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パリで2000人超のプラントベースのBBQイベントが開かれ、ギネス世界記録™として認められた。会場では3万個以上の植物由来のソーセージなどが振る舞われ、笑顔と香ばしい香りに包まれた。植物性食品はいま、身近に楽しむ定番になりつつある。

Naoko Tsutsumi
エディター/ライター
兵庫県出身。情報誌、カルチャー誌、機内誌など幅広いジャンルの媒体の編集に携わる。コロナ禍にシンガポールへ移住。「住む」と「旅」の視点の違いに興味を持ち、地域の文化の違いを楽しんでいる。
2026年6月29日、パリのリヨン駅にほど近いイベントスペースで、フランスの植物性食品ブランドHappyVore(ハッピーヴォア)が大きな挑戦を成功させた。掲げたテーマは「世界最大の植物性バーベキュー」。
会場には巨大なグリルが並び、植物由来のチポラータやメルゲーズソーセージなど3万個以上の商品が無料で振る舞われた。祝祭的なムードで行われたイベントの結果はギネス世界記録™として認定され、植物性食品の可能性を世界に示す象徴的な出来事となった。
このイベントが“特別”なのは、記録を打ち立てるほどの「規模」だけではない。バーベキューという、家族や友人と集い、五感で楽しむ「食の場」において植物性食品が主役になれることを証明したことにある。
HappyVoreの共同創業者兼CEOのギヨーム・デュボワ氏が、「2,000人以上もの人が集まってくれたことは、私たちの予想をはるかに超えるものだった」と話すように、多くの参加者たちが代替であることを意識せずに食を楽しんだという事実は、植物性食品への心理的なハードルが下がりつつあることを物語っている。
食の選択による地球環境への影響に対して年々関心が高まるなか、HappyVoreの取り組みは、「意識の高い選択」を「楽しい体験」に昇華した点において、画期的だと言えるだろう。
なお、参加人数については一部で異論もあるようだが、公式にはギネス世界記録™として認定されている点を付記しておきたい。
国連食糧農業機関(FAO)の推計によれば、畜産業は人為的な温室効果ガス排出全体の約14.5%を占めるとされる。フランス人は植物性食品の消費量を増やす傾向にある一方で、ある世論調査によると、ヨーロッパ人の65%が超加工食品(UPF)の将来的な健康への影響を懸念しており、54%がUPFという理由で植物由来の肉を避けているというデータがある。
潮流を受けて、2019年末に設立されたHappyVoreは、社会・環境・従業員・地域・ガバナンスの5分野で高い基準を満たした企業に与えられる国際認証「B Corp(Bコープ)™認証」を取得。
製品の栄養成分には厳格な基準を設けることで消費者からの支持を得て、ハンバーガー、ひき肉、ソーセージ、ナゲット、チキンテンダーなど、幅広い種類の代替肉製品を展開。現在までに累計1億個以上の製品を販売し、5,000万kg以上のCO2排出量削減に貢献してきた。
ギヨーム・デュボワ氏によると、2025年の売上高は3500万ユーロ(約65億円)で前年比45%増。今年4月には、前年同期比62%の売上増で、創業から6年間での最高記録を更新し、フランスでもっとも売れている植物由来の代替肉ブランドのひとつとなり、代替や我慢、あるいはヴィーガンやベジタリアンなど特定のライフスタイルを持つ人のためのもの、というイメージを覆してきた。
2,000人以上が笑顔で集ったパリの記録的なプラントベースバーベキューイベントが示したのは、性別や食のスタイルを問わず、誰もが選べる植物性食品の姿。「おいしいから」と気軽に取り入れられるのが、きっとこれからの植物性食品の魅力に違いない。
※参考
HappyVore établit le Guinness World Records™ du plus grand barbecue végétal au monde|savoir animal
How HappyVore Overtook Nestlé to Become France’s Best-Selling Plant-Based Meat Brand|green queen
HappyVore
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