ブッキング・ドットコム 「サステナブル・トラベル」に関する本年度の調査結果を発表

バルコニーでコーヒーを飲む女性

ブッキング・ドットコムが、2023年版「サステナブル・トラベル」に関する調査結果を発表した。8年目を迎え、過去最大規模となる本年度の調査では、不安定な世界情勢を背景に“コスト削減” と“サステナブルな旅行”の選択に迫られる旅行者のジレンマが明らかになった。

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2023.07.20
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ブッキング・ドットコム 2023年版「サステナブル・トラベル」に関する調査の結果発表

風力発電が見える景色

「すべての人に、世界をより身近に体験できる自由を」を企業理念に、多種多様な宿泊施設や旅ナカ体験、旅行中のシームレスな移動手段を提供する世界最大級の宿泊予約サイト「Booking.com(ブッキング・ドットコム)」は、世界35の国と地域にわたる33000名以上の旅行者を対象に実施した2023年版の「サステナブル・トラベル」に関する調査の結果を発表した。

調査開始から8年目を迎え、過去最大規模となる本年度の調査(※)では「不安定な世界情勢がサステナブルな旅行に対する旅行者の意思決定にどのような影響を与えているか」に焦点を当てた。

その結果、旅行者のサステナブルな旅行に対する関心は高いものの、生活費の高騰や気候変動への不安から、サステナブルな旅行を選択するか、それとも旅行費用を削減するかの間で板挟みになっている旅行者のジレンマが明らかになった。

不安定な世界情勢におけるサステナビリティとコスト削減での葛藤

昨年以降、経済情勢が急激に変化したことによって、生活費の高騰と気候変動という2つの問題が注目されている。

気候変動においては、世界の旅行者の74%(日本の旅行者:48%)が「次世代のために地球を守るには、今すぐ行動し、よりサステナブルな選択をする必要がある」と回答している。

さらに「今後1年間において、よりサステナブルに旅行したい」と回答した日本の旅行者は56%となり、世界の旅行者と比較すると、いまだ20ポイントの開きがあるものの、昨年の結果からは10%上昇しており、日本においてもサステナブルな旅行への関心が年々高まっていることがうかがえる結果となった。

「今後1年間によりサステナブルに旅行したい」を表すグラフ

一方で、世界の旅行者の49%(日本の旅行者:43%)が「よりサステナブルな旅行はコストがかかりすぎる」と回答。

「よりサステナブルな旅行はコストがかかりすぎる」を表すグラフ

また、世界の旅行者の76%(日本の旅行者:75%)が「世界的なエネルギー危機と生活費の高騰が支出計画に影響を及ぼしている」と回答していることから、旅行者はサステナブルな選択をしたいものの、旅行費用の削減も余儀なくされているため、どちらかを優先し、選択しなければならないというジレンマに陥っていることがうかがえる。

生活費高騰の影響に関するグラフ

そのような葛藤を感じるなか、多くの旅行者はサステナブルな旅行を選択するにあたって特典を求めており、意識的な選択をする交換条件として、節約ができたり、インセンティブをもらえたりすることの必要性が浮き彫りとなっている。

また、世界の旅行者の49%(日本の旅行者:31%)が「エコフレンドリーな旅行の選択に対する割引や経済的なインセンティブがほしい」(2022年比:世界で12%上昇、日本で22%上昇)と回答。

世界の旅行者の42%(日本の旅行者:39%)が「よりサステナブルな選択をすることに対して、オンライン予約サイトを通じて付与される特別な無料特典や割引に換えられるポイントがあれば、よりサステナブルな旅行をするきっかけになる」と回答している。

変化を促進するための障壁の克服には選択肢がカギに

収穫をする人たち

よりサステナブルな旅行のハードルとなっているのは、費用面だけではなく、限られた情報や可視化されている選択肢の少なさなども挙げられる。

実際、世界の旅行者の51%(日本の旅行者:54%)が「サステナブルな旅行の選択肢の数が十分にない」と回答。

「サステナブルな旅行の選択肢の数」に関するグラフ

世界の旅行者の74%(日本の旅行者:53%)が「よりサステナブルな旅行の選択肢を旅行会社に提供してほしい」(2022年の世界66%、日本43%からそれぞれ上昇)と回答している。

よりサステナブルな旅行を求めるグラフ

しかし、サステナブルな選択をする意欲があっても、世界の旅行者の44%(日本の旅行者:53%)は「よりサステナブルな選択肢をどこで見つけたらいいのかわからない」と回答。情報の発信がまだ足りないことがうかがえる。

例として、世界の旅行者の75%(日本の旅行者:53%)が「現地の文化を代表するような本格的な体験を楽しみたい」と回答している一方で、世界の旅行者の40%(日本の旅行者:47%)が「現地のコミュニティに還元できるツアーやアクティビティをどこでどう探せばよいかわからない」と回答している。

旅先で取り入れる、小さなサステナビリティの習慣

さまざまな障壁があるにも関わらず、世界の旅行者の80%が「よりサステナブルな旅行をすることは自身にとって重要である」と回答している。また、日本の旅行者も世界と同じく、80%という高い水準となり、環境に配慮したサステナブルな旅行への強い関心があることがうかがえる。

よりサステナブルな旅行の重要性に関するグラフ

実際に、世界の旅行者の68%(日本の旅行者:54%)がエコバッグを使用し、世界の旅行者の64%(日本の旅行者:50%)がごみをリサイクルし、世界の旅行者の58%(日本の旅行者:45%)がマイボトルを持ち歩いているという結果が出ている。

この結果から、旅行者はよりサステナブルな未来を推進するために、自宅や旅先で積極的に小さな一歩を踏み出すことで意思を行動に移していることがわかる。また、この1年間で旅行者が旅先でも日常的な習慣を取り入れる割合が、以下のように大幅に増加している。

● 外出時に宿泊施設のエアコンを切っている
世界の旅行者の67%(日本の46%:旅行者)
(2022年比:世界で29%上昇、日本で19%上昇)
●同じタオルを複数回使用している
世界旅行者の60%(日本の旅行者:34%)
(2022年比:世界で25%上昇、日本で20%上昇)
●持参したマイボトルを使用している
世界の旅行者の55%(日本の旅行者:25%)
(2022年比:世界で19%上昇、日本で20%上昇)
●外出中に宿泊施設の照明と電化製品を消す
世界の旅行者の77%(日本の旅行者:54%)
●旅先でごみをリサイクルする
世界の旅行者の45%(日本の旅行者:23%)
●徒歩、自転車、公共交通機関を利用できるように観光計画を立てた
世界の旅行者の43%(日本の旅行者:36%)

さらに世界の旅行者の43%(日本の旅行者:37%)が「混雑を回避するためにピークシーズン以外の時期に旅行した」と回答した。

また旅行者の間では、旅行中に「現地で購入しよう」という考えが一般的となりつつあり、世界の旅行者の43%(日本の旅行者:22%)が「小規模の独立系店舗を優先した」と回答した。

サステナビリティの信頼性と信憑性

ベランダで語り合う2人の男性

世界の旅行者の66%(日本の旅行者:56%)は「訪れた場所をよりいい状態にして帰りたい」と回答しており、気候変動への不安が高まるなか、宿泊施設から移動手段の選択にいたるまで、旅行者がより責任ある消費者になりつつあることは間違いない。

世界の旅行者の65%(日本の旅行者:52%)は「宿泊施設がサステナブル認証やラベルを取得済みだとわかった場合、その宿泊施設での滞在についてより好ましく感じる」と回答し、世界の旅行者の59%(日本の旅行者:35%)は「次回予約を行う際はサステナブル認証を受けた宿泊施設を絞り込んで検索したい」と回答。

さらに世界の旅行者の43%(日本の旅行者:22%) は「サステナブルな認証を受けた旅行のために追加料金を支払うことをいとわない」と回答したことから、旅行者は信頼できる認証があることを重要視していることがわかる。

また今後は、「サステナビリティを推進するブランドを常に探している」(世界:30%、日本:16%)、「環境にやさしいLED照明やデュアルフラッシュトイレなど、特定の選択肢が他のものよりもサステナブルであると認識されている理由について詳しく知りたい」(世界:69%、日本:45%)と回答する意識の高い旅行者の期待に応えていくこと求められる。

同時に「サステナブルと謳われている旅行の選択肢が、実際にサステナブルだとは信じていない」という回答者(世界:39%・日本:28%)に対しては、信頼を得るために、旅行業界ではさらなる情報発信を行い、大きく前進することが必要となる。

すべての旅行者が、より簡単にサステナブルな選択ができるように

ハイキングをする人たち

2021年11月に運用を開始したブッキング・ドットコムの「サステナブル・トラベル」プログラムは、1周年を迎えてからも以下のような新たな機能や取り組みを追加している。

● 旅行者は、世界95都市で「100%電気自動車」タグを使って、環境にやさしいタクシーを検索・予約できるようになった。
● フライトによる環境への影響についての透明性を高めるために、さまざまなオプションの二酸化炭素排出量を比較できるほか、近々、特定のルートや航空会社が他と比べて排出量の少ないオプションを提供していることを示すタグが表示されるようになる。
● ロンドン、アムステルダム、バンコク、メルボルンを含む世界47都市の宿泊施設を予約すると、公共交通機関のチケット購入のオプションが提供される。

ブッキング・ドットコムのCEOであるグレン・フォーゲル氏は、次のように述べている。「旅行需要が回復傾向にある一方で、生活費の高騰や気候変動への不安から、より低予算かつ地球にやさしい選択肢を求める声が高まっています。旅行はいい影響を持ち得るものであり、旅行者自身がさらにサステナブルな旅行の習慣を取り入れたり、責任ある体験を求めたりすることで変化を起こすことができることを証明しています。

ブッキング・ドットコムでは、みなさまの声に耳を傾け、業界全体のパートナーと協力して、旅行者へのサポートと地域社会や環境の利益のために常にポジティブな変化の先頭に立つことを目指して、旅行のあらゆる側面について見直しています。よりサステナブルな旅行は世界への投資でもあります。ブッキング・ドットコムは、サステナブル・トラベルの実現における道のりのどこにいても、すべての人がより環境に配慮した責任ある方法で世界を体験できるよう尽力してまいります」

※本調査はブッキング・ドットコムによって、世界35の国と地域の33228名の回答者を対象に独自に行われたもの。調査に参加した回答者の条件は、18歳以上であること、直近12カ月間に1回以上旅行をしたこと、2023年に旅行を計画していること、旅行に関する意思決定を行う立場にあるか、または意思決定に関与していること。本調査は2023年2月、オンラインで実施された。

お問い合わせ先/Booking.com
https://news.booking.com/ja

※掲載している情報は、2023年7月20日時点のものです。

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