【2022年最新】ジェンダーギャップ指数ランキング 世界と日本の現状・今後の課題は

ピースサインを交差する腕

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2022年7月、今年のジェンダーギャップ指数が公表された。日本の順位に注目するとともに、「そもそもジェンダーギャップ指数とは何なのか?」についても学んでみよう。スコアの算出方法や世界各国のランキングや取り組み状況を解説する。

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2022.08.26

ジェンダーギャップ指数とは

ジェンダーギャップ指数は、近年の国際社会において、高く注目される指標の一つである。

ジェンダーギャップ指数が初めて公表されたのは、2005年のこと。世界経済フォーラム(World Economic Forum:WEF)が世界各国の男女格差の状況をわかりやすく数値化し、ランキング形式で発表している。SDGsに「ジェンダー平等を実現しよう」という目標が盛り込まれたこともあり、ランキング上位国だけではなく、下位国にも注目が集まっている。

では早速、ジェンダーギャップとジェンダーギャップ指数について、より詳細な情報をチェックしてみよう。

ジェンダーギャップが引き起こす問題の具体例

ジェンダーギャップを日本語に直訳すると、「男女格差」である。性別の違いによって生じる、さまざまな格差を指す言葉だ。格差が生じるのは、社会全体においてのみではない。ときには家庭内の役割においても、ジェンダーギャップは生まれてしまう。より深く理解するため、具体例を挙げてみよう。

・雇用機会や賃金が男女平等ではない
・性別を理由に「学歴は必要ない」と言われる
・性暴力や人身売買の被害に遭う
・児童婚や強制結婚をさせられる

ジェンダーギャップを放置すれば、性別を理由に理不尽な扱いを受ける人が増加するだろう。とくに女性は、暴力や虐待の被害に遭いやすい。また妊娠や出産といった女性特有のライフイベントは、仕事に影響を与えやすい。雇用やキャリア、賃金といった面で、格差が生じる恐れがある。

ジェンダーギャップ指数の目的

WEFが毎年一度発表しているジェンダーギャップ指数は、「ジェンダーギャップ」という目に見えない要素を、数値化したデータである。「Gender Gap Index」の頭文字をとってGGIとも呼ばれている。日本語では、「男女平等格差指数」だ。

ジェンダーギャップ指数は、各国の数値をランキング形式で発表する。とはいえ、これは各国の分断を促すためではない。それぞれの国が、自国内の男女格差課題を把握し、解消するために具体的な行動を起こすことを目的にしている。

ジェンダーギャップ指数は、格差を当たり前にしないため、またより多くの人が当事者として問題意識を持つために公表されている。とくに男女不平等の社会においては、男性に比べ、女性が不利益を被りがちだ。ランキングは、世界を変えるためのきっかけと言えるだろう。

ジェンダーギャップ指数の算出方法

ジェンダーギャップ指数は、以下の4分野の統計データから算出される。

経済(労働参加率・同一労働における賃金・収入格差・管理職の男女比・専門技術の男女比)
政治(議会や閣僚など意思決定機関への参画・過去50年間の国家元首の在任年数における男女差)
教育(識字率・初等教育就学率・中等教育就学率・高等教育就学率の男女比)
保健(出生時性比・平均寿命の男女差)

これら4分野のスコアをそれぞれ導き出した上で、その平均値が最終的なジェンダーギャップ指数として公表される仕組みだ。

男女間の格差が全くない完全平等の状態が「1」、反対に完全不平等の状態が「0」である。つまりジェンダーギャップ指数が「1」に近い国ほど男女格差が存在しないことを示している。

2022年最新ジェンダーギャップ指数

2022年のジェンダーギャップ指数は、2022年7月13日に公表された。2022年のランキングには、世界の146か国が参加。日本の順位は116位である。WEFの「ジェンダーギャップ指数2022」から、世界各国の順位やスコアを紹介しよう。(※1)

順位国名スコア
1位アイスランド0.908
2位フィンランド0.86
3位ノルウェー0.845
4位ニュージーランド0.841
5位スウェーデン0.822
6位ルワンダ0.811
7位ニカラグア0.81
8位ナミビア0.807
9位アイルランド0.804
10位ドイツ0.801
11位リトアニア0.799
12位コスタリカ0.796
13位スイス0.795
14位ベルギー0.793
15位フランス0.791
16位モルドバ0.788
17位スペイン0.788
18位アルバニア0.787
19位フィリピン0.783
20位南アフリカ0.782
21位オーストリア0.781
22位英国0.78
23位セルビア0.779
24位ブルンジ0.777
25位カナダ0.772
26位ラトビア0.771
27位米国0.769
28位オランダ0.767
29位ポルトガル0.766
30位バルバドス0.765
31位メキシコ0.764
32位デンマーク0.764
33位アルゼンチン0.756
34位モザンビーク0.752
35位ガイアナ0.752
36位ベラルーシ0.75
37位ペルー0.749
38位ジャマイカ0.749
39位スロベニア0.744
40位パナマ0.743
41位エクアドル0.743
42位ブルガリア0.74
43位オーストラリア0.738
44位スリナム0.737
45位カーボベルデ0.736
46位ルクセンブルク0.736
47位チリ0.736
48位マダガスカル0.735
49位シンガポール0.734
50位ジンバブエ0.734
51位ボリビア0.734
52位エストニア0.733
53位ラオス0.733
54位モンテネグロ0.732
55位グルジア0.731
56位東ティモール0.73
57位ケニア0.729
58位エスワティニ0.728
59位エルサルバドル0.727
60位イスラエル0.727
61位ウガンダ0.724
62位ザンビア0.723
63位イタリア0.72
64位タンザニア0.719
65位カザフスタン0.719
66位ボツワナ0.719
67位スロバキア共和国0.717
68位アラブ首長国連邦0.716
69位北マケドニア0.716
70位モンゴル0.715
71位バングラデシュ0.714
72位ウルグアイ0.711
73位ボスニア・ヘルツェゴビナ0.71
74位エチオピア0.71
75位コロンビア0.71
76位チェコ共和国0.71
77位ポーランド0.709
78位リベリア0.709
79位タイ0.709
80位パラグアイ0.707
81位ウクライナ0.707
82位ホンジュラス0.705
83位ベトナム0.705
84位ドミニカ共和国0.703
85位マルタ0.703
86位キルギス共和国0.7
87位レソト0.7
88位ハンガリー0.699
89位アルメニア0.698
90位ルーマニア0.698
91位トーゴ0.697
92位インドネシア0.697
93位キプロス0.696
94位ブラジル0.696
95位ベリーズ0.695
96位ネパール0.692
97位カメルーン0.692
98位カンボジア0.69
99位韓国0.689
100位ギリシャ0.689
101位アゼルバイジャン0.687
102位中国0.682
103位マレーシア0.681
104位ブルネイ・ダルサラーム0.68
105位モーリシャス0.679
106位ミャンマー0.677
107位フィジー0.676
108位ガーナ0.672
109位シエラレオネ0.672
110位スリランカ0.67
111位バヌアツ0.67
112位セネガル0.668
113位グアテマラ0.664
114位タジキスタン0.663
115位ブルキナファソ0.659
116位日本0.65
117位モルディブ0.648
118位ギニア0.647
119位レバノン0.644
120位チュニジア0.643
121位ガンビア0.641
122位ヨルダン0.639
123位ナイジェリア0.639
124位トルコ0.639
125位アンゴラ0.638
126位ブータン0.637
127位サウジアラビア0.636
128位ニジェール0.635
129位エジプト0.635
130位クウェート0.632
131位バーレーン0.632
132位マラウイ0.632
133位コートジボワール0.632
134位コモロ0.631
135位インド0.629
136位モロッコ0.624
137位カタール0.617
138位ベナン0.612
139位オマーン0.609
140位アルジェリア0.602
141位マリ0.601
142位チャド0.579
143位イラン、イスラム共和国0.576
144位コンゴ民主共和国0.575
145位パキスタン0.564
146位アフガニスタン0.435

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日本の分野別ジェンダーギャップ指数

ジェンダーギャップ指数が発表されると、日本でもたびたび、その順位の低さが話題になる。日本のジェンダーギャップ指数が低い原因はどこにあるのか、算出元の4分野のスコアからチェックしてみよう。

分野スコア(順位)昨年のスコア(順位)
経済0.564(121位)0.604(117位)
政治0.061(139位)0.061(147位)
教育1.000(1位)0.983(92位)
保健0.973(63位)0.973(65位)

それぞれのスコアから、日本の順位について考察してみよう。

教育は世界トップレベル 経済・政治分野が課題

日本の各分野のスコアをチェックしてみると、教育分野では世界トップレベルである。前年の0.983からさらにスコアを上げ、2022年度は1.000、つまり「完全平等」と言われる状態を達成している。

一方で、大きくおくれをとっているのが経済、そして政治分野である。とくに政治分野においては、数値が非常に0に近い。ほぼ完全不平等の状態と言えるだろう。

ジェンダーギャップ指数は4分野のスコアの平均値で求められるため、指数を上げるためには経済・政治分野での男女平等が必要不可欠である。より積極的な取り組みが求められるだろう。

経済分野では女性管理職の少なさが課題

今回、唯一スコアを下げたのが経済分野である。経済分野でとくに数値が低かったのは、「管理職の男女比」。以前と比較すると、管理職への女性登用を推進する企業も増えてきている。とはいえ、まだまだその取り組みは充分ではない。また女性が管理職としてバリバリ仕事をこなせるだけの社会的環境が醸成されていない点も、今後の課題と言えるだろう。

【上位国・下位国】世界の男女格差の現状

「ジェンダーギャップ指数2022」からわかる男女格差の現状は以下のとおりである。上位国・下位国それぞれの傾向からチェックしてみよう。

上位国の傾向

ジェンダーギャップ指数上位には、北欧諸国が並んでいる。過去の結果から見ても、もはや常連と言っていいだろう。上位国には、「4分野のスコアがそれぞれ安定して高い」という特徴がある。

また、ルワンダやニカラグア、ナミビアなど、アジアやアフリカ各国も上位に名を連ねた。男女格差の是正に向けて、積極的な取り組みを行った結果と考えられる。

たとえばルワンダでは国会議員の半数以上が女性である。過去に激しい内戦を経験したルワンダでは、男性国民の数が激減。その穴埋めをするために、女性を多く登用する制度がつくられた。国としての機能を維持するための施策が、ジェンダーギャップ指数の向上にもつながったのだ。

下位国の傾向

下位国の傾向としては、「スコアのなかで著しく低い項目を持つ」という点が挙げられるだろう。政治・経済分野が足を引っ張る日本も、同様の傾向を持つ国の一つだ。今回のランキングで最下位になったアフガニスタンでは、経済分野のスコアがわずか0.176。全体的にスコアの低い南アジア各国のなかでも、とくに低い結果となった。

イランやアフガニスタン、ブータンなど、ランキング下位国で目立ったのが、労働参加率や収入格差のスコアダウンである。ここ数年、世界中で猛威をふるう新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。その影響はとくに経済界において顕著である。女性は男性よりも、職を失ったり収入が減少したりするリスクが高いと言われており、今回のスコアダウンにも影響していると考えられる。(※2)

世界的な男女格差動向

新型コロナによる影響

「ジェンダーギャップ指数2022」において、WEFは「ジェンダーギャップがなくなり、完全な男女平等を実現するためには132年かかるだろう」と予測。

2020年までは100年以内の数値が示されていただけに、世界各国でのギャップ解消に向けた動きが停滞していることがわかる。停滞の大きな原因となったのは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるパンデミックである。

2021年のデータでWEFは、完全平等達成までの期間を「136年」と予測していた。わずかに改善傾向が見られるものの、コロナ禍以前の水準に戻せるほどではない。パンデミックによる打撃はいまだに大きく、とくに女性は不利な環境に置かれがちだ。日本においても例外ではない。(※3)

女性就業者数の低下幅は、男性就業者数に比べて大きいことがわかっている。とくに製造業、飲食業、生活・娯楽業における女性就労者の減少が大きいという。

女性の政治進出の現状と課題

とはいえ、世界的に見ればジェンダー平等に向けた動きがすべて停滞しているわけではない。

2021年11月には、EUが「2025年まで新たな対外的活動の8割以上でジェンダー平等の実現を目指す」ことを表明。多くの途上国を支援する予定だ。すでに460億ユーロ(約5兆9000億円)の資金を動員し、130以上のパートナー国を支援している。今後も、女児教育への支援や女性の健康に関するサービスへのアクセス改善など、幅広い分野で継続的な支援が行われる予定だ。

また、政治分野への女性の進出を促すため、政治分野での男女間格差を是正する施策をとる国も多い。クオータ制度は、女性議員の数が一定以上になるよう調整するための制度であり、世界の多くの国で導入されている。

ジェンダー・クオータ・データベースによると、2022年8月時点で、世界の136の国が何らかの形でクオータ制度を導入している。この制度を導入している国々の女性議員割合の平均は、27.6%に上る。クオータ制を導入していない日本における女性議員の割合は、この数値に遠く及ばない。(※4)

2022年7月8日時点での日本の衆議院の女性議員数の割合は、1割にも満たない。参議院の女性議員数の割合は28%である。2022年7月に行われた選挙の結果に基づくデータであり、過去最高の割合として話題になった。(※5)

少しずつ変化が見られるものの、その動きはまだまだ十分ではない。女性の議員数は男性に比べて極端に少なく、女性の意見を反映させづらい環境と言えるだろう。諸外国と比較して、日本の現状はおくれており、今後さらなる努力が求められる。

男女間の賃金格差

一方で、経済分野においては2022年7月より、新たな取り組みがスタートしている。女性活躍推進法の制度改正により、全労働者について男女間の賃金格差の情報開示を義務化。これにより、男女間の賃金格差の解消を目指す。なお、今回の制度改正で対象となるのは、常用労働者301人以上の事業主である。(※6)

まだスタートしたばかりの制度であり、その効果は未知数である。男女間の賃金格差の変化に注目していこう。

日本の課題と今後の男女格差

日本が抱える当面の課題は、経済・政治分野でのジェンダーギャップの解消だろう。各界のリーダーや専門職に女性をより積極的に登用していく必要がある。とはいえ、それは、ただ単純に「女性の登用を推奨すればいい」というわけではない。女性が安心して能力を発揮できるような仕組みや環境を、社会全体で整えていく必要があるだろう。

昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、家事や育児、介護といったケアワークの重要性が増している。もともと女性は、男性よりも多くのケアワークを担いがちであったが、自粛生活でその傾向はより顕著になった。ケアワークにおける男女の分担比をそのままに、女性が社会で活躍するのは簡単ではない。

日本の男女格差の状況は、主要先進国中、最下位である。男女格差がもたらす不利益について一人ひとりが学び、格差解消のために何ができるか、考えるべき時期に差し掛かっている。

※掲載している情報は、2022年8月26日時点のものです。

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