編集部が注目した2025年サステナビリティニュース5

サステナビリティニュース

ELEMINISTでもっとも読まれたニュース記事をもとに2025年を振り返り、編集部がもっとも注目したトピックスを5つ紹介する。

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エレミニスト編集部

日本をはじめ、世界中から厳選された最新のサステナブルな情報をエレミニスト独自の目線からお届けします。エシカル&ミニマルな暮らしと消費、サステナブルな生き方をガイドします。

2025.12.29

課題が顕在し、理想が具現化した転換の1年

これまで危惧されてきた気候変動や人口増加、社会問題などの課題が世界各地で現実のものとして顕在化した一方で、技術やしくみの改善が実装されるという明るいニュースも届けられ、明暗が混在した2025年。みなさんにとってはどのような年だっただろうか。2025年にELEMINISTに届いたニュースを編集部が振り返った。

Topic 1 カカオショックの原因とチョコレート値上げの影響

チョコレートの主原料であるカカオ豆の価格が急激に高騰している。2025年1月には数年前の水準の4倍にもなる過去最高値になった。原因は主に気候変動による生育環境の変化だ。気温や降雨量の変化により収穫量の激減、病害の増加が引き起こしている。そんな中、カカオフリーのチョコレートづくりが本格的にスタートしているという現状もある。これまでのようにチョコレートが手軽に手に入らない現実がそこまでやってきているのだ。

Point
カカオの価格だけでなく、生産背景や持続可能性にも目を向ける必要がある。カカオショックを一時的なものだと捉えず、食に関するサステナビリティを考え直すきっかけにしてみてはどうだろうか。

カカオショックとは 原因とチョコレート値上げの影響は?

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Topic 2 世界各地で史上最高気温を更新しつづける夏

日本で6月の平均気温は1898年の統計開始以来、過去最高となった。同じくスペイン、イングランド、ポルトガルなどヨーロッパでも平均気温が史上最高を記録した。とくに日本では盛夏となる8月に群馬県、静岡県、埼玉県、兵庫県で41°超を観測した。1898年の統計開始以来もっとも高い気温となっている。これは2023年から3年連続で続いており、「もっとも暑い夏」が更新され続けているのだ。2026年の夏はどうなるのだろうか。

Point
記録の更新とともに猛暑の適応策も必要になってきている。たとえば、命を守るためには冷房が欠かせない。それであれば、他の使用していない家電や電子機器をこまめにオフするなど視点のん転換も必要だ。

6月の気温、スペイン・イングランド・日本で史上最高を記録

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Topic 3 「世界でもっとも持続可能な100社」に 日本企業3社

企業の主力製品やサービスがもたらす影響を中心に、持続可能性について評価する格付けランキング「グローバル100」。世界の主要上場企業8000社以上から、資源、財務管理、従業員などの持続可能性を評価し毎年100社が選ばれる。日本からはエーザイ、リコー、シスメックスの3社が選ばれた。サステナビリティに関する取り組みへの投資額が大きい一方、多様性ではまだランク外企業と大きな差がないという点も指摘されている。

Point
2025年のランキングで上位に入った企業に共通することは、クリーンエネルギーなどの環境へ配慮した取り組みに多くの投資を続けていることだ。金利が上昇するなか、大手企業は持続可能な投資を拡大している。

2025年Global100発表「世界でもっとも持続可能な100社」 日本は3社がランクイン

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Topic 4 オーバーツーリズム問題が再燃 欧州で最大規模のデモ

2024年にもヨーロッパの人気観光地でオーバーツーリズムによる被害、抗議運動が取りざたされていたが、この動きはおさまらないどころか過熱しているようだ。6月にはスペイン、イタリア、ポルトガルの3カ国でデモ活動が行われた。オーバーツーリズムへの抗議デモとして、史上最大規模とみられる。観光税を果たすなど、各国がオーバーツーリズム対策を始めてきた。だが、その効果は地元住民が望むものには至っていないようだ。

Point
観光地の多くで観光収入は経済源となっている一方、地域住民の暮らしを脅かすこともある。旅先で今こそ「レスポンシブル・ツーリズム」、観光客の責任ある行動が必要になってきている。

欧州3か国で最大規模の「アンチツーリズム」デモ オーバーツーリズム問題が再燃

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Topic 5 食品ロス削減をしくみから変える取り組みに注目

ニュースなどでも食品ロスに関する問題が取り上げられることが多くなってきている。そんな中、しくみから改善していこうという動きが出てきている。イギリスの大手スーパーマーケット「テスコ」は、食品ロスを削減するため、賞味期限が近い食品を無料で消費者に提供する新たな取り組みを開始した。また、日本でも全国の16歳から69歳までの男女1006名を対象にした調査で、「消費期限延長に7割が賛成」という結果が出ている。

Point
食品業界の仕組みからロスを削減する動きがはじまっているというのは、消費者としてはうれしいところだ。日々できること、てまえどりや必要な分だけ購入することで、食品ロス削減に貢献していこう。

「消費期限延長に7割が賛成」 食品ロス削減への期待と生活者の本音を調査

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今年は大阪・関西万博が開催され、そのテーマのひとつでもあった「サステナビリティ」に、一層の注目が集まった。最先端の技術や新たなアイデアが多く展示され、数あるパビリオンで持続可能な未来を体験した人も多かっただろう。その未来は突然やってくるのではなく、今日ここにつながっているということを覚えておきたい。いまのわたしたちの行動が未来を形づくる。より具体的に、現実的に行動を選んでいくことが求められているのだ。

※掲載している情報は、2025年12月29日時点のものです。

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