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猛暑日がめずらしくなくなった近年。世界的な気温の上昇が騒がれるなか、日本でもその傾向は顕著に現れている。本記事では、日本の歴代最高気温ランキングを掲載。ランキングを踏まえた傾向をはじめ、気温が高くなる要因や地球温暖化対策としてできることを紹介する。
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以下では、気象庁が発表した日本の最高気温ランキングを紹介する。ランキングは、各地点の観測史上1位の値を使って作成されている。(※1)
順位 | 都道府県 | 地点 | 観測値(℃) | 起日 |
---|---|---|---|---|
1 | 静岡県 | 浜松 | 41.1 | 2020年8月17日 |
〃 | 埼玉県 | 熊谷 | 41.1 | 2018年7月23日 |
3 | 栃木県 | 佐野 | 41.0 | 2024年7月29日 |
〃 | 岐阜県 | 美濃 | 41.0 | 2018年8月8日 |
〃 | 岐阜県 | 金山 | 41.0 | 2018年8月6日 |
〃 | 高知県 | 江川崎 | 41.0 | 2013年8月12日 |
7 | 静岡県 | 天竜 | 40.9 | 2020年8月16日 |
〃 | 岐阜県 | 多治見 | 40.9 | 2007年8月16日 |
9 | 新潟県 | 中条 | 40.8 | 2018年8月23日 |
〃 | 東京都 | 青梅 | 40.8 | 2018年7月23日 |
〃 | 山形県 | 山形 | 40.8 | 1933年7月25日 |
12 | 山梨県 | 甲府 | 40.7 | 2013年8月10日 |
13 | 新潟県 | 寺泊 | 40.6 | 2019年8月15日 |
〃 | 和歌山県 | かつらぎ | 40.6 | 1994年8月8日 |
15 | 群馬県 | 桐生 | 40.5 | 2020年8月11日 |
〃 | 群馬県 | 伊勢崎 | 40.5 | 2020年8月11日 |
〃 | 山梨県 | 勝沼 | 40.5 | 2013年8月10日 |
18 | 三重県 | 桑名 | 40.4 | 2024年8月9日 |
〃 | 新潟県 | 三条 | 40.4 | 2020年9月3日 |
〃 | 山形県 | 鼠ケ関 | 40.4 | 2019年8月15日 |
〃 | 埼玉県 | 越谷 | 40.4 | 2007年8月16日 |
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以下では、ランキングからわかる傾向をまとめた。
ランキングでは21地点が取り上げられているが、そのすべてで40℃を超えている。40℃を上回るエリアは、もはやめずらしくないことがわかる。
ランキングの上位21のうち、19は2000年以降に記録したもの。2000年以前のものは、1933年に観測した山形県山形地点の40.8℃(9位)と、1994年8月に観測した和歌山県かつらぎ地点の40.6度(13位)のみだ。
2022年の夏、日本気象協会が気温が40℃を上回る日を「酷暑日」と呼ぶことを発表した。35℃を上回る場合を「猛暑日」としているが、近年40℃以上の日が続出していることが背景だ。(※2)日本では、近年明らかに酷暑日が増加傾向にある。
ランキングの1位は、静岡県の浜松地点と埼玉県の熊谷地点。いずれも41.1℃で、同値で1位という結果だ。3位以降も、猛暑関連のニュースで常連のエリアが名を連ねている。
ランキングに入っている地点は、関東地方や東海地方、近畿地方などに集中傾向だ。一般的に、海洋性の気候色が強いエリアでは、気温が上がりにくい。一方で、海に面していない内陸県は、気温が上がりやすく下がりやすい。
また、北陸地方の日本海側は、フェーン現象の影響を受けやすい。ランキングに入っている新潟県は、フェーン現象の影響を受けやすいエリアとして知られている。(※3)
※フェーン現象:風が山を吹き降りる際に、空気が圧縮されて気温が上昇すること
西日本より東日本のほうが、最高気温を観測しやすい傾向にある。九州や沖縄はランキング上位に入っていない。また、東日本でも北海道や、山形県を除く東北地方は、ランキング上位に入っていない。
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2023年の夏(6〜8月)は、平均気温が過去最高を記録したことから「もっとも暑い夏」といわれてきた。しかし、2024年も、2023年の記録と並び、「もっとも暑い夏」となった。
2024年7月の日本の平均気温は、1898年の統計開始以来、もっとも高かった。日本の月平均気温の基準値を2.16℃上回り、2023年の記録をさらに上回る結果となった。全国的に気温が高い傾向にあり、全国153の気象台などのうち62地点で、平均気温が7月として歴代最高を記録した。(※4)
全国914地点のうち、144地点で観測史上最高気温を記録。7・8月は、全国の9地点で40℃以上の最高気温を記録した。また、8月4日は、301地点で猛暑日を観測し、これは過去最多の記録となった。(※5)
福岡県太宰府市では、猛暑日(最高気温35℃以上)が40日間連続し、国内の最長記録を更新した。気温が下がりにくい地形に加え、梅雨明け後に雨が降らなかったことが要因と考えられている。最終的に、猛暑日の連続記録こそ40日でストップしたが、以降も暑い日が続いている。(※6)
太宰府市における2024年の猛暑日日数は、9月12日時点で54日。年間日数は、日本最多を更新した。全国的にも、猛烈な残暑が続いている状況だ。(※7)
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ここまで近年の気温の傾向について紹介してきたが、そもそも気温が高くなる要因は何なのだろうか。以下では、詳細を解説する。
まず、気温上昇要因として考えられるのが、大気の自然変動だ。大気は、太陽活動の変化や微粒子の増加などの影響を受けて、数十年規模で変動を繰り返している。近年の気温の上昇には、ほかにもさまざまな要因があるものの、自然な現象として気温が上昇することもあり得るという点は、頭に入れておきたい。(※8)
自然変動以外に考えられる要因は、地球温暖化だ。近年は、日本の夏が暑くなっているだけでなく、冬が暖かくなっていることが指摘されている。長期の気象観測データによると、冬の気温が全国的に上昇しており、気温が低い日が減少傾向という。
さらに、この傾向は、世界中の多くの領域で見られている。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第6次評価報告書によると、陸上のみならず、海洋上でも気温が上昇傾向だ。(※9)
日本に話を戻すと、「異常気象分析検討会」の会長は、2024年の夏の暑さを異常気象だと結論付けた。さらに、文部科学省や気象庁などの研究チームが分析を行い、2024年夏の異常気象には地球温暖化が影響している可能性があるとの結果を出した。地球温暖化の影響がない場合、記録的な暑さは「ほぼ発生しない」という見解だ。(※10)
1800年代以降の気候変動には、私たち人間の活動が大きく関わっているといわれている。気候変動というと広義だが、なかでも地球温暖化の主な原因は温室効果ガス。経済活動や日常生活のなかで排出される温室効果ガスが、地球全体の温度を上昇させている。近年の猛暑にはさまざまな要因があるというのは大前提だが、私たち人間が招いた結果であるのも、また事実だ。
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気温の上昇を皮切りに、自然災害の頻発や食料問題など、多様な問題に紐づいている地球温暖化。私たちの生活で排出される温室効果ガスが主要な要因であり、生活の見直ししだいでは、これ以上の温暖化を止められるかもしれない。
ここでは、地球温暖化対策として手軽にできるアクションを4つ紹介する。
CO2は、私たちの生活しだいで排出を削減できる。エネルギーを使用すると、それだけCO2が排出される。使っていない電気を消す、冷暖房の設定温度を見直すなどの気軽なアクションでも十分に省エネできる。省エネ家電を選ぶのも一つの方法だ。
マイカー移動はCO2の排出につながってしまうため、可能な範囲でバスや電車などの公共交通機関を利用するように心がけよう。近い距離であれば、徒歩や自転車を積極的に使ってみてほしい。
環境にやさしい製品を選択することでも、CO2は削減できる。例えば、プラスチック製品は、製造時に多くのCO2を排出する。レジ袋はもらわない、マイボトルを持参する、プラスチックが使われていない製品を選ぶなど、ふだんの生活で実践できることがあるはずだ。
また、使い捨てではなく、繰り返し使えるアイテムを手に取ってみるのもいいだろう。マイ箸を持ち歩く習慣をつけるほか、ラップの代わりにミツロウラップ、キッチンペーパーでなく晒という風に少し生活を見直すだけで、ごみ焼却時のCO2の削減にも貢献できる。
ごみを減らすと、運搬や焼却の際に発生するCO2の排出量も減らせる。リサイクルやリユースを取り入れながら、できるだけごみを生み出さないように生活したいものだ。
買いすぎにも要注意。安易に買ってごみにするのではなく、買ったものに責任を持って、最後までしっかり資源を活用できるように心がけよう。
世界の平均気温が観測史上最高だったことから「地球が沸騰する時代が到来」と表現された2023年の夏。日本における2024年の夏は、2023年に並ぶ「もっとも暑い夏」として更新された。
今回、日本の最高気温ランキングを目にして、あまりの暑さに衝撃を受けた人もいるだろう。いまのままだと、これからも気温の上昇が続くと予想されている。現実から目を背けずに、まずは身の回りからアクションを起こしていきたい。
※1 歴代全国ランキング|気象庁
※2 気温40度以上なら「酷暑日」 気象協会が命名|中日新聞
※3 猛暑日の上は酷暑日?40℃を超えやすい地域や近年増加傾向にある原因について解説|日本気象協会
※4 過去1番暑い7月だった 2024年7月「日本の月平均気温」1898年以降で最高|日本気象協会
※5 今年の夏も、史上最も暑かった 平均気温、平年より1.76度高く|朝日新聞デジタル
※6 40日連続の猛暑日、なぜ福岡・太宰府で? 国内最長記録も更新|毎日新聞
※7 福岡・太宰府は今年54日目、大阪は40日目の猛暑日 明日も残暑収まらず|ウェザーニュース
※8・9 ココが知りたい地球温暖化|国立環境研究所 地球システム領域 地球環境研究センター
※10 今年も最も暑い夏に 平年より1.76度高く 暑さの原因と影響は?|NHK
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