
69位ボスニア・ヘルツェゴビナ5.674
70位モルドバ5.608
71位タジキスタン5.556
72位モンテネグロ5.546
73位ロシア5.546
74位キルギスタン5.542
75位ベラルーシ5.540
76位北キプロス・トルコ共和国5.536
77位ギリシャ5.515
78位香港5.510
79位クロアチア5.505
80位リビア5.489
81位モンゴル5.456
82位マレーシア5.384
83位ベトナム5.353
84位インドネシア5.286
85位コートジボワール5.233
86位ベナン5.216
87位モルディブ5.198
88位コンゴ共和国5.194
89位アゼルバイジャン5.165
90位マケドニア5.160
91位ガーナ5.148
92位ネパール5.137
93位トルコ5.132
94位中国5.124
95位トルクメニスタン5.119
96位ブルガリア5.102
97位モロッコ5.095
98位カメルーン5.085
99位ベネズエラ5.053
100位アルジェリア5.005
101位セネガル4.981
102位ギニア4.949
103位ニジェール4.910
104位ラオス4.889
105位アルバニア4.883
106位カンボジア4.848
107位バングラデシュ4.833
108位ガボン4.829
109位南アフリカ4.814
110位イラク4.785
111位レバノン4.772
112位ブルキナファソ4.769
113位ガンビア4.751
114位マリ4.729
115位ナイジェリア4.724
116位アルメニア4.677
117位ジョージア4.673
118位イラン4.672
119位ヨルダン4.633
120位モザンビーク4.624
121位ケニア4.583
122位ナミビア4.571
123位ウクライナ4.561
124位リベリア4.558
125位パレスチナ4.553
126位ウガンダ4.432
127位チャド4.423
128位チュニジア4.392
129位モーリタニア4.375
130位スリランカ4.327
131位コンゴ民主共和国4.311
132位スワジランド4.308
133位ミャンマー4.308
134位コモロ4.289
135位トーゴ4.187
136位エチオピア4.186
137位マダガスカル4.166
138位エジプト4.151
139位シエラレオネ3.926
140位ブルンジ3.775
141位ザンビア3.759
142位ハイチ3.721
143位レソト3.653
144位インド3.573
145位マラウィ3.538
146位イエメン3.527
147位ボツワナ3.479
148位タンザニア3.476
149位中央アフリカ共和国3.476
150位ルワンダ3.312
151位ジンバブエ3.299
152位南スーダン2.817
153位アフガニスタン2.567

ランキングデータからわかる特徴とは

世界幸福度ランキングからは、さまざまな情報が読み取れる。上位国・下位国・順位変動が激しい国のそれぞれについて、特徴を読み取っていこう。

ヨーロッパなど上位国の理由

2021年まで連続4年間、首位に輝き続けているのがフィンランドだ。また2021年と2020年のランキングで、トップ10にはヨーロッパ諸国の名前が並んでいることがわかる。上位国の特徴は以下の通りだ。

・社会保障が手厚い
・質の高い教育を施すための制度の充実
・ジェンダー平等

これらの項目が、世界幸福度調査においても有利な影響を及ぼしていると考えられる。「ジェンダーギャップ指数」ランキングで、ヨーロッパ諸国が上位に入っていることと、共通する点があるだろう。

例えば、1位のフィンランドについて見てみよう。

フィンランドは決して大きな国ではない。しかし消費税は24%と世界的にも高い(軽減税率が適用されているため、異なる税率もある)。

それにもかかわらず国民の満足度が高いのは、「納めた税金が間違いなく自分たちの生活のために使われている」と認識できるからだろう。フィンランドでは透明性のある政治を実現し、富の再分配がスムーズにおこなわれる仕組みが整っている。

また、フィンランドでは、「モノの消費に幸福感を抱く」意識が薄いと言われている。モノを入手するよりも、家族や友人たちと一緒に、自由な時間を謳歌することに幸せを感じるのだ。そのための仕組みが整っている点も、幸福度を押し上げる要因のひとつと言っていいだろう。

フィンランドでは、日本ほど学歴は重視されない。個々が幸せのために、より自由な道を選べる環境が整っている。子育て支援も充実しており、子どもを育てながら、なりたい自分を実現しやすい点も世界から注目される項目である。

下位国の多くが抱える貧困とコロナの影響

世界幸福度ランキングの下位国の顔ぶれを見てみると、根強い貧困問題を抱えるアフリカ諸国や、紛争地域が多く含まれていることがわかる。こうした国や地域においては、まずGDPの値が低いことが、ランキングを下げる一因となっている。

ただし、GDP以外の要因もある。例えば、2021年ランキングで最下位(149位)だったアフガニスタンは、1人あたりのGDPは決して低いわけではなく、140位のブルンジや144位のマラウイよりずっと上回っている。

しかしアフガニスタンは健康寿命や寛容さの項目が極端に低く、幸福度ランキングは国が抱える問題や国民の意識を表した結果だと言えそうだ。

また2020年ランキングは、世界的なパンデミックを引き起こした新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響がある。下位国をはじめとした多くの国で、感染や経済面への不安から人々に悲観的な感情が多く生まれたと指摘されている。

大きく順位が変動した国 その理由は?

2020年から2021年のランキングで、大きな順位の変動があった国に、中国がある。2020年は94位だったが、2021年は84位となった。新型コロナの感染予防のため、都市封鎖などがおこなわれたが、人々の間で連帯感や仲間意識が高まった可能性があるという。一方、フィリピンは2020年の52位から、2021年は61位に順位を下げた。

またバングラデシュは、2019年の125位から2020年には107位に順位を上げた。2021年は107位と順位を維持している。

一方、2019年に85位だったナイジェリアは、2020年に115位、2021年は116位と順位を大きく落としている。ナイジェリアは所得格差やジェンダー格差が大きく、社会基盤の整備がまだ不十分である。就学率が低く、過激派組織の活動も活発な地域で、安定した生活を築きにくいという特徴がある。

ランキングの変動幅が大きい国は、上位国よりも下位国に多い。紛争や貧困にまつわる問題には、不確定要素が多く含まれている。国内情勢が、急激なランキングの上昇・下降につながる可能性が高いと言えるだろう。

日本の順位が低い理由は「自由度」と「寛容さ」

世界幸福度ランキングが公開されるたび、話題になるのが「なぜ日本の順位はこれほどまでに低いのか?」ということだ。2020年の日本の順位は62位だったが、2021年は56位と、わずかに順位を上げた。しかし先進諸国と比較すると、低い水準にいることは変わらない。

1人あたりの国内総生産(GDP)の数値でみれば、日本の順位は決して低くはない。資源には乏しいものの経済は発達しており、欧州諸国ほどではないが、社会保障制度も確立されている。寿命の長さは、世界でも上位だ。海外と比較して「日本は治安が良く暮らしやすい」と感じる人が多いだろう。

ではなぜ、日本の幸福度ランキング順位はこれほどまでに低いのか? その理由は「人生の自由度」と「他者への寛容さ」の2項目に隠されている。

日本人の「人生の自由度」に影響を与える要素のひとつと言われているのが、労働環境である。欧米諸国と比較して、よく「日本人は働きすぎ」と表現される。

ヨーロッパ各国のように、長期休暇を取る風習もなければ、「有給休暇はあっても取りづらい」と感じる人が多い。また「休暇の取りづらさ」以上に、「職場の中で自分に合った働き方を自由に選択できない」と感じる点が問題だと指摘する声もある。

「他者への寛容さ」の項目については、寄付やボランティア活動が非常に大きな要素となる。日本には、積極的に寄付をおこなったりボランティア活動に参加したりする風習が根付いていない。社会全体でこうした取り組みが積極的におこなわれている国ほど、幸福度ランキングは上昇しやすいという特徴があるのだ。

GDPや健康寿命など、客観的な数値で示されるデータに注目すれば、日本は間違いなく「幸せな国」である。一方で、国民の主観にもとづくデータを見ると、「幸せではない国」としての要素が見え隠れする。この主観的データが、幸福度ランキングで日本の順位が低迷する原因だ。

幸福度が高い=暮らしやすい社会

世界幸福度ランキングは、人によって基準が異なる「幸福度」を、わかりやすい数値で示すための取り組みのひとつである。できるだけ幅広い観点から「幸福」を捉えるための調査がおこなわれているが、それは決して完璧ではない。幸福度ランキングで上位になれないからといって、それが即「不幸」につながるわけではないのだ。

ただし、「人生の自由度」が上がれば、日本の社会において「暮らしやすい」と感じる人は格段に増えるはずだ。「他者への寛容さ」が上昇すれば、社会全体でやさししく寄り添い合える、理想の仕組みができあがるかもしれない。

日本人の幸福度を上げるために、いま必要なものは何なのか。世界幸福度ランキングは、それを知るためのヒントになるだろう。我々日本人一人ひとりが、「自由」と「寛容」を意識して生活するようになれば、順位だけではなく、国民それぞれが抱える「幸福感」も上昇するかもしれない。

※1 世界幸福度調査World Happiness Report2020の概要と関連質問紙提供について
http://riomh.umin.jp/happy.html
※2 World Happiness Report 2021
https://happiness-report.s3.amazonaws.com/2021/WHR+21.pdf
※3 World Happiness Report 2020
https://happiness-report.s3.amazonaws.com/2020/WHR20.pdf

※掲載している情報は、2021年8月31日時点のものです。

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