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農畜産物を対象にした「有機JASマーク」、オーガニックコットンの「GOTS認証」、オーガニックコスメの「コスモス認証」など、世界や日本には数多くのオーガニック認証制度がある。本記事では、それぞれがどのような認証か、基準や対象商品、認証機関について一覧で紹介する。
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・有機食品であることを証明するための日本の認証制度
・対象:有機農産物、有機畜産物、有機加工食品、有機飼料
・認証機関:農林水産省に認可された登録認証機関
有機JAS制度とは、2001年に制定されたJAS法にもとづいて、有機JASに適合した生産が行われていることを第三者機関が検査・認証する制度のこと。認証された事業者は、有機JASマークの使用が認められ、「有機」と表示できるようになる。
有機JASマークでは、農畜産業において、化学合成肥料や農薬を使用しないことを基本としている。さらに、遺伝子組換え技術の使用禁止など、環境への負荷を低減しながら持続可能な生産ができるような基準を規定している。
・アメリカ農務省によるオーガニック認証制度
・対象:農産物、畜産物、アルコール・タバコ、テキスタイル、化粧品など
・認証機関:アメリカ農務省
USDAオーガニック認証とは、アメリカのオーガニック認証制度で、アメリカ農務省(United States Department of Agriculture、USDA)が運営を行っている。
製品の栽培・加工・取り扱いについて、厳しいオーガニックの基準が設けられ、その基準を満たしたものだけが認証される。さらに化学肥料や成長ホルモンの使用、遺伝子組換え原料の使用、下水汚泥などを禁止。製品そのものの安全性はもちろん、地球に配慮された工程でつくられているかもチェックの対象となる。
USDAオーガニック認証には、オーガニック原料の割合等によって、「100%Organic」「Organic」などの4つのカテゴリーがある。
・EUが定めるオーガニック認証制度
・対象:農産物、加工農産物、畜産物、飼料、ワインなど
・認証機関:欧州委員会(Europian Commission)
EUオーガニック認証とは、EUの政策執行機関である欧州委員会(Europian Commission)が制定するオーガニックの規則に則って生産・加工されたものであることを証明する制度のこと。EU加盟国で、商品に「オーガニック」と表示して販売する際に必要となる。
EUオーガニック認証のマークがついている商品は、オーガニック成分が95%以上含まれているものである。EUオーガニック認証の基準としては、農産物の場合、遺伝子組換え作物や人工肥料・除草剤・殺虫剤、ホルモン剤の使用等が禁止されている。
・オーガニック繊維製品のための認証制度
・対象:糸や生地などの中間製品、衣服、ホームテキスタイル、ベッド用品、パーソナルケア製品
・認証機関:グローバル・スタンダード非営利活動有限会社に承認された認証機関
「GOTS(ゴッツ)」は、テキスタイル分野のオーガニックに関する世界基準だ。「Global Organic Textile Standard」の略称で、日本語では「オーガニックテキスタイル世界基準」と呼ばれる。
GOTS認証は、コットン、ウール、麻、絹などの原料が、製品として消費者の手にわたるまで「繊維製品が正しくオーガニックである」ことを保証する。認証を受けた製品は、原料の70%以上がオーガニックだ。
GOTS認証の基準には、製品の追跡可能性(トレーサビリティ)が確保されていることや、オーガニック以外の製品との混同・汚染されていないことなどがあり、すべての工程で厳格な基準をクリアしなければならない。
・オーガニックコスメの認証制度
・対象:化粧品
・認証機関:国際非営利組織 COSMOS Standard AISBL
コスモス認証(COSMOS認証)とは、オーガニックコスメの品質を認証する国際的な制度のことで、「COSMOS」は「Cosmetic Organic and Natural Standand」の略。もともとヨーロッパ各国で制定されていたオーガニックコスメの基準について取りまとめ、2011年にコスモス認証が制定された。
コスモス認証には「有機農業で生産された製品の使用を促進し、生物多様性を尊重する」「天然資源を責任を持って使用し、環境を尊重する」などの基準が設けられている。遺伝子組み換えが行われている作物の使用や動物実験の実施も禁止している。
コスモス認証には、化粧品の最終製品を対象とした「コスモス・オーガニック」と「コスモス・ナチュラル」のほか、原料を対象とした「コスモス認証」「コスモス承認」がある。
オーガニック食品、オーガニックコットン、オーガニックコスメなどが数多く販売されている。とくにオーガニックの農畜産物は、地球環境にやさしい生産方法で育てられており、「サステナブルフード」ともいえる。
オーガニック製品の品質を私たちが確認するためには、世界や日本にあるさまざまなオーガニック認証について知ることが大切だ。マークの種類や意味を理解して、オーガニック認証マークがついた製品を選ぶようにすれば、それがその企業や生産者を応援することとなり、結果としてSDGsの取り組みにつながるだろう。
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