外国人観光客国別ランキング(訪日)TOP20 アジアで人気の理由は?

日本の観光地

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外国人観光客国別ランキング(訪日)では、1〜3位までを近隣アジアの国が占めている。コロナ禍を経て訪日旅行客の活気が戻りつつあるなか、一部の観光地では新たな課題に直面している。この記事では、日本の訪日外国人の傾向と、解決すべき課題について言及する。

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2024.11.26
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【2024年最新】 訪日外国人観光客数の国別ランキング

渋谷周辺

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ここでは、訪日外国人観光客数の国別ランキング上位20位を紹介する。JNTO(日本政府観光局)の「訪日外客数(2024年9月推計値)」によると、日本に来る外国人観光客で多い国は1位が韓国、2位が中国、3位が台湾であった。5位には香港も入っており、日本に近いアジア圏からの訪日が上位を占める結果となっている。(※1)

順位国名人数
韓国656,700人
中国652,300人
台湾470,600人
アメリカ191,900人
香港170,200人
オーストラリア85,700人
カナダ50,000人
フィリピン46,600人
ベトナム45,800人
10タイ45,500人
11マレーシア39,900人
12シンガポール37,400人
12-イギリス37,400人
14ドイツ37,100人
15インドネシア35,100人
16フランス30,700人
17イタリア19,600人
18スペイン19,000人
19インド17,900人
20メキシコ15,000人

訪日外国人観光客数と国別の傾向

シカ

Photo by riccardo chiarini

ここでは訪日外国人観光客数と国別の傾向について紹介する。

韓国

訪日外国人観光客数で、もっとも多かったのは韓国だ。基本的に韓国人は、短期旅行が可能で交通費も安くすむ近隣アジアを中心に旅行する傾向にある。したがって、治安と交通の便もいい日本への訪日が増えたと推測される。(※2)

中国

訪日外国人観光客数で韓国に次いで多かったのは中国だ。国道交通省が報告した2023年の「訪日外国人の消費動向調査」によると、訪日する一般客の費目別旅行消費額では、「買い物代」において中国がもっとも使用する金額が高かった。したがって、中国人は買い物をメインに訪日する傾向にあるといえる。(※3)

台湾

訪日外国人観光客数で中国に次いで多かったのは台湾だ。台湾人観光客の約9割は訪日回数が2回以上となっており、そのうちの約6割は4回以上も再訪日するリピーターだ。なかでも、30〜40代女性の再訪率は全体の約2割と高い数値となっている。(※4)

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最新の訪日外国人観光客数の傾向

日本のお城

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ここでは、最新の訪日外国人観光客数の傾向について説明する。

コロナ禍からの回復と過去最高記録

JNTO(日本政府観光局)の「訪日外客数(2024年8月推計値)」によると、訪日客数は293万3000人と過去最高記録であった。前年の8月と比較すると36.0%も増加しており、訪日客数が増加した理由としては、コロナ禍からの規制緩和が実施されたことが挙げられる。とくに、中国からの訪日は前年の同月比から倍近くも増加した。(※5)

アジアからの観光客増加が牽引

訪日外国人観光客はアジア圏がとくに多い。なかでも韓国や中国、台湾、香港などが観光客増加を牽引している。日本はアジア圏の旅行客から「円安で費用が安い」「距離も近い」「日程が短くて済む」といった安近短な点において人気が高まっている。(※6)

円安傾向と航空便増便が追い風に

訪日外国人観光客数が増加した要因として、航空便の増便や円安が継続傾向にある点が挙げられる。アジアでは韓国・台湾などからの訪日が多く、欧米豪・中東地域ではアメリカの訪⽇が一層増加する状態となっている。(※7)

東南アジアの一部では減少傾向

訪日外国人観光客はアジア圏がとくに多い。一方で、東南アジアのタイやシンガポールは2024年9月の前年同月比では減少傾向にあった。その理由として、タイでは成田空港への直行便が一部運休したこと、シンガポールではスクールホリデーの開始時期のずれなどの影響が要因ではないかと推測されている。(※1)

コロナ禍後の規制緩和により直行便の回復

コロナ禍後の規制緩和により、日本への直行便数は回復しつつある。 2024年2月から航空路線で運航が再開した結果、コロナ禍前のように日本への旅行がしやすくなった。その結果、訪日外国人観光客数も増加したと考えられている。(※7)

コロナ禍前を超える勢いの外国人観光客数

JNTO(日本政府観光局)の「訪日外客数(2024年7月推計値)」によると、日本への外国人旅行者数は推計値で329万2500人であった。これは前年同月比で41.9%も増加しており、コロナ禍前の2019年同月比と比べても10.1%増加している。このように2024年の訪日外国人観光客数は順調に回復しており、コロナ禍前の2019年を超える勢いとなっている。(※8)

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訪日外客数が増加している要因

漫画

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ここでは、訪日外客数が増加している原因について解説する。

航空便の増便

世界各地でコロナ禍後の規制緩和により、航空便の増便を実施。韓国や台湾では日本各地へチャーター便を含めた地方路線の増便を行っており、中国でも水際規制緩和や地方路線の増便を開始。したがってコロナ禍前よりも訪日しやすい状態が整ったことが、訪日外客数が増加した要因と考えられている。(※7)

他国の経済成長や富裕層の増加

訪日外客数が増加している要因のひとつに、他国の経済成長や富裕層の増加が挙げられる。とくに中国や韓国、台湾といった近隣アジアの所得は上昇し続けており、通貨も円に対して上昇している。これらの条件が重なったことで、近隣アジアの人たちがより訪日しやすくなったと考えられている。(※9)

円安の影響

訪日外客数が増加している大きな要因として、円安の影響が挙げられる。インバウンド観光客に影響を与える為替は近年の急激な円安が続いたことで、以前より安く日本旅行ができるようになった。したがって、このタイミングでお得に旅行したいと考える外国人観光客が増えたと考えられている。(※10)

外国人観光客へのビザ発給の緩和

訪日外客数が増加した要因として、ビザ発給の緩和が挙げられる。特定の国々から短期滞在する外国人に対し、ビザ発給要件の緩和や必要書類の簡素化が実施された。これによりビザ取得までの手続きが以前よりも簡単になったため、訪日外国人観光客の増加が促進されたと考えられている。(※11)

アニメ・漫画文化の人気

日本のアニメや漫画は世界中で人気がある。したがって、それらに関する施設やショップ、聖地巡礼やイベント参加のために訪日する外国人観光客が一定数いると考えられている。(※12)

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訪日観光客に人気のある観光スポット

スカイツリー

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ここでは、訪日観光客に人気のある観光地や観光スポットについて解説する。

東京|現代と伝統を体験できる

東京といえば「東京スカイツリー」「東京タワー」といったさまざまな観光スポットが外国人観光客に人気だ。

なかでも最新のファッションやトレンドを感じられる「新宿や渋谷」、日本の歴史を感じられる「浅草寺」、漫画・アニメ・ゲームといった日本のエンタメを感じられる「秋葉原」などは、まさに現代と伝統文化の両方を体験できる人気の観光地となっている。(※13)(※14)

大阪|日本を代表する観光名所

大阪で外国人観光客から人気の観光名所といえば、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」である。そのほか「大阪城」「道頓堀」などの有名な観光名所はもちろん、大阪ならではのたこ焼きやお好み焼きといった「粉もん」も人気だ。とくに道頓堀などの繁華街では、食べ歩きをしながら大阪名物を堪能できる点も魅力のひとつとなっている。(※14)

京都|日本の歴史や文化を堪能できる

京都といえば、日本の古き良き時代を感じられる観光スポットとして人気だ。外国人観光客からは「清水寺」「嵐山竹林の小径(竹林の道)」「京都錦市場」などが人気の観光スポットとなっている。また京都ならではの「和スイーツ」や「抹茶」を使用した食べ物やお土産も魅力のひとつだ。(※14)

札幌|豊かな自然と多様な食文化

札幌は、新鮮な海の幸や北海道ならではの濃厚なミルクを使用したスイーツ、ジンギスカン、札幌ラーメンといったさまざまな名物料理や食文化を楽しめることで人気の観光地だ。また北海道は豊かな自然も魅力であり、美しい雪を楽しめるスキーなどのアウトドアレジャーも外国人観光客から人気がある。(※14)

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訪日外国人観光客に対する課題

奈良のシカ

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ここでは、訪日外国人観光客に対する現状の課題について紹介する。

言語の壁

国土交通省の観光庁が発表した「訪日外国人旅行者の受入環境に関する調査」によると、訪日外国人が旅行中に困ったことのひとつに「言語の壁」が挙げられていた。海外に比べて日本は英語を流ちょうに喋れる人の割合が少なく、施設のスタッフと円滑にコミュニケーションを取りづらいと感じた外国人観光客は多かった。(※15)

交通機関の利用の難しさ

観光庁の調査によると、訪日外国人観光客が旅行中に困ったことのひとつに「公共交通機関の利用の難しさ」が挙げられていた。日本では未だ多くの場所で多言語表示が追い付いていない。外国人観光客にとって、人の往来が激しい路線の乗り継ぎや駅構内の導線の複雑さについて、利用するのが難しいと感じる割合が多かった。(※16)(※17)

観光地での混雑

最近よく耳にする「オーバーツーリズム」。これは特定の観光地での混雑や、ごみのポイ捨てといった観光客のマナー違反に対して使われる言葉だ。この「オーバーツーリズム」が、最近とくに問題視されている。

観光客が特定の観光地に集中することにより、交通渋滞や混雑を招いてしまっている。この状態は観光客にとってストレスの要因になるだけでなく、そこに住む地元住民にも影響を及ぼす。今後は、観光地の混雑をどのように緩和していくのかが大きな課題となるだろう。(※10)

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外国人観光客国別ランキング(訪日)ではアジア諸国が上位に

スマホで写真を撮る人

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外国人観光客の国別ランキング(訪日)では、中国や韓国などの近隣アジアが上位を占める結果となった。観光業がにぎわうのはいいことだが、特定の観光地での混雑やごみのポイ捨てといった観光客のマナー違反は対策すべき大きな課題のひとつといえるだろう。今後は、観光客とそこに住む地域住民の双方が気持ちよく過ごせる状態を、私たちも考えて取り組んでいく必要がある。

※掲載している情報は、2024年11月26日時点のものです。

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