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グッチ、サンローラン、ボッテガ・ヴェネタ、バレンシアガなどを傘下にもつケリングは「ウォーターポジティブ戦略」を策定した。水の消費の削減のほか、生態系の回復・再生などに積極的に取り組む。
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エレミニスト編集部
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ケリングはパリに本社をおき、グッチ、サンローラン、ボッテガ・ヴェネタ、バレンシアガなどのラグジュアリーブランドを擁する一大企業だ。そんな同社が発表したのが、新たな「ウォーターポジティブ戦略」だ。
ウォーターポジティブとは、世界の水資源に目を向けて、消費する量よりも供給する量を多くしようという考え。日本は水資源が豊富な国であるが、世界では人口増加や気候変動などを背景に、深刻な水不足に直面する国が少なくない。そこで、近年注目されるようになってきたのが、ウォーターポジティブという言葉だ。これは、気候変動や生物多様性の喪失などにつながる。
ケリングの「ウォーターポジティブ戦略」では、主に以下の3つの取り組みを進める。
ケリンググループでの原材料調達の際、自然や水への負担の少ない素材やリサイクル生地へ置き換える。さらに、再生農業からの素材を増やす。
サプライヤーとの連携のなかでも、水管理を強化する。例えば、環境に優しいなめし剤を使用するなど、最新技術などを活用し、水の効率的な利用を促す。
ケリングの事業ととくに密接な関係のある10の地域にて、ウォーター・レジリエンス・ラボを設立する。サプライヤー、他の企業やセクター、地域社会、先住民、公共機関など各地の関係者と協力し、地域の生態系の再生と回復を目指す。
近年、水資源に関連したリスクの問題について、少しずつ議論されるようになってきた。ケリングのような世界な大手企業がウォーターポジティブ戦略を策定したことで、今後はさらに水に対する意識が高まっていくきっかけになりそうだ。
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