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マイクロツーリズムとは、約1〜2時間で移動可能な観光地を訪れる旅行形態のこと。 コロナ感染拡大防止を目的として広まった言葉だが、近年はサステナブルな観点から持続可能な観光を楽しむ人も増えている。この記事では、マイクロツーリズムのメリットについて言及する。
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「マイクロツーリズム」とは、自宅から約1〜2時間で移動可能な観光地を訪れる旅行形態のこと。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止を目的として広まった言葉であり、基本は移動による人混みを避けるため、車・バイク・自転車などで移動し、旅行を通じて地域経済の活性化に貢献してもらうのが目的だ。なお、この言葉は「株式会社星野リゾート」の社長である星野佳路氏が提唱したものである。(※1)
なぜマイクロツーリズムが注目されているのか。その社会的背景には2020年に流行した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が挙げられる。感染防止対策として人混みを避けた旅行の楽しみ方を選ぶ人が増えた関係で、公共交通機関を使わない自家用車での短期旅行やアウトドアの需要が高まった。
また経済不況の地域を応援するために、観光や宿泊、お土産といった消費行動をとおして地元経済の活性化に貢献したいと考える人は多い。
さらにSDGsの認知が広まったことで、環境負荷の軽減やサステナブルな旅行への関心、経済の活性化を目的として楽しむ人も増えている。近年では「旅行者」「観光関係者」「観光地域」の経済・社会・環境の三側面を考慮した「持続可能な観光」が求められるようになってきている。(※1、※2)
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ここでは、マイクロツーリズムが旅行者や地域に与えるメリット・魅力について紹介する。
マイクロツーリズムは自宅から約1〜2時間で移動可能な観光地を旅行するため、気軽に旅行が楽しめる。また車のガソリン代や、交通費といったコストも節約できる。観光地に着くまでの交通時間も短いため、時間を有意義に活用できる点もメリットだ。(※1)
短距離旅行を選ぶことで、移動時にかかる車のCO2排出量を抑える効果がある。福岡市の自然に触れ合う里山サステナブルキャンプでは、地域住民が車で遠方に行かずともキャンプができるモデルツアーを開催しており、マイクロツーリズムを通じて環境配慮への取り組みを行っている。(※3)
マイクロツーリズムは移動距離が短い分、気軽に出向きやすい。日帰りや短期滞在でも十分に楽しめるため「お気に入りの店を見つける」などで再訪しやすい点もメリットだ。(※1)
お祭り・料理・伝統工芸・イベント・名産品・特産物・旬の食材を使った料理・観光名所・絶景スポットなど、その地域ならではの魅力は多い。マイクロツーリズムを通じて地域の方と交流を深めることで、知らなかった地元地域の魅力を再発見できるだろう。(※4)
観光や宿泊、お土産の購入といった消費行動を行うことで、その観光地域の経済を回すことにつながる。地元や近隣地域で旅行を楽しめば、地域経済の活性化に貢献できるというわけだ。(※1)
遠方旅行となれば日数分の洋服が必要となるため、荷物は多くなりがちだ。女性であれば化粧品などの詰め替えも多くなる。しかし、マイクロツーリズムであれば荷物は最小限で済む。また、キャリーバッグを持ち運ばずに身軽な状態で旅行を楽しめる点もメリットだ。(※1)
マイクロツーリズムは遠方の旅行に比べて移動距離が短い。したがって、車で移動する時間が短い分、走行中のCO2排出量も抑えられる。これは、少なからずSDGsへの貢献にもつながる。(※3)
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ここでは、マイクロツーリズムの楽しみ方について紹介する。
マイクロツーリズムの楽しみ方として、日帰り温泉や地元グルメを楽しむのがおすすめだ。また温泉巡りや地元グルメの旅を通じて地域の人々と交流を深め、気に入った場所が見つかれば再訪し「行きつけの場所」として利用するのも楽しみのひとつだ。(※1)
ローカルな歴史スポットに訪れて理解を深め、自然を散策してみるのもおすすめだ。都会や都市部では、雄大な自然に触れる機会はそう多くない。だからこそ、アウトドアや自然散策といったアクティビティを通じて日頃の疲れをリフレッシュしにいくのはいかがだろうか。(※1、※3)
知られざる特産品に触れてみたり、地元の文化に関するアクティビティを体験したりするのもいいだろう。地元の名所を巡るためにマイクロツーリズムの「モデルコース」を掲載している市のサイトもあるため、参考にしてみよう。(※5)
マイクロツーリズムで短距離旅行を選べば、飛行機代や新幹線代などの交通費が抑えられる。浮いた交通費を宿泊代に上乗せし、こだわった宿を選んでみるのもいい。(※1)
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ここでは、地域がマイクロツーリズムを推進する際のポイントを紹介する。
各地域が有する地元の観光資源(街並み・歴史や文化・自然・産業など)の魅力を発掘し、それらに関する情報を各地域で活用していくことが、マイクロツーリズムを成功させる秘訣だ。(※6)
従来の「発地型観光(都市部に住む旅行者や旅行会社が企画する観光旅行)」とは異なり、マイクロツーリズムも含めた「着地型観光(旅行者が訪れる観光地)」は個人をターゲットとして行うため、SNS活用は集客において重要なポイントだ。(※6)
マイクロツーリズムは地元の観光関係者や自治体を含め、地域全体で観光を通じて街を盛り上げていく意識が必要となる。まずは地域住民や地域観光の関連施設としっかりとコミュニケーションを取り合い、協力体制を構築していくといいだろう。(※7)
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ここでは、マイクロツーリズムの事例について紹介する。
自治体の取り組み事例には、以下のようなものがある。
東京都多摩エリアのマイクロツーリズムの事例に「ゲゲゲ忌」がある。「ゲゲゲの鬼太郎」の作者・水木しげる氏が1959年〜2015年までのあいだ、東京都の多摩地域東部に位置する調布市に在住していたことがきっかけで行われた。
調布市では水木氏の命日に合わせて毎年11月ごろに「ゲゲゲ忌」を約2週間開催している。この期間は調布駅前広場などで水木氏の作品イベントやグッズ販売、アニメ上映会、スタンプラリーなどを行っている。(※6)
大阪市は「Osaka Metro」と連携して、マイクロツーリズムの普及促進事業を行っている。それがサブスクの「Sonoligo(ソノリゴ)」だ。ソノリゴとは、月額料金を払えば登録されているイベント(美術館、博物館、スポーツ観戦など)に好きなだけ参加できるサービスだ。大阪市はこのサービスを通じて関西在住の人にイベントや文化施設の魅力を知ってもらい、文化の存続や発展につなげていくことを目指している。(※8)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止対策として3密を避けた行動を求める人が増えことで、屋外で楽しめるキャンプやアウトドアレジャーの需要が高まった。神奈川県相模原市でも、多くの神奈川県住民がキャンプを楽しみに訪れていたことから、自然環境を生かした体験型コンテンツの充実をテーマにマイクロツーリズムを推し進めている。(※9、※10)
民間の取り組み事例には、以下のようなものがある。
星野リゾートが展開する温泉旅館ブランド「界」では、「ご当地部屋」や「ご当地楽」といった地域の魅力を体験できるサービスを提供している。「ご当地部屋」では宿泊部屋がその地域の伝統工芸作家とコラボしたデザインが取り入れられており、宿にいながら伝統技術のすばらしさを見たり触れたりして感じられる仕組みとなっている。(※11、※12)
月岡温泉観光協会では、月岡温泉とその周辺にスポットライトをあてた取り組みを行っている。マイクロツーリズムのために月岡温泉周辺を「温泉街」として巡れるよう、さまざまな体験やお土産、観光スポットなどを誕生させたのだ。
またホームページの「月岡温泉◎ちかたび」では、温泉街のおすすめスポットを紹介した「ちかたびスポット」や「モデルコース」などが掲載されており、目的に合わせて誰でも簡単に旅行プランを計画できる工夫がなされている。(※13)
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マイクロツーリズムとは、約1〜2時間で移動可能な観光地に訪れる旅行形態を指す。地元や近隣地域でお土産の購入や食事、宿泊などを行うことで地産地消も進み、楽しみながら地域経済の活性化に貢献できる。車で移動する時間が短い分、走行中のCO2排出量も抑えられるため、SDGsへの貢献にもつながる。マイクロツーリズムを通じて、サステナブルな観点から持続可能な観光を楽しんでみてはいかがだろうか。
※1 マイクロツーリズムとは?魅力と楽しむためのポイントを解説|りそなグループ
※2 サステナブル・ツーリズムの推進|日本政府観光客(JNTO)
※3 福岡型サステナブルツーリズム 事例集|福岡市
※4 星野リゾートの「マイクロツーリズム」近所旅行のススメ|星野リゾート公式サイト
※5 マイクロツーリズム 香取の魅力再発見|香取市
※6 多摩地区における マイクロツーリズムの研究|三多摩支部
※7 幸せを運び人を繋ぐお手伝い|国土交通省
※8 月額制チケットサービス Sonoligo と連携!関西におけるマイクロツーリズムの普及を目指します|Osaka Metro
※9 さがみはらみんなの シビックプライド向上計画|相模原市
※10 第3次相模原市観光振興計画 相模原市|相模原市
※11 ~Withコロナ期の新たな旅の提案、取り組み実績を報告します~星野リゾートが提案する「マイクロツーリズム」|星野リゾート
※12 ご当地楽、手業のひととき、ご当地部屋|星野リゾート
※13 月岡温泉◎ちかたび|月岡温泉
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