オーガニックコスメ「コスモス認証」とは 基準とマークの意味

オーガニックコスメの「COSMOS認証」

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オーガニックコスメの世界基準である「コスモス認証(COSMOS認証)」。基本となるルールや禁止事項、製品と原料それぞれの認証の種類と基準についてわかりやすく解説する。また、世界や日本のオーガニック関連の認証制度も紹介する。

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2021.11.18
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目次

コスモス認証とは 欧州5団体が制定した国際オーガニック認証制度

オーガニックコスメの「COSMOS認証」

「コスモス認証(COSMOS認証)」とは、オーガニックコスメの品質を認証する国際的な制度のこと。「COSMOS」は「Cosmetic Organic and Natural Standard」を略した言葉だ。

コスモス認証を運営しているのは、ベルギーのブリュッセルを拠点とする国際非営利組織「COSMOS Standard AISBL」。もともとヨーロッパ各国にあった以下の5つの団体が、国際的なオーガニックコスメの認証を制定するために、COSMOS Standard AISBLを立ち上げた。

・BDIH(ドイツ)
・コスメビオ(フランス)
・エコサート(フランス)
・ICEA(イタリア)
・ソイル・アソシエーション(イギリス)

各国でそれぞれに制定されていたオーガニックコスメの基準について取りまとめ、2011年にコスモス認証が制定された。以来、コスモス認証を受けた商品は、世界70ヶ国、26,000点以上にのぼる。(※1)

各団体でコスモス認証を受けると、それぞれの団体のロゴマークと「COSMOS ORGANIC」と記載されたラベルが付与される。日本では、国際認証機関「エコサート(ECOCERT)」で申請する例が多く、エコサートによるコスモス認証がよく知られている。

エコサートは、フランスのトゥールーズを本部とし、世界130ヶ国以上でオーガニック認証の審査等を行っている機関である。

コスモス認証の基本ルール

コスモス認証では基本的なルールとして、以下の3つを定めている。(※2)

・有機農業で生産された製品の使用を促進し、生物多様性を尊重する
・天然資源を責任を持って使用し、環境を尊重する
・清潔で人の健康と環境に配慮した加工、製造を行う

またコスモス認証では、以下について禁止している。

・遺伝子組み換えが行われている作物の使用
・動物実験の実施
・ナノ成分の使用

コスモス認証の種類と基準

コスモス認証は、化粧品の最終製品と原料が対象になっており、それぞれで認証の種類とマークが異なる。

最終製品を対象とした認証

コスモス・オーガニック(COSMOS ORGANIC)

オーガニックコスメの認証「COSMOSオーガニック」

「コスモス・オーガニック(COSMOS Organic)」は、物理的に加工された農産物原料の95%以上がオーガニックであり、全配合成分中のオーガニック成分は20%以上含まれていること(洗い流すタイプの製品は10%)などの基準が設けられている。製品のラベルには、オーガニック成分の割合が明記されなければならない。

コスモス・ナチュラル(COSMOS NATURAL)

オーガニックコスメの認証「COSMOSナチュラル」

「コスモス・ナチュラル(COSMOS Natural)」は、自然由来の原料を使用した製品に対して認証される。オーガニック成分の割合が明記される必要がある。

原料を対象とした認証

コスモス認証

「コスモス認証(COSMOS Certified)」は、オーガニック原料など、コスモス基準を満たしたものに与えられる。

コスモス承認

「コスモス承認(COSMOS Approved)」は、コスモス認証を受けた化粧品への使用が認められた非オーガニック原料に対して与えられる。

コスモス認証のメリット

化粧品の製品や原料に対して認証を行う「COSMOS」制度

Photo by Vero Photoart on Unsplash

さまざまなオーガニック製品があるなか、自然由来成分を少量含んでいるだけでオーガニックと謳っているケースがある。とはいえ、消費者が本当にオーガニック製品かどうかを見極めるのは難しい。

そんなときコスモス認証マークが役立つだろう。同マークが付いているかを確認するだけで、安全性が保証されたオーガニック製品であることが容易にわかる。誤って粗悪なものを購入するといった事態も防げるのである。

一方、企業側としては世界規模のオーガニック認証であるコスモス認証を取得することは、信用を得ることにつながる。厳しい基準をクリアした製品は、安全性が高く高品質、そしてサステナブルなものとして消費者やサプライチェーンの信頼を得ることができる。今後の市場競争においても、強力な一手となるだろう。

日本・世界のオーガニック認証マーク

国内外には、さまざまなオーガニックの認証制度が存在する。ここでは主要なオーガニック認証について紹介する。

有機JASマーク

日本のオーガニック認証制度。農林水産大臣が定めた有機JAS認証に適合した圃場や工場に付与される。農産物、畜産物、加工食品、飼料が対象となる。有機加工食品は、有機と認定された原材料を95%以上(水・ 塩等を除く)使用した食品であること等の条件がある。

USDAオーガニック認証

アメリカ農務省(United States Department of Agriculture)が管轄するオーガニックプログラム制度のもと行われる認証制度。全成分のうちオーガニック原料が占める割合が100%・95%以上・70%以上の3段階のレベルに分類される。

GOTS認証

GOTSは、テキスタイル分野のオーガニック国際認証制度。オーガニックのコットン、麻、ウール、シルクなどの原料からつくられる繊維製品のための世界基準。原料の95%以上、もしくは70%以上がオーガニック繊維であり、環境負荷の少ない加工がされているかなど、厳しい基準をクリアした製品のみ認証される。

OCS認証

OCS(オーガニック・コンテント・スタンダード)は、世界共通のオーガニック繊維基準としてGOTSと並ぶ認証制度である。原料から最終製品までを追跡し、オーガニック繊維製品であることを認証する。

高まるオーガニック認証の重要性

オーガニックコスメ市場は日本や世界で拡大傾向にあり、それに伴ってコスモス認証のような制度の重要性がより高まるにちがいない。

厳しい基準を設けた認証制度で高い品質を保証することが、私たち消費者を守るひとつの方法となっていくだろう。

※掲載している情報は、2021年11月18日時点のものです。

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