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微細であることから、海や川に流れこんで生態系や私たち人間にまで影響をおよぼしているマイクロプラスチック。これを除去する「藻」をアメリカの研究チームが発表した。

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アメリカのミズーリ大学の研究チームが、国際的に知られる著名な学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に発表した内容によると、水中のマイクロプラスチックを除去する新しい藻類の開発に成功したという。
本研究を主導した工学部のスージー・ダイ教授は、遺伝子工学を用いて、リモネンという揮発性天然油を生成する新しい種類の藻類を開発した。リモネンは、オレンジの爽やかな香りの元である物質で揮発性という特徴がある。マイクロプラスチックにも同じく揮発性があることから、両者がであうと磁石のように互いに引き合うという。
そのため、マイクロプラスチックを含む水中にこの藻類を入れると、塊のようになって沈むため、回収を容易にできるのだ。
ダイ氏は「ほとんどの廃水処理施設では、比較的大きなプラスチック粒子しか除去できない。マイクロプラスチックは非常に小さく、処理施設をすり抜けてしまい、結果として私たちの飲料水に入り込んだり、環境を汚染したり、生態系に悪影響を及ぼしている」と、マイクロプラスチック除去の難しさを語る。
だが、この新型藻類を活用すれば、廃水中で増殖しながら水をきれいにしてくれる可能性があるという。またダイ教授は、回収したマイクロプラスチックを複合プラスチックフィルムなどの安全なバイオプラスチック製品に再利用することを最終目標にしている。
短期間で増殖するうえ、CO2を回収する力がある。小さいのに、すぐれた能力をもつ「藻」にいま、さまざまな業界から熱い視線がよせられている。2025年の大阪・関西万博の日本館では、藻類の展示がかなりの割合を占めていたのも、多くの業界や企業が「藻」の取り組みを進めているからにほかならない。
「油」を多く含む藻類を培養して、その油を抽出して化粧品の原料に利用とする取り組みが行われている。
プラスチック使用量を削減するため、食べられるパッケージが生まれている。この原料は海藻だ。
ウイスキーの製造工程で出る廃水には、藻類が好んで食べる栄養素が豊富に含まれていることから、廃水で藻類を育て養殖魚の餌として活用する試みも行われている。
世界で進んでいる「藻」の研究。小さいながらも、私たちや地球を助けてくれる大きな存在になっていくかもしれない。
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