EUオーガニック認証とは マークの意味・基準と対象商品をわかりやすく解説

EUオーガニック認証とは

EUオーガニック認証とは、EUが定めるオーガニックの認証制度のこと。緑色のマークの意味や、対象となる商品、認証基準などをわかりやすく解説する。また日本や世界のオーガニック認証についても紹介する。

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2021.12.02
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目次

EUオーガニック認証とは

EUオーガニック認証

Photo by Photo by Mary Skrynnikova on Unsplash

EUオーガニック認証とは、EUの政策執行機関「欧州委員会(Europian Commission)」が制定するオーガニックの規則に則って生産・加工されたものであることを証明する制度。EU加盟国では商品に「オーガニック」と表示して販売するために欠かせない認証だ。

日本には、農林水産大臣が定める国家規格「JAS」があり、そのなかでも有機農産物、有機加工食品、有機畜産物、有機飼料につけられるのが、有機JASマークだ。日本はEUと互いに有機制度の同等性を認めている。

EUオーガニック認証マークの意味

オーガニック認証を受けた商品のラベルやパッケージに貼られる、EUオーガニック認証のマーク。これは通称「ユーロリーフ」と呼ばれ、欧州旗にも描かれている12個の星を、葉の形のようにデザインしたもの。欧州と自然との調和を表現している。

このマークがついている商品は、オーガニック成分を95%以上含むものであるとわかる。

またマークと一緒に、管理機関のコード番号と、農業原料の生産地を表示する必要がある。生産地の表記は以下の3パターンである。

・EU Agriculture
農業原料がEU内で生産された場合。

・non-EU Agriculture
農業原料がEU以外の第三国で生産された場合。

・EU/non-EU Agriculture
農業原料の一部がEU内で生産され、その他が第三国で生産された場合。

EUオーガニック認証の対象商品と基準

EUオーガニック認証の対象となるのは、農産物、加工農産物、畜産物、飼料、ワインなどだ。一次生産から保管、加工、流通、販売まですべての工程において、欧州委員会が定めた以下のような規定に適合していることが、EUオーガニック認証を受けるための条件となる。(※1)

有機栽培

・遺伝子組換え作物の使用禁止
・人工肥料、除草剤、殺虫剤の使用制限
・ホルモン剤の使用禁止
・抗生物質の使用は、動物の健康に必要な場合のみに制限

畜産

・100%有機飼料を与える
・クローン動物の作製や胚移植の禁止
・成長促進剤や合成アミノ酸の使用禁止
・可能な限り、屋外や放牧地にアクセスできるようにする
・家畜業者は動物の健康と福祉に関して必要な基本的知識と技術を持っていること

フードチェーン

EUで定めるオーガニックの規則は、生産、加工から、流通、最終消費者の手にわたるまでのすべての段階を対象としている。

EUオーガニック認証のメリット

消費者側のメリット

EUの規定を満たしたすべてのオーガニック商品は、ユーロリーフのマークを貼付することができる。親しみやすいビジュアルも相まって、オーガニック商品かどうかをすぐに判別することができる。

メーカー側のメリット

自社商品の安全性やサステナビリティのPRツールとして認証を活用可能だ。オーガニック商品に関心をもつ新たな顧客層へのリーチも期待できる。また、認証されれば一国内ではなくEU加盟国内で販売できるため、ビジネスチャンスも広がる。

日本・世界のオーガニック認証

EUオーガニック認証

Photo by Daniel Hajdacki on Unsplash

有機JASマーク

日本のオーガニック認証制度。農林水産大臣が定めた有機JAS認証に適合した有機農産物、有機加工食品、有機畜産物、有機飼料につけられる。有機加工食品は、原材料の95%以上(水・ 塩等を除く)が有機農産物・有機畜産物または有機加工食品でつくられていることなどが条件となる。

USDAオーガニック認証

アメリカ農務省(United States Department of Agriculture)が管轄するオーガニックプログラム制度のもと行われる認証制度。農産物、畜産物のほか、アルコール、タバコ、テキスタイルなども対象となる。

GOTS認証

GOTS(Global Organic Textile Standard)は、テキスタイル分野のオーガニック国際認証制度。オーガニックのコットン、麻、ウール、シルクなどの原料からつくられる繊維製品のための世界基準。原料の95%以上、もしくは70%以上がオーガニック繊維であり、環境負荷の少ない加工がされているかなど、厳しい基準をクリアした製品のみ認証される。

コスモス認証(COSMOS認証)

コスモス認証(COSMOS認証)とは、オーガニックコスメの品質を認証する国際的な制度。化粧品の最終製品と原料が対象になっており、それぞれで認証の種類やマークが異なる。

たとえば最終製品を対象としたコスモス・オーガニック(COSMOS Organic)は、原料の95%以上がオーガニック、全配合成分のうちオーガニック成分が20%以上含まれていることなどの基準が設けられている。

OCS認証

OCS(オーガニック・コンテント・スタンダード)は、世界共通のオーガニック繊維基準としてGOTSと並ぶ認証制度である。原料から最終製品までを追跡し、オーガニック繊維製品であることを認証する。

消費を見直す 手段としてのオーガニック認証

今回紹介したEUオーガニック認証をはじめ、世界には多くの有機認証制度が存在する。しかしその基準は国や機関によってまちまちだ。

オーガニックの製品を求める際は、EUオーガニック認証のようなマークをひとつの目印にできるが、できるなら買う前にあらためて自分で商品を調べる必要があるだろう。そして自分が正しいと思う選択をする。それが買い手に求められる最低限の責任なのかもしれない。

※掲載している情報は、2021年12月2日時点のものです。

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